関西テレビ放送株式会社


番組審議会
No.610 2019.11.14
関西テレビ
「マルコポロリSP」について審議
出席の委員

上村洋行 司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長(委員長) / 難波功士 関西学院大学 社会学部長 教授(委員長代行) / 安東義隆 産経新聞社大阪本社 編集局長 / 井上章一 国際日本文化研究センター教授 / 金山順子 適格消費者団体 ひょうご消費者ネット 専務理事 消費生活アドバイザー / 黒川博行 作家 / 高江洲ひとみ 弁護士 / 通崎睦美 音楽家 文筆家 /
早嶋茂 株式会社旭屋書店 取締役会長

関西テレビ

羽牟正一 代表取締役社長 / 谷口泰規 常務取締役 / 大場英幸 取締役 / 前田ひとみ CSR推進局長 / 妻屋健 編成局長 / 安渕修 スポーツ局長 / 松田茂 制作技術局長 / 中村隆郎 報道番組部長

11月14日に開催された第610回番組審議会では、10月20日放送の『マルコポロリSP 天才たちはこうして育てられた!親たちが実践した“驚きの教育法”』について審議されました。体操の内村航平選手の母親、アグネス・チャン、俳優の菅田将暉の父親の子育てについてのトークバラエティー番組に委員の皆様から様々なご意見をいただきました。

番組を視聴した感想

ゲスト3名それぞれに子どもに対する愛情の深さが感じられた。現在子育て中、あるいはこれから子育てする層には参考になる情報がたくさんあった。
この3人が天才か?それと、コメンテーターも含めてやたらうるさいと感じましたが、日曜日のお昼のバラエティ番組だと割り切ってしまえば何とかなるのかなというのが私の印象です。
内村選手のお母様も、過去に相当露出されていたので、さほど意外性も、何か感動するような部分もなかった。お母様の子育て論に何かヒントになるところも正直余りなかった。ただ、教養番組ではないバラエティ番組なので、気軽に楽しめれば及第点かな?と思う。

司会者について

東野幸治の突っ込みだけは割におもしろかったなと思いました。それは、東野はこの3人のゲストに対して多分反感があったんやないかと思います。そこがよかったです。
東野幸治さんはバラエティだからなのか、彼流の司会ぶりというか自分の話を出しながら平凡な流れを和らげ、ゲストのコメントを引き出すところがよかった。残念だったのは、村西アナウンサーの発言がなかったことで、このあたりを再考してくれたらと思う。
東野幸治は懸命にナダルも八光も生かそうと、うまく扱おうとしていました。これは番組の趣旨、天才を育てるという趣旨に寄り添ったお仕事ではなく、要するに芸人さんのしきたりの中で芸人のチームワークを保とうとする努力をすごく見せられたと思います。立派な人だなとも思います。だけどそれは芸人さんの中の約束事を見せつけられたような感じも一方ではするので、そういう番組なんだからいいんだと思いますが、何かちょっと切ないなと思う視聴者もいるだろうことを申し添えたいと思います。
東野さんは意地悪に聞こえるコメントをところどころ入れていて、それを、どうかなと思う視聴者もいらっしゃると思うんですが、人間誰しも否定されたりとか毒づかれたコメントすると、自然に反論するような雰囲気もできて、それが話が広がるきっかけになっているのかなとも考えたりしまして、コメントされた側も東野さんに言いわけの機会があるということで、私は特に何の不快感もなく、こういった形でバランスとれてる番組なのかなというふうにも思ってます。

出演者について

スペシャル版とはいえ、レギュラー芸人10人の出演は多すぎる。それぞれに発言の機会を与えたこともあって、その場をちゃかしたり的外れな発言があったりで、まるで井戸端会議をしているかのようでうるさかった。
天才を3人そろえるのであれば、例えば将棋の藤井聡太、囲碁の井山裕太、ピアニストの辻井伸行だとか、そういう人であれば視聴者の人も常人ではないということは納得すると思うので、そういう人たちをそろえるか、あるいは内村航平一本で行くのがよいかと思った。
僕は高校で10年間教えていたんですけれども、担任の生徒の中に、子どもをプロのテニスプレーヤーにするとか音楽家にするとかいう父兄が何人かいました。いましたけれども、全滅です。あり得ないです。内村航平、アグネス、菅田将暉、この3人とも、どこが天才なのか。藤井聡太、井山裕太という人を入れるか、本当の天才と言えるような人物を一人でも入れればもう少し番組が締まったかなというふうに思います。
アグネスさんの言うことは余り響かず、子どもを博物館に連れていかなきゃいけないと言ったときに芸人さんたちが、ヤマダ電機じゃだめですか、トイザらスはだめですかと言ったあそこは大好きです。
一番知りたいというか興味が最後まであったのは、ガヤガヤ言っていた芸人の一人でしかないシャンプーハットの小出水さん、「パパは漫才師」という漫画をパラパラと店頭で読んだことがあって、あと菅生さんがベスト・ファーザー賞 in関西の2018年で、2019年にこいでさんもとっているんですよね。こいで家の子育てのあり方とか、こいで家の様子というほうが実は知りたかったです。

構成・演出について

今回のスペシャル版に限っては、番組構成のうえでレギュラーコーナーの「ポロリバス」はないほうがよかったのではないか。ゲストトークの余韻を味わう間もなく、場面転換したのは残念。
ドラマ仕立てで先に内容が紹介されて、それがもう1度繰り返される。丁寧でよくわかるのだが、ちょっとしつこいと思った。いつもはわからなくて不満があるのだけれど、これはわかり過ぎてうるさいと感じた。
三人の天才が出てきて終わったなと思ったら、まだポロリバスあって。そこの構成は最初に訴えかけてこなかったので、あとのおまけが長いなというふうに見ていて感じました。
菅田将暉さんですが、私が非常に今注目している俳優さんです。この方を天才と取り上げる以上はそこに天才ぶりを発揮した何か映画やドラマのシーンみたいなものも必要だったのではないかと思います。彼の演技で注目されたのはやっぱり日テレ系の「3年A組」それから、「仮面ライダーW」残念ながらこれもテレ朝です。カンテレとかフジで彼が出演したドラマで彼の怪演ぶり、鬼気迫る演技みたいなところが紹介できればよかったのかなと思いました。
菅田将暉さんの出演素材がないというお話だったけど、番組審議会でかなり前に菅田さんが無名なころに出演していた単発の関テレのドラマ『笑福亭仁鶴50周年記念ドラマ だんらん』を見たと思う。あれを使えなかったのか?また、あの時点で菅田さんに役者としての可能性を感じていたカンテレの人がいたとしたら、その人は天才とは言わないけど偉いと思う。
内村さんのお母様同様、アグネスさんの息子への溺愛ぶりが結構前面に出ていたように思います。これは意図した演出、あるいは編集だったのかと思いますけれども、別にそんなにそういうところを強調する必要があったのかなと思います。

天才とは何か?

子育て論というか天才をどうつくるかというところで既に反感を持ちました。天才なんてつくれるものじゃなくて、ほっとっても出てくるんです。ほうっておいてというか、親が一々何もしない、親に反抗するところから天才というのは生まれると考えています。
天才というところで一番ひっかかったというかおもしろいなと思うのは、セリフを覚えるのが異常に速いというところはどういう秘密が、脳にあるのかな。これはまさに生まれ持っているもの。だから育てたわけじゃないところだと思うんですけれど。音楽家でも暗譜が異常に速い人とか、譜読みが速いとかも、私たちは音大などに入ってそういうトレーニングされるんですけれど、速い人は初めから速いので、こういうのは育てるものじゃないかなと、そんなふうに思いました。
私は、天才はほうっておいても才能を開花させる人たちだと思います。親が寄ってたかって育む人たちに余り天才という印象を持ちません。

教育論について

先週の土曜日に「人生最高レストラン」という番組を見ていたらピアニストの清塚信也さんが出ていて、子どものころから母親に超スパルタ教育でしつけられたのに、そのお母さんは、おばあちゃんになって、孫には非常に優しくて、私の教育は間違っていたと言いました。子供を厳しく育てると萎縮してしまうから、ほめて育てないかんと話していて、やっぱり教育の話は年や10年ではなくて一世代以上かけないと結果が出ない話だと思いました。
アグネス・チャンさんの子育てプロジェクトで、どんな質問にも答えるんだというとこや、不得手な科目よりも得意科目をのばして自信を持たせたという話、あるいは菅田将暉さんの父親の論理的な説明ができるまで質問したというような、会話というものを重視した発言ですね。国語審議会でも子どもたちの読解力がないとか説明力が不足しているとか、要するに国語力の低下みたいなことが言われるんですけれども、そういうものの下地づくりにもつながるように思いました。

番組に対する疑問点

アグネスさんに関してはビジネス片言で、本当はペラペラしゃべれるのにわざと外タレぶるためにあんなしゃべり方しているみたいと突っ込まれてましたが、それを余り言い過ぎると本当に外国人に対するバッシングとか、その辺のさじかげんは非常に難しいと思いますけれども、そこが気になりました。
「マルコポロリ」は一体誰を視聴対象として考えている番組なのですか?ゲスト以外の出演者の方々は男性がズラッと並んで、女性の方は司会の方だけで、男性色が強いなというふうに感じました。この番組は、男性の視聴者が見るのか、それとも女性の方が多いのでしょぅか?
アグネス・チャンに、まだ日本語ができないのかと問い詰めた。それは司会者だけではなくほぼ全員がその問題に同調していたと思う。私はアグネス・チャンのなまりがとれないことを全くいぶかしく思わないので、ヘイトとは言わないが、ややそのニュアンスを感じて嫌だなと思った。

番組に対する提案

「マルコポロリ」は長く続いている1時間番組ですから、このスペシャルとなったときに、どのように番組を構成するか難しいと思いますが、視聴者を飽きさせないテンポのよさとかをもっと新しい試みにしてもいいんじゃないかなと思いました。
少ない制作費の中で1時間半の番組をつくるというのは本当に難しいと思うんですけれども、やはり企画の段階でもっともっと精査するなり、もっと密な話しあいをするなりして、タイトルどおりのバラエティ番組をつくってほしいなというふうに僕は思いました。

番組審議会に出席して

制作局 制作部 プロデューサー 大西文志郎
審議会の冒頭で「忌憚ないご意見をお聞かせ頂きたい」とお話ししたのですが想像以上に忌憚ないご意見を賜る事となり、感謝しております。
審議会では「果たしてこの3人は天才なのか」「天才は教育によって作られるのはなく、生まれながらに天才である」というご意見を頂戴しました。3人の人選についてはご納得頂けない部分もあったと思います。ただ、「天才は生まれながらに天才」なのか「親の教育と、子どもの元々の才能が相乗効果的に天才を生み出すのか」については私はそれは誰にもわからない事だと思うようにしています。「天才は生まれながらに天才」と考えるよりは、周囲の環境や教育も多少影響していると考える方が、人生や子育てにやりがいが出ると思うからです。この番組を通じて、テレビの前の視聴者の皆さまが、「この教育法はマネしてみよう、この教育法は違うんじゃないか」と、ご家庭で意見を戦わせ、子どもの才能を信じ、将来に夢を持って頂けたら…おこがましい願いですが、そうなっていたら嬉しいです。

〒530-8408 大阪市北区扇町2丁目1-7 関西テレビ放送 番組審議会事務局

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