関西テレビ放送株式会社


番組審議会
No.605 2019.5.9
関西テレビ
「僕が笑うと」について審議
出席の委員

上村洋行 司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長(委員長) / 難波功士 関西学院大学 社会学部長 教授(委員長代行) / 安東義隆 産経新聞社大阪本社 編集局長 / 金山順子 適格消費者団体 ひょうご消費者ネット 専務理事 消費生活アドバイザー / 黒川博行 作家 /
高江洲ひとみ 弁護士 / 早嶋茂 株式会社旭屋書店 代表取締役会長

レポート参加

井上章一 国際日本文化研究センター教授 / 通崎睦美 音楽家 文筆家

関西テレビ

福井澄郎 代表取締役社長 / 宮川慶一 専務取締役 / 前田ひとみ CSR推進局長 / 妻屋健 編成局長 / 安藤和久 制作局長 / 兼井孝之 報道局長 / 松田茂 制作技術局長

5月9日に開催された第605回番組審議会では、4月8日に放送された所ジョージさん司会の「新説!所JAPAN」の「食パン」の回が審議されて、委員の皆様から貴重なご意見をいただきました。

番組の評価点

「食パン」というワンテーマで1時間を乗り切るという潔さがよかった。食パンに関してとことん調べてみようという気構えが伝わった。
高級食パンブームの謎解きも興味深く見た。外国人が並ばないのはなぜか。外国人が美味しいと思わないのはなぜか。その理由が唾液量にあるとは勉強になった。
パンの耳をおいしくいただく方法が紹介されていて、私は子供のころ、フライパンで砂糖まぶして揚げるとかして、おやつ代わりに食べていた世代なので、興味深く拝見しました。切れ目を入れるだけで大変身するというのは衝撃で、ぜひ試してみたいと思いました。
食パンも含めてパンは好きなものですから、非常に楽しく見ました。 総じて楽しく肩の力も抜けて、見るほうも楽しめた番組だと思います。
50分で非常にいろんなことを勉強できましたし、コスパの高い番組かなというふうに思いました。

番組の感想

木琴奏者の私としては、戦後の日本に、アメリカから甘く柔らかい音色のマリンバという楽器がやってきて、堅くて軽やかな音色の木琴に誰も見向きもしなくなったことが重なり、やはり世の中、柔らかい物をリッチと捉える人が大半なのかなあ、と切なくなりました。そのあたりの日本人の志向も掘り下げると面白いかもしれません。
内容もよく調べているし、気づかされることが多くあった。しかし、どうもこの番組全体が切れ目なく、めりはりのないままに終わっているのが惜しいなと感じた。
これが「ためしてガッテン」みたいに、カンテレ独自のそういう情報バラエティー番組に育っていったらおもしろい、よいというふうに思うんですけれども、取り上げる内容次第かなという気がしました。
ビスケットの実験も、「あ、なるほど、こういうふうに唾液量を見るんだ」と感心しましたし、おもしろい実験の仕方だなと思いました。VTR一つ一つはいいんですけど、何か流れがのんびりしてるなという印象を受けてしまいました。
辻製菓専門学校の水分のバランスを見るための焼き方のテストや、唾液の量が欧米人と日本人は違うとか、パンの耳の内側に切れ目を入れる、などは大変新鮮だった。しかし、この番組は新たな情報を入れているのに、どうもつくり方に新鮮味がないので、もう少し工夫がほしい。

出演者について

所ジョージさんも、深刻な内容には向かないと思いますが、こういう番組だと肩の力も抜けてるというところもあるので、情報提供番組には向いてるんやろうなと思いながら見ておりました。
谷元アナウンサーが全然物怖じしないし、なおかつ天然なところが所さんという芸能界の大ベテランの方に対しても本当に自然に振る舞えるというそのキャラクターがすごく生かされている番組だなという第一印象がありました。
コメンテーターにパックンがいましたけど、この人コメンテーターとしては僕はすぐれている人やと思うんですけれども、この回は出ている値打ちをうまく出せなかったかなというふうに思いました。
パン好きの木南晴夏さんがゲストということを聞いて、いろんなことをまたニコニコしゃべっていただけるのかなと思ったんですけれども、今回は、空気を読んでなのか、余りしゃべらずおとなしかったので、すごく残念でした。好きなものを、個人的な視点で構わないので、生き生きとしゃべる木南さんの画がすごく見たかったなと思いました。
所ジョージさんは別に嫌いじゃないんですけど、自分の好きなことだけを好きに語ってるようなことをやられたほうがよくて、毎回毎回いろんなことを振られて一生懸命対応するのもしんどそうで、どう見ても「一軒家」のときのほうが生き生きしてるなと思ってみたりだとか、興味ないものまで対応していろんな情報番組、教養番組を仕切るというには、もうちょっと違うフェーズに入ってる人じゃないのかなということを思いました。

構成・演出に関する意見

画面右肩に示すスーパーの露出について。今回の紹介の目玉だと思われる「パンの耳が美味しくなる」を番組冒頭から長時間表示し続けたものの、実際の紹介は番組終盤になってからだったが、これは引っ張りすぎではないか。
もう少し広い視野でパン全体の動向をみてから食パンに特化すれば、私のようなハード・パン派にも受け入れられる番組になったのではないかと思います。
欧米人は、やわらかいパンが苦手なんだそうですね。アメリカ生まれのパックンから、ひとことほしいところでした。
所さんが中心になっていながら、スタジオとビデオとが全くリンクしていない。かみ合っていない。パックンというのは和食のパンが好きだというのはわかるんですけれども、欧米との違いみたいなものをパックンに話させてくれたら、もう少し文化の違いのようなものがもっとわかってくるように思った。
関東と関西でパンの厚さに違いがあるという指摘。私自身、40年近く前に東京で下宿生活を始めたときから感じていた疑問でした。どんな答えを用意してくれているのかと期待していたのですが、磯田さんの仮説にはがっかりしました。もっと調べてみたら納得のいく理由があったのではと思いました。
近世史の専門家の磯田先生に毎回毎回いろんなことを全部負わせるのはちょっと無理だと思ったし、新説が新しい説で真実の説じゃないところが逃げ場なのかもしれないですけど、もうちょっと頑張ってほしいなとは思いました。
ナレーションも気になりました。口調というのは賛否分かれるのではないかと思うんですけれども、それよりも、前半のナレーションの分量が多過ぎる。しかも、背景に流れてるものは奈良県の人たちの食パンの食べ方を延々と続けてるわけですね。そのために騒がしいような、ざわついてるような感じを受け取ってしまいました。
「ホンマでっか!?TV」とか、人気の「水曜日のダウンタウン」とかは、結構キャッチーな「何言ってるの?」と疑問に思うテーマを先に提示して、視聴者を引きつけて、その後に、こういう理由で説が正しいんですよとか説明する手法をとっていますが、この番組はゆっくり結論に至るまで持っていくという形なので、まったり派の番組と感じました。私はどちらかというとせっかちなタイプなので、ずっとテレビの前で座っていられず、ちょっと途中でだれてしまいました。

番組への提言・要望

奈良県の人の食べ方は、ちょっとあれはいかがなものかと。アボカドトーストぐらいはわかるんですけど、チーズ納豆とかになると、これが本当に多数派の食べ方なのか、あるいは奈良県特有の食べ方なのか、そのあたり番組でそこまで突っ込む必要があるのかどうかわかりませんが、少し興味と疑問を持ったところです。
「奈良の家庭では食パンと和の食材を合わせるのが普通だそうです」というナレーションも入ってたんですけど、私はそれはちょっと言い過ぎで、普通にパン食べてる家庭もいらっしゃるので、こういった家庭もいますというぐらいのナレーションにしてたほうがいいと思います。
ランキング等の出典については、他社新聞掲載データではなく、おおもとの一次情報を使ったほうがよいのでは。今回の場合は総務省の家計調査を出典とすべきだった。
カンテレのこの時間の番組は、キャストの配置が今回と似てるんですよね。半円で座って、真ん中に進行役の方がいます。番宣で来るゲストやあまりバラエティーに出てない方たちが、半円で並ぶと一人で椅子にポツンと座ることになるので、助けてくれる人が近くにいないので喋りにくいのかなと思いました。

事業者側からの発言

バラエティーというのは我々の放送コンテンツの中では非常に重要な分野だけれど、非常につくり方が難しい。ドラマとかは、きちっとコンセプトとか台本をしっかりつくればそれなりの見え方はするんですけど、バラエティーを当てるというのは非常に難しい。ローカルでは結構いろんな工夫をして成功してるんですけれども、今ネット番組のバラエティーが当社にとっては非常に大きなテーマになっています。きょうご審議いただいた「新説!所JAPAN」も、ある種の可能性を秘めながらもがいてるというような状況だろうというふうに思います。きょうのご指摘を受けまして、しっかりとこれから取り組んでいくと思いますので、これからもご審議をお願いします。

番組審議会に出席して

制作局 東京制作部 プロデューサー 東野和全
昨年10月にスタートした「新説!所 JAPAN」。所ジョージさんをMCとして、毎週日本人の身近な疑問をテーマに取り上げています。番組タイトルにある『新説』は、ネットで探したものではなく出来る限り番組独自の考察と実地調査に基づいたものを放送するように心掛けています。今回のテーマ「食パン」に関しては、委員の皆様にご納得いただける『新説』をいくつか提示出来たのではないかとお話を聞いて感じました。しかし一方で、進行に強弱がなくダラダラしているという感想も頂きました。今後は、自分たちで収集した事象をいかに再構築し、メリハリのある内容にして放送するかを課題に、たくさんの方々に見て頂けるようなバラエティ番組にしていきたいと思います。

〒530-8408 大阪市北区扇町2丁目1-7 関西テレビ放送 番組審議会事務局

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