第45回 概要

2020年8月21日

日時

2020年8月21日(金) 午後4時~

出席者

鈴木秀美 委員、難波功士 委員、羽牟正一 社長、谷口泰規 常務取締役、伊東亮 取締役 事務局

欠席者

蔵本一也 委員長(後日、意見聴取)

委員会では冒頭、社長から「9月1日から組織変更を行い、経営戦略、ビジネス、コンテンツデザイン、クリエイティブ、技術推進の5つの本部制とし、それぞれの垣根を取り払って、スピーディーで時代に柔軟に対応できるような体制をめざしています。また新型コロナウィルスによってこの後、生活様式や、人々の価値観が大きく変わってくると思いますので、そうしたことを見据えて、我々テレビは何をしないといけないかということをしっかりと考えてやっていこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。」と挨拶がありました。

議事の概要は以下のとおりです。

最近の発生事案について

兵庫県が、新型コロナウィルス感染拡大を受けて、休業要請に応じないパチンコ店の名称を公表するというニュースの中で、実際には既に休業をしていた関係のない別のパチンコ店の映像を誤って資料映像として使用してしまったと報告を受けました。
この件について委員からは「ネガティブなニュースであえて資料映像を使う場合には、関係者に迷惑が掛からないようにするとともに、視聴者に誤解を与えないように注意が必要」、「以前にも、写真を間違って使用したというケースがあったが、大きな問題にもなりかねないことなので、資料映像は安易に使うべきではない」という意見を出しました。

最近のBPO事例から「番組と広告の線引き」について

今年6月30日、琉球朝日放送と北日本放送の単発番組に対して、BPO放送倫理検証委員会はいずれも視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められるとして、放送倫理違反があったと判断したと報告がありました。
関西テレビでも、営業から企画が持ち込まれたりするケースがあるため、今回の番組と広告の線引きの問題については社内の放送倫理会議で取り上げるなどして、注意を払っているということです。放送倫理会議では、番組を制作する上で、なぜこれを放送するのか、視聴者にとってどういう部分が有意義な情報なのかということをはっきりさせないといけないという意見があったということです。
この問題について委員からは、「番組でどこまで紹介するかは、取材のあり方も含めて社内で十分議論すべき。今回のセブンイレブンの沖縄初出店を特集した琉球朝日放送の問題に関しては、競合するライバル店も紹介するなど、そうした配慮がされていればよかったと思う」、「放送の公共性とか視聴者からの信頼という観点から考えると、番組と広告を区別するという大事なルールがあるわけで、広告収入が少なくなったり、コロナの影響で経済的に状況が悪くなる中で、番組の中で広告のような放送を露骨にしてしまうことがあると、それこそテレビの価値そのものを損なうことになってしまう」、「準キー局としてのプライドを保ち、同じような問題が起こらないように注意して欲しい」という意見を出しました。

視聴者からの意見等について

ことし4月から7月に放送した番組についての視聴者からの主な意見とその対応について確認しました。
4月27日放送の休業要請に応じない大阪のパチンコ店のニュースの中で、駐車場に大分ナンバーの車が駐車しているということで、ナンバープレートを大写しにして放送したところ、視聴者から、この車の持ち主が本当にわざわざ大分から大阪までパチンコをしに来ているのかを確認をしたのか、印象操作ではないのかといった指摘を頂きましたと報告がありました。
この件について委員からは「うちの親族は関西に住んでいるが、九州のナンバーの車に乗っており、外出する時に気が引けると言っていた。この時期、他府県ナンバーというだけで注目されてしまうことがある」、「新型コロナウィルス関連のニュースに関しては人によって、受け取り方が違う。指摘を頂いた方のように、自粛警察的な“他府県ナンバー狩り”につながる過剰な報道ではないかと危惧を持たれる方もいる。報道する側もしばらくは気をつけながら報道していくしかない」という意見を出しました。
海外に行かれる予定の一般の人に空港でカメラを渡し、珍しい映像を撮ってきてもらうという企画の番組で、渡したmicroSDカードだけでは容量が足りなかったので、わざわざ自分のmicroSDカードも使用して撮影をしていただき、後日、返却するという約束をしていたにもかかわらず、半年近く返却していなかったという事案がありましたと報告がありました。結局、microSDカードは見つからず、中のデータがサーバーに残っていたので、新たにmicroSDカードを購入し、データを入れて返却をすることでご理解頂いたということです。
この件について委員からは「万が一、第三者に拾われたりしたら、さらに二次被害が起きてしまうことにもなりかねないので、素材の管理を厳格にし、再発防止に努めて頂きたい」、「借りたものは、コピーやバックアップを取ったら、すぐに返す。個人情報を含んでいるものもあるのでコピーを取ったものは一定期間が過ぎたらすぐに廃棄するということを徹底して頂きたい」、「預かり台帳のようなものをつけて、返却したら受け取りのサインをもらうような管理の仕方が必要」という意見を出しました。
番組のプレゼント企画に応募をされた方から、応募フォームに名前や住所、電話番号などを入力した際に、別の方の入力情報が出てきたという指摘をいただきましたと報告がありました。事務局によると、この応募のシステムを開発したソフトウェア開発会社に、今回の事象について調査を依頼したところ、マイクロ秒単位の同じタイミングで二人の人物がアクセスしたときに起こった事象であることがわかり、同じ事象が発生しないようにすぐにシステムを改修してもらいましたと報告を受けました。また、指摘を頂いた方と、情報が閲覧された方双方に、事情を説明しお詫びの連絡をしたということです。
この件について、委員からは「完全なシステムというのはないのでこういうことが起きてしまう。今後は情報漏れが起きないように技術の工夫やセキュリティ対策をしっかりと行っていただきたい」という意見を出しました。

社員から委員への直接通知について

この期間における社員等からの直接通知案件は、ありませんでした。

以上