番組審議会 議事録概要
No.666 2025.7.10
「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」 (7/1放送)について審議

- 放送日時
- 2025年7月1日(火)
23:00~23:30 - 視聴率
- 個人全体 関西2.1%(占拠率12.2%) 関東1.3%(占拠率8.5%)
- オブザーバー
- 制作局 東京制作部
プロデューサー
永富 康太郎
参加者
委員 |
委員長上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士(関西学院大学 社会学部 教授) (敬称略50音順) ◇オンライン出席 |
---|---|
関西テレビ |
岡 宏幸 代表取締役社長 |
議題
- 委員長、委員長代行の互選
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(6月分)報告
- 審議番組 火ドラ★イレブン『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』(7/1放送)
- その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第666回番組審議会では、67期の委員長、委員長代行が互選で選ばれ、6月分の視聴者対応報告のあと、火ドラ★イレブン『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』(7/1放送)について審議された。委員からの意見は下記に記載。

番組概要
火ドラ★イレブン『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』第1回(7/1放送)
自慢の美貌を武器に、恋愛経験豊富な看護師・浅田南(本田翼)は、半年前、勤務先の病院で出会った“北くん”こと真中北(岩瀬洋志)に一目ぼれ。老若男女問わず全ての人から愛される“ナチュラルボーン天使”の北くんに夢中になる。ところがそんな北くんに、時を同じくして想いを寄せる人物が現れる。真面目性格が取り柄で料理好きなパン屋店員・比留間東子(志田未来)と、クールでオタク気質な書店員・西野悠(増子敦貴)だ。全ての人を受け入れる北くんの愛されぶりは衰え知らず。「このままだと、どんどんライバルが増えちゃう」——そんな南の焦りに東子と西野も同調し、3人はいっそのこと北くんの愛を3等分してシェアしようと“33%の会”を結成し、4人で同棲生活を送ることになる。
委員からのご意見
- フィクションでありながら、現実的な疑問を抱かせる設定に惹かれた。視聴者に考えさせる力がある作品だ。
- 北くんの一瞬の表情に「秘密があるのでは」と感じ、今後の展開に興味を持った。
- 北くんの「いい匂いの人が好き」という特徴は、キャラクターの個性を定義する重要な要素であり、原作では一貫して描かれているが、番組ではその要素が十分に活かされていない。
- 恋愛感情を3人でシェアするという設定はユニークで、モテ・非モテの勝ち負けを曖昧にする知恵として興味深い。
- 本田翼さんや志田未来さんなど、有名な俳優が出演しており、火曜よる11時枠のドラマとしては豪華に感じた。
- おいでやす小田が演じる警察官への説明シーンが視聴者への状況説明になっており、リアリティがなく「お手軽な段取り」だと不自然さを感じた。
- 警察官が北くんのことを「ひも」という言い方をしていたが、この設定には、社会的にも大いに違和感があった。
- 最後のナレーションの表現を、ナレーションではなくて暗示させるドラマにしたほうがよかったのではないか。
- 衣装もよかったし、部屋にしろ、あるいは空とか、そういった風景の色が鮮やかに映って、とても印象的で頭に残っていて、ビジュアル的にはよかった。
- 屋上の場面では高所恐怖症ながらもCGだと理解しつつ、ハラハラしながら視聴したが、臨場感があった。
- 「北くんを働かせない」という設定に社会的な違和感を覚え、北くんの生活が他人の支援に依存している点に不安を感じた。
- 原作では北くんの性欲の強さが描かれているが、ドラマではそれが何も提示されていないから、余計気持ち悪いと感じた。
-
タイトルの中に句点もあって、文章のような長いタイトルは原作が漫画コミックだからでしょうが、変えられなかったのか。
上記のご意見への返答
●原作者の榊こつぶ先生ともお会いさせていただいたのですが、とてもすばらしいエッセンスが原作にはたくさん詰まっていて、タイトルも句読点を入れて全部で33文字になっているんです。そんな先生の強いこだわりを感じるところもあり、原作タイトルのまま、正式タイトルにさせていただきました。
●屋上に関しては、実際のホテルの屋上でやらせていただきました。実はあの下には降りられるところもあって、そこにクッションを敷いて撮影を行いました。現場の臨場感、そしてロケーションのすばらしさから、最初のシーンとして選ばせていただきました。
●おいでやす小田さん演じる古賀弘樹という警察官役はオリジナルで作りました。この役が、4人の恋愛の形を受け入れられない視聴者の方々の目線として描けたらと思って作りました。プロデューサー 永富 康太郎
委員のご意見を受けて
- 制作局 東京制作部
永富 康太郎 プロデューサー - 「好きな人を男女3人で33%ずつシェアする」という全く新しい形のラブコメが委員の方々にどのように伝わるのか、ドキドキしながらお話を伺いました。原作コミックスを購読して下さったり、2度も視聴して下さったりと、真摯に作品と向き合って下さる姿勢に、感銘を受けました。原作コミックスを実写映像化することの難しさなど、委員からの意見にはたくさんの気付きと刺激を頂きました。この度は、貴重な機会を頂き、ありがとうございました。