関西テレビ放送株式会社


番組審議会
No.595 2018.5.10
関西テレビ
「報道ランナー」について審議
出席の委員

上村洋行 司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長(委員長) / 難波功士 関西学院大学 社会学部長 教授(委員長代行) / 井口文彦 産経新聞社大阪本社 執行役員 編集局長 /
金山順子 適格消費者団体 ひょうご消費者ネット 専務理事 消費生活アドバイザー / 黒川博行 作家 /
高江洲ひとみ 弁護士 / 通崎睦美 音楽家・文筆家 / 早嶋茂 株式会社旭屋書店 代表取締役会長(敬称略50音順)

レポート参加

井上章一 国際日本文化研究センター教授

関西テレビ

福井澄郎 代表取締役社長 / 宮川慶一 専務取締役 / 喜多隆 取締役 編成局長 / 安藤和久 制作局長 / 前田ひとみ CSR推進局長 / 田中士郎 制作技術局長 / 萩原守 報道番組 部長 / 西澤宏隆 スポーツ部長

5月10日に開催された第595回番組審議会では、報道局制作の「報道ランナー」の4月13日放送分が審議されました。
去年の 6月以来2回目の審議でした。 新実キャスターについて、特集企画、個々のニュースから番組全体の伝え方まで、委員の皆様から貴重なご意見をいただきました。

キャスター新実彰平について

以前の番組に比べて、新実キャスターの司令塔のもと情報は停滞することなく流れているが、単調に感じるのとCMが長く、他局に変える機会が多くある。
新実さんは、以前の番組で「おばあちゃんとお買い物」と言うコーナーをしていた時の印象が強くて、関西圏のおばあちゃん世代にとっては、理想の孫、理想の息子なんで、そのイメージを損なわないように頑張っていれば、視聴率もそのうちについてくるかなと感じながら視聴していた。
新実キャスター、頭の回転も速く、一生懸命に勉強しているからなのか、コメンテーターの話を聞いてから話し始める「間」が、すごく短いと感じる。また、誘導の質問が多いので、もっとフラットな質問でコメンテーターの話を引き出したほうが、やりとりが出来て活気ある番組になると思う。
新実キャスターは以前に比べて、随分落ち着いて来たことは評価したい。ただ、話の分量が多すぎる。キャスターが解説者にならずに、スマートにニュースの概略を説明できたら良いと思う。
ツイッターの内容からみる新実さんは、自己愛が強く、幼稚な面を感じる。それは、客観的な立場でものをみないといけない報道キャスターとしての適性を疑われるものではないか。それを会社はどう思っているのか。
普段は夕方テレビを見てないような世代にも何か到達するためにSNSを使うというのはわかる気がします。ただ、フォローしててコメントくれるのはファンばっかりなので、ファンは貴重な存在ですけど、ファンの意見は余り聞かないほうがいいように思いました。

コメンテーターについて

コメンテーターを選ぶのが難しいですね。意見を述べる対象の人権やプライバシーもあるであろうし、基本は不偏不党でないといかんだろうしということで、いろんな番組を見てるんですけれども、同じようなことしかしゃべってないですね。それは仕方ないというふうな思いもあります。であれば、見た目のよいコメンテーターを入れるのも一つの手段かも。

スタジオセットについて

フジテレビの報道とも、見くらべました。スタジオのセットは、あちらのほうが斬新でしたね。洗練されているようにも見えました。まあ、しょうがないことなのかもしれませんが、残念です。チープでも、以前の深夜ドラマ「ピロートーク」のような味を出す手だては、考えられないものでしょうか?
新実キャスターの熊本ロケの姿はさわやかでしたが、スタジオでは暗く思えた。立って話すので、うつむき加減で、着席のコメンテーターと話すのも、印象を消極的にさせたのかもしれない。

コーナー企画について

今回は20分枠で特集が番組前半と後半での2本だけだったのですっきりと印象に残った。熊本地震関連特集では取材内容もしっかりしているうえに、演出上のワイプが使用されていないので中身に集中できた。
「兵動さんぽ」コーナーの中の兵動さんは、親しみやすさとか温かさを感じさせて、ズケズケ入っていくんだけれども、誰からも愛されてる感じだとか非常によかったなと思います。
兵動さんの特集、今回、天王寺の音楽堂。あれはあれで非常に楽しくて、私も天王寺に子供のころ行ったりしたことを思い出されましたのでおもしろかったのですが、これがこの番組の中に入っているべきものなのかどうかというのがいまひとつわかりませんでした。
「今昔さんぽ」はまだまだ本当になくなった遊園地とか球場とか路線とか工場もたくさんあるでしょうし、日本が占領されたオキュパイトジャパンのころの風景の写真を見てた経験があって、豊中の辺りの伊丹に至る道が、ベトナム戦争のころのコザとか嘉手納みたいな風景で、え、これが豊中のあのまちとか、びっくりしたことがあったりだとか、五、六十年でもさかのぼって探れば幾らでもおもしろいネタが出てくると思いますし、延々と続けられると思いますから、これは頑張っていただきたいなと思いました。
兵動さんの「今昔さんぽ」、これが出色の出来だったというふうに感じられた。やっぱり1枚の写真をもとにかつての自分たちの街の姿を辿っていくというコンセプトが非常に良い。これは、我々が生活する土地の歴史や環境の変化という、非常に公益性の高い有意義な情報だと思いますし、地域教育にも使えるこのコンテンツ、とてもいいコンテンツだと評価したいと思います。
熊本地震の特集は、井上委員も言われていたように、カンテレが矢野さんと同行して伊東さんのところに行ったのでは?との疑念も持ちますが、10年カレンダーや顧客名簿と言った具体的なアドバイスの二人の会話が大変良かったので、その疑念は随分と救われたなと感じました。
番組本編に入る前に近日放送予定番組の宣伝CMが頻繁に流されるのには辟易した。いっそのこと番組内で予告特集を組めばいいのにと思った。
「だいすき」コーナーは以前の番組のアンカーでもあり、これを楽しみにしているファンも少なからずいると思う。ぜひ続けていってほしいコーナーだ。

審議対象の放送日に報道された、個々のニュース内容について

19才門真の事件は心神耗弱に対して、この人の病歴とかをもう少し、あと10秒でも20秒でもいいですから、どういう通院歴があるとか病歴があったとか、それを少し入れていただいたらよかったかなと思う。
滋賀県の巡査が上司である教育係の人を射殺したと。これ19歳だから実名報道はされてないわけですね。少年法の問題ということなんだと思うのですが、拳銃を携行、使用もして構わないという特殊な職業、立場にある人間がピストルを使って殺人事件を起こしたというのは、扱いは違っていてもしかるべきではないかと私は思うんです。ですから、問題提起をすることは番組の中でできるんではないかと思います。
19歳の警官が叱られたので拳銃で撃ったというのは、ものすごくショッキングな印象で、ヘッドラインニュースよりも一本にまとまったニュースとして作るべき大きなテーマだと思いました。
門真の事件の記者がせっかく拘置所まで行って取材しているのに、臨場感なく喋っていて、ちょっともったいなく感じた。
「記者が面会しました。」とコメントがあったけど、これだけ大きな取材をしている記者なんだから、最初から記者の名前をアナウンスすれば、記者が出てきた時に、「この人が面会してたのか」と視聴者の心構えも出来たのに残念と感じた。
まず、門真のニュースですが、画面の右上に出された字幕、「凄惨 門真一家殺傷事件で判決 死刑回避のワケ」と、「ワケ」がカタカナで書かれてるんですね。何でカタカナなんでしょうか。とても軽い、軽薄な印象を与えます。「理由」とか「判断理由」とか、きちんと書いたほうがいいと思います。理由もなく肉親を殺害されたうえ、理不尽な判決で二度泣かされているわけですよ、このご遺族は。そういう類いのニュースで、こうした軽薄な言葉使いというのは避けたほうがいいのではないでしょうか。
同じ門真のニュースで「心神喪失」と「心神耗弱」、この刑法用語がしれっと語られるんですね。これらの正確な意味や違い、視聴者には分かりませんよ。記者ですら体感的にこの違いを感じてるだけであって、それぞれの定義を直ちにきちんと説明できる者なんて、まずいません。報道する側ですら分かりにくい言葉は、そのまま使ってはいけません。きちんと分かりやすい言葉で説明してほしいと思います。ニュース離れはこういうところから誘発されると懸念します。

番組の伝え方について

インターネットの登場以来、ニュースの速さではネットに勝てないので、この番組が成り立つためには、どう言うテーマ、エピソードを取り上げて、どう言う切り口で、それを扱うのかに恐らく集約されるだろうと思います。
全体的にまじめに作っているが、新実さんもスタッフも若い方多いので、もっとその肌感覚を生かした、引きつけるような番組づくりで、他局との差別化を図ってほしい。
変に奇をてらうのではなく、そのときどきの旬のニュースや話題を、キモを分かりやすく提示する。それこそが基本でありまして、それを大事にして作り込んだように、今回はうかがえました。それが前回の審議と比較して「進化」であると、感じました。
新聞社でも、大阪で出している新聞なんだから「関西っぽい切り口」をと言われます。突き詰めて考えると、そうそうあるわけではありませんし。あんまりそこのところ、「関西っぽい切り口」で力みますと、変に奇をてらうことにつながりかねない。ニュースに対して。これはやっぱり注意しなければいけないと思います。
テレビの報道・情報コンテンツというものは、活字メディアとはおのずと異なる特質というものがあろうかと思います。活字では表現できない分かりやすさ、この優位性というのは、コンテンツに対する「親しみやすさ」ですとか「入りやすさ」、これにつながりますよね。そこにさらに「面白いな」とまず入り口の部分で視聴者に感じさせることによって、伝えるべき情報をより効率的に、より立体的に伝えられることになるんじゃないかというふうに思います。
「報道ランナー」はニュース解説を中心にした全体的に硬派でシンプルなトーンで覆われていると感じます。単調だとか、色がないとか、華がないとか、そういう言い方も逆に言えばできるかと思うんですけれども、ただ、私は個人的にはこの方向性は好ましいと感じております。
ただ、「硬派であること」と、それから「視聴者への伝え方に長けること」、これは決して対立する概念ではなくて、メディアとしては両立を目指さなければいけないことだと考えます。その「良い伝え方」のヒントが「今昔さんぽ」に内包されてるのではないかと、見て思った次第です。ぜひこの方向性を保ちながら、伝え方の練度を上げていただいて、夕方の情報番組競争に勝っていただきたいと、そう願う次第であります。

番組審議会に出席して

報道センター プロデューサー・岸本陽介
番組がスタートして1年。昨年6月に続いて2度目の審議でした。「随分見やすくなった」「内容が盛り沢山だが単調な感じがした」など、委員の皆様の様々な意見を頂戴し、改めて番組の現在地を知ることができました。分かりやすく伝えるというニュース番組の大きなテーマの中で、どのように特色を打ち出し、魅力的な番組にしていくのか、多くのヒントを頂いたような気がします。特にコメンテーターの意見の引き出し方に関するご指摘は大変参考になりました。VTR・スタジオを組み合わせながら情報をより立体的に伝える工夫を重ね、視聴者の皆様に親しみやすい番組を目指してまいります。今回はありがとうございました。


編成局アナウンス部 キャスター・新実彰平
今回番組審議会には初めて出席させていただきました。毎日OAに臨みながらも、それに対する評価を第三者の方から頂く機会はほとんどなく、今回このような機会に恵まれたことは大変ありがたく思っております。委員の皆様には番組、そして個人の課題を的確にご指摘頂きました。そして同時に様々な価値観の方が様々なものを求めながら番組をご覧になっているのだということを実感する貴重な機会となりました。硬派なニュース番組でありながら、柔らかさと見やすさを両立させること。
メインキャスターという役割と真摯に向き合い、覚悟と自覚をもって日々取り組むこと。ぼんやりとしていた目標をはっきりと定め、番組二年目の成長に向けて日々邁進してまいります。

〒530-8408 大阪市北区扇町2丁目1-7 関西テレビ放送 番組審議会事務局

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