番組審議会 議事録概要

No.646 2023.7.13

「news ランナー」について審議

放送日時
2023年6月29日(木)16:45~17:48 18:09~19:00
視聴率
個人全体
関西地区 第一部1.9%(占拠率13.6%)
第二部2.2% (占拠率9.1%)
オブザーバー
コンテンツ統括本部 報道局 報道センター チーフプロデューサー
江南敦之
プロデューサー
伊藤真弘

参加者

委員

委員長

上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長)

委員長代行

難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)

井上章一(国際日本文化研究センター 所長)
上野信子(ジャトー株式会社 顧問  関西国際交流団体協議会 理事)
黒川博行(作家)
高江洲ひとみ※(弁護士)
通崎睦美(木琴奏者)
中村 将(産経新聞社大阪本社 編集局長兼写真報道局長)
早嶋 茂(株式会社旭屋書店 取締役会長)

※レポート出席(敬称略50音順)

関西テレビ

羽牟正一 代表取締役社長
喜多 隆 専務取締役
和田由美 コーポレート局長
島本元信 コンテンツデザイン局長
小川悦司 制作局長
江口 茂 報道局長
横山和明 制作技術統括局長
野村 亙 スポーツ局スポーツ部長 (代理出席)

議題

  • 委員長、委員長代行の互選
  • 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(6月分)報告
  • 審議番組 「newsランナー」
    (6/29木 16:45~19:00放送)
  • その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等

第646回番組審議会は、委員第65期のスタート。委員長と委員長代行の互選が行われ、上村委員長、難波委員長代行が継続就任となった。また、メンバー交代があり、新任委員は中村将委員。
6月の視聴者対応報告のほか、審議番組「newsランナー」(6/29放送分)について、委員から意見が出された。

 「newsランナー」
番組概要

6年間続いた報道番組『報道ランナー』が2023年4月から『newsランナー』として放送開始、吉原功兼(こうけん) アナウンサーがメインキャスターに就任。
国内外から地元関西のニュース、暮らしに関わる話題まで、視聴者の「今、知りたい」に関西テレビの報道が総力を挙げて応える約2時間の報道番組『newsランナー』。

委員からのご意見

「特命報道 ツイセキ」について

  • 「揺さぶられっ子症候群」のとりあげ方が目を引いた。子どもの体からうかがえるSBSの印は、必ずしも虐待をあかし立てないと最近の医学はそう判断をしている。ただ、子育て支援に関わる人たちや児童相談所は、SBSの印から虐待を疑う。疑わしいからと家族へ介入したりするわけで、家族、家庭を傷つけてしまう不幸なケースもあり得る。それが今回の報道でよくわかった。意義のある報道だった。
  • 神崎解説デスクから、児童福祉司170人しかいない、国の基準だったら189人で、19人マンパワーが不足しているという話があった。多分189人でも足りないだろう。結局大阪市がどこにどれだけ金をつぎ込むのかということにかかっているという大きな問題につながっている。そこまで踏まえた上でいろんな発言をしてもらえたらよかった。
  • SBS・揺さぶられっ子症候群というのは、硬膜下血腫と眼底出血があればどんなことであっても虐待を疑って病院が児相に通告しなければならないというルールがかたくなに守られている。そのことから、児相がかたくなになるという話が出発点だと思うが、それを最初に言ってくれたらわかりやすかったのではないか。
  • 児相について知る限りでは、一番の課題は児童福祉司などの専門職の圧倒的な不足だと思う。都道府県と政令市に設置される児童相談所での案件が、複雑で、増加傾向の中で、大阪市189人の定員の中で170人、19人の不足という数字を聞いてびっくりした。具体に人員が不足すると、調査にも十分に行けず、セカンドオピニオンという手続や、研修も十分にできない、そのような状況の中、案件は増えていくから悪循環になっている。今回の児相の特集は、子育て支援に関わっている現場の人が取り上げてほしいのではないかと思う。ぜひこのテーマについては、いろんな切り口で取材し、取り上げていってほしい。

    上記のご意見への返答

    今後、児相の取材を進めてほしいというお言葉もいただきましたので、児相が受けるかどうかというのはもちろんあるとは思いますが、何が原因なのかというところも、積極的にしっかりと捉えていきたいと思います。

    チーフプロデューサー・江南敦之

「その他・全体について」

  • 番組全体の印象から。ストレートニュースと関心の高いニュース、これをピックアップして見せていくスタイル。非常にわかりやすくて、他局もやっているが、より細かくわかりやすいように伝えようという意識が伝わってきた。
  • メインキャスターの吉原アナは真面目な雰囲気で好印象。ただ、まだまだ控えめな感じがするので、吉原アナらしさが出やすい番組作りをしてもいいのではないか。
  • キャスターというのはあまり前に出過ぎると、解説者まがいの印象を与えて、視聴者のニュースの判断に影響を与えかねない。ただ、吉原さんは少し押しが弱い点が改善されれば、素直にニュースの進行の役割を果たしておられたので大丈夫という印象だった。
  • 『きょうの聞きたい』のコーナーで電動キックボードを扱っていた。特定小型原付で20キロ以下、あと30キロ以下というすごいスピードのものもあり、新しい基準をつくるというニュースだったが、キックボードの過去の事故例とか、キックボードの効用、どう楽しいのか、どう便利なのかを入れたら、よりニュース番組としてはよかった。

    上記のご意見への返答

    キックボードに関しては、そもそも何のために普及させるのか、本当に普及するのかという事をせずに、ルールはこう変わると言うところに落ち着いてしまった。事故が増えないのかとか、深掘りをしなければいけなかったかと思います。

    プロデューサー・伊藤真弘

  • 片平さんの気象解説は定評があり、大変的確で雷雨の予想のところで、「雷雨の発生というのはピンポイントでそこが大変難しい、気象予報技術の限界なんだ」ということを断定的に言っていた。その辺もよかった。
  • 番組の最後の大雨云々のところで、神崎解説デスクから「川の様子とか用水路とかは気にはなるだろうがくれぐれも見に行かないでほしい」という発言があったが、何年も前からそう言い続けていて結果が出ていない。そろそろ強いメッセージを出してもいいタイミングになっているのではないか。

委員のご意見を受けて

コンテンツ統括本部 報道局報道センター
江南敦之チーフプロデューサー
番組の制作者の思いは視聴者にまだまだ伝わっていないと痛感いたしました。多くの委員から「取材をもっと」という指摘をいただきました。取材を尽くすことはまさに「newsランナー」の根幹だと認識しています。いただいたご指摘を真摯に受け止めて今後の番組づくりに生かしてまいります。ありがとうございました。