番組審議会 議事録概要
「旬感LIVE とれたてっ!」(11/30放送分)について審議
- 放送日時
- 2023年11月30(木)
13:50~14:45 - 視聴率
- 個人全体
関西地区1.8%(占拠率16.4%) - オブザーバー
- (審議番組)
制作局 情報制作部 チーフプロデューサー
前 洋平
(議題2のみ)
制作局 制作部 部長
乾充貴
制作局 制作部 プロデューサー
上林 翔吾
参加者
委員 |
委員長上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士※(関西学院大学 社会学部 教授) ※レポート出席(敬称略50音順) |
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関西テレビ |
羽牟正一 代表取締役社長 |
議題
- 地上基幹放送局の再免許にあたり総務省からの要請について
- 「ちまたのジョーシキちゃん」について報告
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(11月・12月分)報告
- 審議番組 「旬感LIVE とれたてっ!」(11/30木 放送)
- その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第650回番組審議会にて、地上基幹放送局の再免許にあたり総務省からの要請についての報告、11月・12月の視聴者からの意見対応の報告と、番組審議は11/30放送「旬感LIVE とれたてっ!」。また、番組審議の前に、11月に放送した「ちまたのジョーシキちゃん」で誤ったランキング結果を放送した件について報告し、以下の通り委員から意見があった。
「ちまたのジョーシキちゃん」11/3放送内で紹介した「ぎょうざがおいしいチェーン店ベスト10」において、ランキング結果を異なった順位で放送した事案について
番組で紹介した「ぎょうざがおいしいチェーン店ベスト10」で、番組が実施したアンケートの結果は2位がA社、1位がB社でした。
しかし、番組スタッフは、A社とB社の関係に配慮した方がよいと思い込み、ランキング内で両社を共存させない判断をし、2位のA社を除外した形で放送しました。
その後、事案が発覚し、11/24放送でアンケート結果の誤りを訂正しお詫びをしました。
誤ったアンケート結果を放送したことについて、番組審議会に報告し、委員からご意見をいただきました。
以下、委員からのご意見から抜粋
・視聴者の信頼を損なう行為にもかかわらず、取材先の体面、都合を重視して収束を図ったのかというような感じを抱いた。
悪意がないことはわかるが、単純ミスでもない。ただ、意図的に2位にランクインしたお店を排除するという手法は、放送倫理という問題以前に、アンケート自体を無意味にしてしまう。アンケートで2位の社に投票した人の意見は全く意味がなかったということだ。
・この件に関しては、いろいろな問題点が複合的に存在している。まず懸念すべきは「想像力の欠如」。「A社をランキングから除外して放送することで何が起きるか」を、スタッフ皆が顧慮しなかったという事実は、もっとも重く受けとめるべき点だ。次に、「演出の範囲の拡大解釈がなかったか」という点。番組をおもしろくするために、取捨選択をするのは当然だが、アンケート結果の改ざんは、演出、編集の自由を超えている。
・ランキングを放送した3週間後の11/24の放送で訂正していたが、その方法が番組の最後にスポットで「ぎょうざランキングの順位に誤りがありました、視聴者並び関係者の皆様におわびし云々…」という形で、誤ったランキングと正しいランキングを見せていた。しかし、ランキングの順位に誤りがありというのは間違いないが、一部の結果を削除し誤った順位で番組を制作したと、正確に言うべきだったのではないか。
・「発掘!あるある大事典II」で問題があり、以降いろんなことに手を打たれたようだが、時間の経過で風化していくと考えるべき。再発防止策の検討は絶対に必要で、再発防止そのものがベストだとすれば、絶対避けなければならない最悪の事態というのは何なのかということを併せて考えるべき。
・放送倫理がまだ染みついていない人がいるのはすごく残念。会社として、どう社員に浸透させるのかということを、もっと考えてほしい。社内勉強会をする場合でも、座学だけではなく、例えば、ディスカッション形式にするなど、どう工夫して染みつかせることができるか、この放送倫理の意識を定着させる方法を考えてほしい。
・要するにジャーナリストの精神というものを正常機能が保てるような状況に置くことが、一番局としての信頼回復、信頼を失わない大きなことだ。ぜひそのことに気をつけてもらいたい。
当社からは、
「社としてこの事実を重く受け止め、臨時制作局会を実施し、問題の整理、過ちに至ったポイント、再発防止への取り組みについて制作担当者で共有しました。外部講師を招いた社内勉強会も実施し、ランキングをはじめとするデータを扱う際の考え方や留意点をあらためて確認しました。今後も研修を継続し、放送倫理の一層の意識向上と再発防止に努めていきたいと考えています。コンテンツ制作に関わる社員・スタッフが中心になり、信頼していただける関テレになれるようしっかり取り組んでいきたい」と返答しました。
審議番組 「旬感LIVE とれたてっ!」(11/30木 放送)
番組概要
「旬感LIVE とれたてっ!」(11/30放送)
2023年10月にスタートした「旬感LIVE とれたてっ!」。月曜から金曜の昼の顔として、MCにフリーアナウンサー青木源太を据えて、気になる情報を生放送でお届けするニュース・情報番組。また、多彩な日替わりゲストのコメントも見どころ。
<MC>
青木源太 日替わりゲスト:ハイヒール・リンゴ、吉田敬、黒田有、小藪千豊ほか
委員からのご意見
「MC青木源太について」
- MC青木さんは、あまりアクがないところがむしろよかった。コメンテーターは、好き嫌いもあるし、話す内容で賛同するとかしないとか、いろいろあるが、要は、青木さんはそういうコメンテーターをうまく回して、振っているという感じがした。
- 他局では、「ゴゴスマ」と「ミヤネ屋」が並んでいる。違う特色をどう出していくのかという点が課題だとしたら、くせが強そうなキャラクターじゃなくて青木アナだったのかなと思った。
- 青木MCを、好感を持って見た。出演者に対しておもねることもなく、適度な距離感を持ったスマートな進行が印象に残る。大阪流に染まるようなアレンジすると、逆に全て壊れてしまいそうな感じがする。
「番組全体について」
-
この種の情報バラエティ番組は評価がとても難しい。要するにその評価の軸として、その情報が面白いのか、コメントが面白いのか、コメンテーターの言うことが面白いのか、これを比べてみたら、当然その情報が面白ければその番組そのものが面白くなる。
上記のご意見への返答
各局が横並びで情報番組を放送している中で、当然同じようなニュースが並んでしまいます。うちは後発番組ですので、いかに差別化をしていくかというのが番組スタートのテーマです。その中で、コメンテーターがいかに面白いことを言うか、視聴者の言葉を代弁してくれるようなコメントをするか、というところで色を出していこうとしております。
チーフプロデューサー・前 洋平
- 何となく始まって、何となく終わっていたという感じ。コメンテーターの橋下徹、メッセンジャー黒田も、彼らにしては毒気のないおとなしい感じだった。MCの青木源太は、爽やかなイメージで毒がないので、「ミヤネ屋」や「ゴゴスマ」に、こういう切り口で対抗しようとしているんだろうと思った。
- 全体的な印象としては、手堅いつくりだが、新鮮味や新機軸は感じられない。平日昼間にテレビを点ける習慣がついている人たちをキープしていく機能は果たすだろうが、それ以上でもそれ以下でもないように感じた。
- 各局帯の情報バラエティ番組のなかで、その選び方は何かと考えると、まずは興味のある内容、テーマ。2つ目に、MCの個性とかで選んでいる。好き嫌いの要素は大きい。そして見てよかったという評価は、気づきがあったとかの情報とコメンテーターや専門家の意見だろう。
- 宝塚歌劇団のパワハラのところで、橋下さんの「練習時間は労働時間ですか」というコメントや、(東郷町長のところで)「権力を持つと偉いと勘違いする」という話についても、もっと話を膨らませられる。ところどころ橋下さんが言っていることを拾い切れていないのではないか。
-
パワハラの特集は情報が薄くて、コメンテーターに話を振っても、ものすごくコメントしづらい状況だった。最初にまとめて詳しい情報を提供してからコメンテーターの方たちの意見を聞いたほうが、見ていて話が頭に入りやすいと思う。
上記のご意見への返答
パワハラの企画に関する情報の薄さに関しては、報道からの素材を自分たちなりに料理をしているというところが多々あり、なかなか深いところまで行けていないというご指摘は、課題というか、もっと深い取材をして企画をつくらなければというのを常に感じているところです。
チーフプロデューサー・前 洋平
- お昼に何かをしながらサラッと見られる、ちょうどいい番組。うるさくもないしアクもないし、という観点からすると、なかなか面白いところを新しいマーケットとして捉えられたのではないか。
- 面白いと思ったのは、大阪万博の「ミャクミャク」のところ。「ミャクミャク」なのか「ミャクミャク」なのか(イントネーションの違い)は、視聴者との距離というか、テーマ選びとしては合っていたのではないか。
- 関西テレビ全体として、男性がメインMCで女性がアシスタントMCという定型的な番組作りから脱却する道は探ってほしい。橋本和花子アナなどの今後に期待したい。
- あまり引っかかるところがなく、軽く見ることができた。なぜこういうつくりになったのかと思うと、出演者があまりオーバーなことを言わず、黒田有さんや橋下さんにしても、的を外さずにコメントをされていたことがいい雰囲気をつくり上げたのか。つまり大阪流のアクの強さみたいなものがこの番組には出ず、自然な笑いのようなものが出てきた感じがして、その意味でよかったと思う。
委員のご意見を受けて
- 制作局 情報制作部
前 洋平 チーフプロデューサー - 昨年10月に始まった情報番組「旬感LIVEとれたてっ!」。今回、委員の皆様から頂いたご意見の中で一番残っているのは「番組に個性が無い」ということです。MC青木源太さんの個性、番組の核となる企画、時事ニュースの見せ方・切り取り方など。無事に番組をスタートさせることに重点を置くばかり、強力な裏番組からチャンネルを変えさせるほどの「個性」を出し切れずに、三カ月が経過していました。今回のご指摘をもとに、改めてスタッフ一同で番組の色を出して、さらに飛躍できるよう試行錯誤を続けたいと思います。