番組審議会 議事録概要
『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』について審議
- 放送日時
- 2022年2月1日(火)22:00~22:54
- 視聴率
- 個人全体
関西5.0% 占拠率(17.6%)
関東3.3% 占拠率(12.5%) - オブザーバー
- 制作局 東京制作部
プロデューサー
前 洋平
参加者
委員 |
委員長上村洋行※(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士(関西学院大学 社会学部 教授) (敬称略50音順) |
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関西テレビ |
羽牟正一※ 代表取締役社長 |
※印…対面による出席、他はオンライン(zoom)出席
議題
- 2021年10月から2022年3月までの番組種別・CM総量の結果報告、4月改編及び放送番組種別などの報告ほか
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(3月分)報告
- 審議番組 「火曜は全力!華大さんと千鳥くん」
(2/1火 22:00~22:54放送) - その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第633回番組審議会は、新型コロナウイルス感染防止のためオンラインと一部対面による開催とした。2021年度下期の番組種別・CM総量の結果報告及び4月改編の方針、放送番組種別等の報告を行い、委員からの承認をいただいた。
また、3月の視聴者対応状況報告のほか、審議番組の「火曜は全力!華大さんと千鳥くん」について委員からさまざまな意見が出された。
番組概要
『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』
昨年4月から毎週火曜夜10時枠でスタートした、「博多華丸・大吉」と「千鳥」が、全力で遊んではしゃぐバラエティー番組。2/1の放送回では、「6連単!ぴったり当てたら100万円」にゲストのヒロミと華大&千鳥、かまいたち山内の6人が協力してランキングを予想。的中すれば賞金100万円を獲得できる。
「委員からのご意見」抜粋
- 華丸大吉と千鳥、準レギュラーのかまいたち、冠番組を持つこの芸人3組、3組ともカラーがかぶらないこともあり、バランスよく、面白い番組だった。バラエティーは、とかく出演者やひな壇の人間が多く、うるさいだけというイメージがあるが、少し緩い感じもしつつ、普通に楽しめた。
-
バラエティー番組が視聴率を取るのは、随分難しいと理解している。
でも、これだけの旬の芸人を6人集めて、進行を任せてしまい、企画を適当に流しているのではないかという印象を持った。芸人よりも、やっぱり企画。その時々の、その週ごとの企画というのをもっと練ってもらいたい。 - 華丸大吉さんとか千鳥さんという単独でもMCをしている方々を使っている、すごくぜいたくな番組だが、きちんと活用されているかどうかはちょっとまた違うという気がした。2組の芸人さんのキャラクターをより生かしていけるようなものにしていただければと思う。
-
火曜日の夜10時台というターゲットを広く設定できる時間帯だから、視聴対象を誰に設定しているのか。こういう、バラエティー番組を10代、20代の人たちがあえて選ぶのか、またそれよりも上の世代が報道番組を選ばずにこのバラエティー番組を見るのか疑問。
上記のご意見への返答
今回の2月1日の放送では、20歳から34歳の女性に、関東・関西地区で断トツに視聴いただいていました。ただ、個人全体、幅広い層に見てもらい、楽しんでもらえる番組を目指していかなくてはと思っています。
プロデューサー・前 洋平
- それなりに面白く見た。2組4人だけじゃなくて、かまいたちさんとかダイアンさんとかが準レギュラーで入って、おじさんたちがワチャワチャしているその関係性を楽しむだとか、その人間関係を面白がって見るような番組として回り始めているという印象があった。
- 見終わって、何かちょっと違うなと違和感を感じた。競馬の番組って視聴者が馬券を買うわけで、それでいくと、6人は馬でもありジョッキーでもある。しかも最初の20人のひな壇芸人の人の話では、結局インサイダー情報で成り立っていて、大げさに言えば、身内の話を表に出しているだけの番組と見えた。
- あまりにテレビの枠内にとどまった仕事を見たように受け止めた。攻めるのではなく、守りを固めた仕事。面白くないわけではない、そこそこ愉快に見ることができたが、後ろ向きの番組だったのではないかと思う。
-
このゲームの内容のルールがよく理解ができなかった。「ヒントチャンス」が何回使えるとかの会話をしていたが、どういうチャンスなのかの説明が簡単に欲しかった。説明があれば、すんなりそのゲームをもっと集中して見られた。
上記のご意見への返答
ゲーム内容やルールがわかりにくかったというところは、おっしゃるとおりで、常に視聴者は初めて見ると思って、ルール含め内容をわかりやすくすることを常に言っています。ただ、何回もこの企画をやっていると、ついつい知っているだろうと思ってやってしまっているところもありますので、気をつけたいと思います。
プロデューサー・前 洋平
- 「この人のMC番組に呼ばれたいランキング」は、すなわち楽屋落ちだ。そこに投票する芸人たちが本当のことを言うはずがない。この本音の出ないようなインタビューあるいは企画というのは、そもそもだめ。もう少し考えてほしい。
- 「MC番組に呼ばれたいランキング」では、ひな壇芸人は誰も本音は言わないだろうし、ごまもするだろうが、本音を言ってるか、ごますってるとか、裏まで読んで面白がるようなリテラシーというか楽しみ方を、今の若い子たちはしていそうな気がするので、人気ひな壇芸人の企画は面白かった。
- ひな壇芸人の話題については、ひな壇芸人さんのことを知らなくても楽しめるようなつくりでないと退屈する。例えば、面倒見がいいというエピソードが立つようなものにしたら、上下関係、先輩後輩の関係が温かいものだなとか、テレビ業界はこうなんだなというふうに前向きに見られたのではないか。
- あまり芸人さん達のことを知らない自分からすると、もうちょっと普遍的に、芸人さんの名前を知らなくても楽しめるような番組づくりであったら、最後まで退屈せずに見られたかなと思った。
- 興味ない人にとってみれば何が面白いのか、身内の話を表に出して、一見さんお断りみたいに見えてしまうかもしれないが、刺さるところには刺さっているだろう。タイムシフト視聴がこれだけ一般化すると、プライムであっても一見さんお断りみたいに見えてしまう番組があってもいいと肯定的に思った。
-
バラエティー番組全般だが、非常に難しいところに来ているように思える。
大学生ぐらいにとってみれば、メインにあるメディアはスマホで、一番近しいプラットフォームはユーチューブないしSNSで、テレビの地上波はひとつのプラットフォームにしか見ておらず、TVerも1プラットフォームでアクセスに手間がかかる。ユーチューブで見られるものをテレビで見る必要もないし、見にも行かないという状態。テレビはそういう扱いになっているのではないか。上記のご意見への返答
この番組は、配信との親和性がとても高く、この2月1日の放送回では1週間の見逃し配信でTVerの総合視聴ランキングでは10位、4月12日の2時間スペシャルについてもTVerのバラエティーランキング1位になっています。ユーチューブなりスマホでもこの番組を見てもらいつつ、地上波として幅広い層に見てもらえる番組を目指して模索していかなくてはと思っています。
プロデューサー・前 洋平
- バラエティー番組は、全番組の中の大きな柱のひとつ。新しいバラエティーを開発していく努力というのは大変だと思うし、このネット社会でどう切り分けていくのか、新しいものを開発する努力と、既存のものでも新しい切り口のものを考えていくという、考えることが大変大事ではないのか。今のバラエティー番組をこのまま下降線に持っていかないよう、新しい感覚でこれからも取り組んでもらいたい。
委員のご意見を受けて
- 制作局 東京制作部 プロデューサー
前 洋平 - 特に重く受け止めなければならないと感じたのが、テレビ制作者としての奢りをこの番組から感じるといったご意見でした。博多華丸・大吉、千鳥、かまいたちといった人気芸人をキャスティングした段階で満足していて、視聴者に対しても出演者を誇っているだけのように見える。肝心の企画という部分で面白い番組を視聴者に届けていないのではないか?というご意見でした。
もちろん我々はそのような姿勢では臨んではいないのですが、少しでもそう感じ取れる視聴者の方がいるのなら、今後はより一層豪華な出演者が生きるような企画を考えて番組に生かしていかなければいけない、そう改めて肝に銘じました。