番組審議会 議事録概要
「ザ・ドキュメント 僕より先に死なないで」(6/28放送)について審議
- 放送日時
- 2024年6月28日(金)
25:25~26:25 - 視聴率
- 個人全体関西地区0.8%(占拠率18.6%)
- オブザーバー
- 報道情報局 報道センター ディレクター
縄田丈典
参加者
委員 |
委員長上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士(関西学院大学 社会学部 教授) (敬称略50音順)※…レポート出席 |
---|---|
関西テレビ |
大多 亮 代表取締役社長 |
議題
- 委員長、委員長代行の互選
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(6月分)報告
- 審議番組 「ザ・ドキュメント 僕より先に死なないで」
[6/28(金)25:25~26:25放送] - その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第656回番組審議会は第66期最初の開催となった。委員長と委員長代行の互選が行われ、上村洋行委員長と難波功士委員長代行が継続就任となった。
6月分の視聴者対応報告のほか、番組「ザ・ドキュメント 僕より先に死なないで」について審議された。委員からの意見は下記に記載。
番組概要
「ザ・ドキュメント 僕より先に死なないで」(6/28放送)
かつて“奇跡の鉱物”と呼ばれたアスベスト。高度経済成長期には様々な製品に使われた。
海外では発がん性などの危険性が指摘されながらも、日本は長い間使用を禁止することなく、多くの人が知らず知らずのうちに接してきた。その結果、数十年も経ってから中皮腫を発症する人が今も後を絶たない。
2016年に希少がんの中皮腫で余命宣告を受けた右田孝雄さん。病と闘いながら同じ病気で悩む患者同士で励まし合いたいと全国を回って交流会を行ってきた。治療法も限られる中、希望となるのは新たな治療薬。右田さんは仲間たちとともに、一日も早い新薬の承認を国に求め、2018年、胸膜中皮腫への使用が認められた。
仲間たちが次々と亡くなる中、右田さんにも最期の時が迫る。7年間、撮影を続けた取材班に彼はこう言い残した。「とことん最期まで付き合ってくれてありがとう。アスベストの問題を追いかけて欲しい」
中皮腫発症は2030年前後にピークを迎えるという。右田さんたち患者の生きざまを通して、今なお抱えるアスベスト被害の実像に迫る。
委員からのご意見
- 中皮腫が20年から50年ほど経って発症するということ、1年に1,500人ほどが亡くなっているということ、そして2030年頃に発症がピークを迎えているという現実が深く刻み込まれた。
- 「最期の最期まで取材してくれてありがとう」、これは心からの言葉だと思った。撮影されていることも右田さんたちにとって生きるエネルギーになったのではないかと感じた。
- 余命宣告を受けて以来、長い年月の取材を受け入れてくれた右田さんと、ハッピーエンドになりそうもない企画で、長期間にわたり取材を続けたスタッフに敬意を表する。右田さんの声、喋り方、笑い方には、ご自身の人柄だけでなく、周囲への気配りとご自身を鼓舞する姿勢が感じられた。
- 胸膜プラークがアスベストを吸った証拠であるというのを初めて知った。この胸膜プラークというのはどういうものなのか、少し一言でもいいから説明してもらったらよくわかったと思う。ほかにも患者さんがいるわけだから、それは胸膜プラークで証明して患者として認定されているのかなということにもつながると思う。
- 諸外国では1960年代にはアスベストの危険性が指摘され、使用は控えられたということだが、なぜ日本は2004年まで使用が続いたのか、そうした背景についてもう少し詳しく入れてもらってもよかったかなと思う。
-
中皮腫というのはどういうがんなのか、どういう部位にできるのかと、胸膜というのは出たがほかにどんな場所があるのか、そういうまさに基本資料を言ってほしかった。そうすることによってより中皮腫の怖さがもっと鮮明に訴えられたのではないか。
上記のご意見への返答
アスベストや病気の説明をどこまで入れるかというのは非常に悩みました。今回、右田さんの生きざまを伝えたいと思ったので、なるべくそういうシーンを多く使おうということであの構成にしましたが、おっしゃるように病気の説明とか、アスベストがどういう経緯で使われて、どういうふうに禁止されて、今どういう状況になっているのか、もう少し入れることはできたのだろうなと今改めて思いました。
今後の番組づくりに生かしていきたいと思います。ディレクター 縄田丈典
- 見応えのある番組だった。アスベストの問題は当然知ってはいたが、今回の番組を見ることで、自分の身近に感じることができたし、2030年頃にピークを迎えるという最後の締めくくりも、本当に自分事でちゃんと考えないといけない問題だと思った。
- 自分と同じ境遇の人たちを元気づけたい、つながりたい、励まし合いたいという気持ちを実際行動に移すことができるので、右田さんは本当にすごい方だなと思った。右田さんの周囲に人が集まっていくのもよくわかる。
- 自分の生きているうちに実現できなかった中皮腫を治る病気にするという願い。 最期を迎えるに当たって右田さんがディレクターさんに語りかけたアスベストの問題を追いかけてほしいという言葉が最後まで耳に残った。
- (新しい治療薬を)認めた後でも患者が亡くなっていくのを見ると、それほど決定的な効果を持っている薬じゃないんだなという思いを抱く。だとすると、衛生当局、医療当局が最初渋っていたのもまんざらひどい話ではないのかなと思ってしまった。新薬の効果にかかわる現状もどこかで紹介したほうがよかったのではないかなと感じた。
- 常盤貴子さんのナレーションも非常にいいと思った。関西弁をネイティブで使える方なので、関西弁になるところも何か所かあってもいいかなと思いつつ聞いていた。
- 非常にいいドキュメンタリーだと思う。こういうドキュメンタリー番組をつくるのは放送局にものすごく体力がないとできない。人を長時間割く、体力がないとできないことだと思うので、これが安定してこの先もずっとできるのかなと私が心配することじゃないと思うけれども、気になった。
委員のご意見を受けて
- 報道情報局 報道センター
縄田丈典 ディレクター - 番組の制作にあたり、どこまで撮影していいものか非常に悩みましたが「最期まで取材してほしい」という本人の願いもあったので覚悟を決めて取材に臨みました。
死が近づいているのをこちらも日に日に感じるなど、私自身初めて経験する辛さもありました。それでも委員の皆様からのご意見を聞いて最期まで取材してよかったと改めて感じるとともに大変励みになりました。
ご指摘いただいたことを今後の番組作りにしっかりと生かしていきたいと思います。
この度は貴重な機会を頂きありがとうございました。