番組審議会 議事録概要

No.622 2021.3.11

『一流企業が禁断のカミングアウト 私、アレにやられました!』について審議

放送日時
2021年2月21日(日)16:05~17:20
(全国ネット放送)
視聴率
個人全体
[関西]1.5% 占拠率(7.7%)
[関東]1.8% 占拠率(10.0%)
オブザーバー
制作局制作部 ディレクター
吉川 亮太

参加者

委員

委員長

上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長)

委員長代行

難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)

井上章一(国際日本文化研究センター 所長(リポート提出))
金山順子(適格消費者団体 ひょうご消費者ネット 専務理事 消費生活アドバイザー)
黒川博行(作家)
島田耕(産経新聞社大阪本社 編集局長)
高江洲ひとみ(弁護士)
通崎睦美(音楽家 文筆家)
早嶋茂(株式会社旭屋書店 取締役会長)

(敬称略50音順)

関西テレビ

羽牟正一 代表取締役社長
谷口泰規 常務取締役(欠席)
兼井孝之 コーポレート局担当局長
岡宏幸 コンテンツデザイン局長
小寺健太 制作局長
小杉太二 報道局長
西澤宏隆 スポーツ局長
松田茂 制作技術統括局長

議題

  • 局に寄せられた視聴者からの意見・苦情等の概要2月
  • 審議 番組「一流企業が禁断のカミングアウト 私、アレにやられました!」(2/21 放送)
  • その他 番組全般、放送に対するご意見、ご質問等

第622回番組審議会は、新型コロナウイルス感染防止に配慮しつつ、通常形態での開催とした。審議番組は、第3弾となる単発企画。

第1弾から今回の第3弾について

  • 今回第3弾のトピックスが食品に関するものばかりで、ちょっと偏っている気がして、物足りなさがあった。第2弾のときには文房具や家電、違う分野の企業がラインナップされていた。違う業界のマニアックな話や、その業界の中で「やられた!」と思うようなことも散りばめてもらえたら、変化があってよかった。
  • 第1弾を視聴したときに、お菓子がたくさん取り上げられていて、「やられた」と思った会社や商品はなんだろうとワクワクしながら面白く視聴した。第2弾から、今回は第3弾ということでじっくり視聴したが、パンチがだんだん薄くなっていると感じた。

「やられた!」のか?

  • 「やられた」というのが何なのかなとよくわからなかった。もうちょっと条件を絞り込んでいったほうが、説得力があるのでは。もっと絞り込んだところで、「さすが」みたいなのを与えるようなのでないと。見ていて全てがぼんやりしていた。
  • 日本料理店の料理人が何を紹介するのかと思ったが、客単価のあまりに違い過ぎるラーメンだった。自分と同じような日本料理とか、ちゃんとしたフレンチとかイタリアンとかを紹介するのであれば、もっとインパクトがあった。1,000円前後のラーメンを紹介したということは、本人も傷つかないし、客単価の低いラーメン店をちょっと下に見てるんじゃないかという感じがした。けれども、このルポの中では一番面白かった。
  • 最初のチョコレートとポテトチップスに関して、カカオの産地とジャガイモの品種別を取り上げたが、例えば同じチョコレート会社同士で、自分のところにない技法、味とか包装とか、まねのできないようなものを比較、対象にするならわかるが、これは全く違う商品であり、しかも選別の方法が違う。何がやられたのか意味を理解できなかった。

番組全体について

  • 全体的には内容も構成も時間的な配分も非常によく、「面白い番組だな」というのが率直な感想。このやられた商品を紹介する企業と、やられた商品をつくった、いわゆる紹介される企業—。私には2社タイアップによる企業CMを見させられているように感じた。
  • 70分ほどの比較的長いバラエティだが、あまり長さを感じさせないつくりになっていた。トピックスがテンポよく切り替わっているが詰め込み過ぎではないというところもすごく印象に残った。
  • 「『やられた』という商品は何か」と、同じ業種で同じ市場で競争している相手を答えないといけないということは、それを聞き出すことや双方にとって悪くならないメリットのある番組をつくることを考えるのは、相当この企画は難しいのではないか。
  • ものまねの部分は、こういう理由で受けているんだとか、いろいろ解説をしてもらうと、そういう見方があるのかと感心しただろうが、コメントしているものまね芸人の人たちも全部リモート参加なので、何となく生活感がにじみ出ているようで、ちょっと興ざめな印象を受けた。
  • 番組は、企業3社、そして料理人の「ヤラレた」が紹介され、その次にモノまねタレントのコーナーで、横道にそれて訳のわからない番組になるのかと心配したが、モノまねタレントのコーナーは、内容的、時間的にも程よいスパイスとなり、視聴者を飽きさせず、そういう意味でも全体として面白く楽しめた。
  • この番組は、その全体を企業広告にしていたのでは。はりあう企業が、たがいの商品に脱帽するところをこの番組は見せている。でも、登場する各企業の了解は、とっている。くやしがる役まわりをあてがわれた側にとっても、悪い話じゃない。うま味も、じゅうぶんあり、少なくとも、「禁断」ばかりではありえないでしょう。
  • マスに対して満遍なく受けようとしたら、結局、誰も引っかからないということは、わりと最近のテレビ番組全般であるような気がする。ユーチューブのものすごくマニアックな番組が一方にあっても、こちらをどうしても見たくなるというところまでいこうとしたら、もっと企業間の競争の細かいところまで入り込んで、70分を一つのライバル関係だけでいくぐらいのものをしてもよいのでは。
  • パブリシティーの話でいうと、別に取り上げた企業がスポンサーについているとか、CMが入っているとかという話じゃないので問題はないとは思うが、大人の事情を勘ぐる視聴者が最近たくさんいるし、そういうことをいろんなところに書き込むので、その辺がちょっと気になった。
  • バラエティはにぎやかでなかったらいかんのだと、あるいは、無理やりに笑わせるというような方法はできるだけ抑えたほうが、視点の面白さを生かすためには、言わんとするところが明快に出てくるように思う。

委員のご意見を受けて

制作局 制作部
吉川亮太 ディレクター
今回で第三弾となるこの特番ですが、考えるきっかけとなったのは自分の体験からでした。企画書が全然通らなかった時に、他の方が通した特番や他局の特番を見るたびに「やられた~!その手があったか」とよく頭を悩ませていました。そんな時に「これって企画になるのでは?」と思ったことがこの特番のきっかけです。今回皆さんの意見の中で多く聞かれたのが、この「やられた」というポイントについてでした。面白かったと評価して頂いた半面、物足りなさを感じた方もいらっしゃいました。番組の中で一番伝えたいことが視聴者の方に本当に伝わっているか…ということを肝に銘じながら、今後の番組制作に生かせていけたらと思います。

東日本大震災から10年、報道としての取り組みを報告

小杉報道局長

震災10年ということで、今日の放送予定と、関西テレビが取り組んできた震災取材等についてご説明します。本日(3/11)は、11時55分から15時15分まで「バイキングMORE」の中で、地震発生の14時46分を伝えます。その後、15時15分から16時50分まで、フジテレビ制作の10年目の総検証「わ・す・れ・な・い」という番組を放送。この番組は民放とNHKの共同プロジェクトとなっており、各局が協力して映像を共有するというような取組も行っています。その後、通常ですと「報道ランナー」の1部、2部ということですが、16時50分から18時09分まではFNN特番という形で「ライブニュースイット特別版」。その後、18時09分から19時まで通常の「報道ランナー」2部で関西テレビとしての震災関連の特集ニュースを取り上げます。
関西テレビ独自の震災関連の特集では、3月3日から継続的に特集をお送りしています。3月3日は、東北と交流を続ける阪神大震災被災の女性を取材。4日は原発避難者の10年、そして8日は、「報道ランナー」の防災スペシャルということで、1時間前拡大をしまして、災害医療を特集。そして、キャスターの新実が被災地を取材して、9日は福島第一原発、10日は宮城県の名取市を取材させてもらっています。そして、11日当日は、東日本大震災で妻と娘を亡くされた自衛官の男性を取材しています。
震災から10年ということですけれども、大切なことは何度もお伝えしないといけないですし、10年目は10年目の発見ニュースがあると思っていますので、しっかり関西の視聴者にもそのあたりをお伝えしていきます。