臨時 オンブズ・カンテレ委員会 議事概要

2023年12月18日

日時

2023年12月18日(月)14:30~15:30

場所

オンライン

出席者

難波功士委員長、赤松純子委員、丸山敦裕委員

関西テレビ出席者

喜多隆専務、伊東亮常務、岡田美穂取締役、小杉太二取締役、島本元信編成局長、坂口隆晴編成部長、小川悦司制作局長、乾充貴制作部長、事務局

「ちまたのジョーシキちゃん」11/3放送内で紹介した「ぎょうざがおいしいチェーン店ベスト10」において、ランキング結果を異なった順位で放送した事案について

番組で紹介した「ぎょうざがおいしいチェーン店ベスト10」で、番組が実施したアンケートの結果は2位がA社、1位がB社だった。しかし、番組スタッフは、A社とB社の関係に配慮した方がよいと思い込み、ランキング内で両社を共存させない判断をし、2位のA社を除外した形で放送した。その後、事案が発覚し、11/24放送でアンケート結果の誤りを訂正しお詫びをした。
本件について協議するため、12月18日に臨時オンブズ・カンテレ委員会が開催された。
関西テレビからは、放送に至る経緯と事後の対応が報告され、以下の意見交換が行われた。

委員からの意見

  • 起こしてしまったことは仕方ないので再発防止を考えることが一番大事だ。
  • 取材対象の2社の内、1社から共演できないと言われたときの対処法は考えていなかったのか。
  • 共演できないというのは、どのレベルなのか。順位を出す程度なら良かったのではないか。
  • 統計というものは客観的事実として視聴者に伝わりやすいので、一層慎重に対応してほしい。
  • アンケートの改ざんという、普通の精神状態ならありえないことをして、チェックを全部すり抜けたというのは、なぜなのか疑問だ。ノルマや時間、お金の制約、人間関係など、平常心を失わせるような何らかの外的要因があったのではないか。
  • 誤解を招く表現をしないことや、バラエティーでも情報を疎かにしてはいけないことは平常心なら誰でも分かる。再発防止のためには研修をするよりも、平常心を失くす要因を取り除くことが一番有効なのではないか。
  • 視聴者の興味を引くために、ランキングという形にこだわりすぎたのではないか。研究者の社会調査では選択肢や範囲の定義も厳密に守って行っており、データを捏造すれば職を失う。
  • ネット媒体では、明らかに金銭を払ってランキングを作っていると感じるものもある。テレビでは順位が低くても取り上げられるだけで知名度が上がる。今回、プロダクトプレイスメントやステルスマーケティングとは異なるが、広告効果の観点からも、現場と認識を共有し注意を徹底させる必要がある。

関西テレビからの意見

  • 2位の社をカットすることに対して制作現場の社員、スタッフの間で全く異論がなかった。代替案は一切出ず、カットする以外の発想はなかった。現場として非常に反省している。
  • 番組スタッフは時間的に差し迫った状況には無かった。若手が発言しにくい環境はあったかもしれないので話しやすい雰囲気を作っていきたい。
  • 番組の中で商品を取り扱った結果、広告的効果を持つことに問題はなく、視聴者にとって有益であるという視点で情報を伝えている。今回のランキングで、金銭のやり取りは全くない。
  • 「番組が調べたベストテン」と「関西一万人が選ぶ」という形は客観性が求められる期待感が格段に違うという点で、自覚が足りなかった。ステマと勘違いされるようなことがないように慎重に対応していきたい。
  • 訂正とお詫びの放送に至るまでを、委員がどう捉えているかお尋ねしたい。

委員からの意見

  • 平常心を失うような環境にないとすれば、平常の感覚とは違う感覚が支配しているのだろうか。メディア特有のムードや空気感、認識があるかもしれない。原因究明をより多角的に行うことが再発防止につながると思う。
  • 訂正の仕方については、取材先からの圧力と取られかねないデリケートな問題なので、詳細に説明できなかったのだろう。時間を置いてから改めて、「カンテレ通信」などを使って、双方の取材先と視聴者にきちんと説明とお詫びをしたほうがいい。
  • 訂正の仕方については、取材相手双方から事を荒立てないでほしいと要望されている中で、いっぱいいっぱいの対応かと思う。従来の訂正の在り方としても違和感は無かった。謝罪や訂正の仕方について当事者との調整やすり合わせがあれば良い。
  • 放送後の対応について、少し事実を伏せたような対応になったことはもちろん良くないが、色んな調整の中で厳しい判断だったと思う。

関西テレビからの意見

  • 再発防止策について、今後はアンケートやデータを扱う際には根拠を放送倫理担当者と事前に共有するという体制をとる。
  • 取材先への配慮は必要だが、正確な情報を視聴者に届けるという、誠実な姿勢を見せていくことがものづくりの第一歩だ。
  • テレビ局として最も大切なことの一つが視聴者への信頼に応えること、信頼に値する情報を届けることだ。会社全体として改めて放送人として高いレベルでの倫理感が求められていることを自覚し直さなければならない。制作に留まらず、勉強会等の場を持たなければならないと考えている。
  • 訂正告知については、尺は短かったがホームページでも内容を確認できる。餃子の回を見ていない視聴者もいるので、トータルで視聴者にとって親切な方法を選択した。
  • 信頼あるカンテレにしようと色々な会議体を設け、制作ガイドラインを充実させ、放送倫理に関わる基準を現場でも共有してきた。実践的なことを積み重ねて、現場が意気消沈することなく、前のめりに取り組んでいけるような環境を作っていきたい。

以上