番組審議会 議事録概要

No.643 2023.4.13

「ブルーバースデー 第1話・第2話」について審議

放送日時
2023年2月7日(火)[第1話]、2月14日(火)[第2話] 24:55~25:25
視聴率
個人全体
2/7 関西地区0.7%(占拠率12.4%)
2/14関西地区0.5% (占拠率8.0%)
オブザーバー
コンテンツビジネス局長
小川悦司
コンテンツビジネス局東京コンテンツ事業部長
プロデューサー 中畠義之

参加者

委員

委員長

上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長)

委員長代行

難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)

井上章一(国際日本文化研究センター 所長)
上野信子※(ジャトー株式会社 顧問  関西国際交流団体協議会 理事)
黒川博行(作家)
高江洲ひとみ(弁護士)
通崎睦美(木琴奏者)
早嶋 茂(株式会社旭屋書店 取締役会長)
堀  洋(産経新聞社大阪本社 大阪代表補佐兼編集局長兼写真報道局長)

※レポート出席(敬称略50音順)

関西テレビ

羽牟正一 代表取締役社長
宮川慶一 専務取締役
岡 宏幸 コンテンツデザイン局長
小杉太二 報道局長
小寺健太 制作局長
高島公美 コーポレート局長
横山和明 制作技術統括局長
野村 亙 スポーツ局スポーツ部長 (代理出席)

議題

  • 2022年10月から2023年3月までの番組種別・CM総量の結果報告、4月改編及び放送番組種別などの報告ほか
  • 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(3月分)報告
  • 審議番組「ブルーバースデー 第1話・第2話」
    (2/7・2/14 24:55~25:25放送)
  • その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等

第643回番組審議会は、2022年度下期の番組種別やCM総量及び4月改編による方針等について諮問し、答申いただいた。
また、3月の視聴者対応報告のほか、審議番組は、ドラマ「ブルーバースデー 第1話・第2話」。

 「ブルーバースデー」
番組概要

世界的大ヒットドラマ『愛の不時着』プロデューサー:ユン・ヒョンギが手掛ける韓国発のWEBドラマを日本版にリメイクしたドラマ。
突然失った初恋の相手・蒼馬准(鶴房汐恩)を忘れられない尾崎花鈴(松井愛莉)が、何度も過去へとタイムスリップしながら、准の死の真相を突き止めて運命を変えるべく奔走するタイムリープ・サスペンス・ラブストーリー。

委員からのご意見

「タイムリープの設定について」

  • 過去を改変することで現在に影響するなら、過去が改変された段階で、もとどおりの現在には戻れないはず。しかも改変される前の現在からやってきた未来人の自分が過去の時間軸で存在するなら、何かを改変した時点で、すぐ何かの影響があるはず。
  • ヒロインが最初に10年前にタイムスリップをしたのは1月31日。学校の階段で、蹴つまずいてけがを負う。その後、ヒロインは10年後の現在へ戻り、膝にけがの痕があることを発見し、今度は意図的に過去へ飛ぶ。そのタイムスリップは2月1日、階段でけがをした次の日にもかかわらず、彼女の膝にけがの痕はなく、ヒロインは無傷のまま校舎を走り回る。これはおかしい。

    上記のご意見への返答

    設定に無理が生じた部分は、原作が16話あるところを、10話にしたということが決定的に難しいところでした。そのためにダイジェストのようになってしまったといいますか、もう少し深掘りできればよかったと思っています。

    プロデューサー 中畠義之

  • 燃やしている写真の日付で、2023年から10年遡ってということなんだろうと思うが、2013年というと、もうフィルムのカメラはとっくにデジカメに変わり、さらにスマホのカメラに変わっている時代だと思う。貼ってあるシールのスマイルマークに至っては、50年以上遡る話なので、2013年とはちょっと違うと思う。

    上記のご意見への返答

    2013年の過去の10年前の設定はスマホじゃないかと、議論しましたが、やはりちょっと10年前と差をつけるためにフィルムにしようと決断をしたところもあります。

    プロデューサー 中畠義之

「ドラマ全般について」

  • 「ブルーバースデー」というタイトルはすごくいい。タイムリープの話だが、ブルーという単語が青春を連想させるし、ブルーが何か鬱々とした気持ちとかを連想させるということもあり、取っかかりのある、いいタイトルだ。
  • 准がなぜ渡したいものがあると花鈴にメールしてそこで自殺した姿を花鈴に見せたのか、そこが不思議だった。これが自殺であれば非常に不合理なリアリティのない端緒、発端であったかなと思う。
  • 何か「中学生日記」とかを見ている感じ。ターゲットが小学校高学年から高校生ぐらいまでなのかなと思うと、細かいことはまあいいと思えていた。それと、韓国のドラマのリメイクなら変更できることも知れているだろうし、あまり細かいことを言っても仕方がないか。
  • 韓国ドラマをそのままというのは、幾ら向こうで人気があるといえ、日本でこれと同じことをやってそれが受け入れられるかどうかというのはとても難しいと思う。
  • 1話だけだが、韓国版、オリジナル版とリメイク版とを比べてみると、こういうファンタジーというか、荒唐無稽な設定というのは韓流ドラマで見たほうが、韓国が舞台というだけで一歩遠い世界の話、異世界の話に感じられるので受け入れやすいという側面もあるように思った。日本の中で描かれていると細かいところがものすごく気になってしまう。
  • “過去を変えると現在にも影響が及ぶ”非現実的だけど、実現できるものなら、変えたい過去がたくさんある。でも、変えてしまったら、その後、どうなるのか?怖いテーマだと思った。
  • 冒頭を見た瞬間、あっと思ったのは色調。この色調表現は見事で、この色調のために物語がファンタジーであるんだということをしっかり視聴者に意識させたという点では評価できる。同時にこの効果のために俳優さんが演じる高校生たちが今のリアル社会から何か遠ざかった世界にいるようなイメージを与えた。

委員のご意見を受けて

コンテンツビジネス局 東京コンテンツ事業部長
プロデューサー 中畠義之
本日は貴重なご意見、ご感想ありがとうございました。
「タイムリープもの」ということで制作に難しい部分もありましたが、その中でもどうリアリティーさを出してゆくのか?、そして視聴者を最終話まで引き付けるディテールへのこだわり、疑問を感じさせない制作の在り方など考えさせられました。
コンテンツビジネス局が制作するドラマということで、企画の成り立ちも違う部分はありますが、多くの人に共感いただき、楽しんでもらいたいという思いや情熱に変わりはありません。引き続き努力を続け、未来の関西テレビに残せるコンテンツ制作力、そして人材の育成に邁進してゆきたいと思います。また他にもたくさんの参考になるご意見・ご感想をいただきました。その1つ1つが本当に貴重で、「ブルーバースデー」に携われて幸せでした。本当にありがとうございました。