第40回 概要

2019年5月16日

日時

2019年5月16日(木) 午後3時~

出席者

藏本一也 委員長、鈴木秀美 委員、難波功士 委員、福井澄郎 社長、宮川慶一 専務取締役、事務局

委員会では冒頭、社長から「2018年の日本の総広告費のうち、インターネット広告費が2桁成長となる一方で、地上波テレビ広告費は前年を下回り、ことしはインターネット広告費の方が少し上回るかもしれない状況です。
こうした中、関西テレビの2018年度の業績は、減収増益となりました。コンテンツビジネス事業は好調で、動画配信事業などがのびています。」と、報告がありました。

議事の概要は以下のとおりです。

最近の発生事案について

2月放送のニュースで、会社経営者が襲撃を受け、多額の現金を奪われそうになった事件で、指示役の一人とされた人物が無罪判決を受けたという内容を報じた際に、同じ事件、同じ容疑で逮捕された別の被告の映像を誤って使用してしまった件について報告を受けました。
この件について委員からは「映像素材を指定して渡しているのに、違う映像に差し替わってしまうということがなぜ発生するのか」「逮捕された後、裁判で無罪になったというのはニュースにする意味があると思いますが、逮捕時の映像を使うと逆に犯人と思わせてしまう可能性がある」といった意見を出しました。

視聴者からの意見等について

ことし1月から4月に放送した番組について視聴者からの主な意見とその対応について確認しました。
バラエティ—番組で、一般の人がブログにアップしていた画像を、3年前に無断で使用し、アップしていた本人から指摘を頂き謝罪したにもかかわらず、同じ番組で再び、この画像を使用し本人からクレームが入った件について報告を受けました。
この件について、委員からは、「ネット上の画像の使用に関しては、以前、寺院の写真を間違って使用したケースもあり、チェックを厳しくしたのではなかったか」、「3年前のトラブルについて制作会社から報告が上がっていなかったことが再度、誤って使用してしまった原因のようだが、トラブルを報告したら逆に褒めてあげるくらいの対応が必要」、「トラブルの記録を残すことが大事ということを制作会社の若い人たちにも、もっと意識させることが必要」といった意見を出しました。
バラエティ—番組で、ゲストが「生徒、先生、父兄あわせて1400人ぐらい集まってもらった」と発言し、テロップでも「父兄」と出したところ、今では「父兄」という言葉は使わないという指摘を頂いたと報告を受けました
この件について委員からは、「ゲストが言ってしまうのは仕方がないかもしれないが、テロップは保護者など別の表現に変えるべきだった」という意見を出しました。
バラエティ—番組で最新の治療方法を紹介する際に、本当に若返るのかどうか検証をきちんとしているのか、また、治療の際に器具をタレントの体に挿し込むシーンをそのまま映すのは生々しすぎて不快に感じたという指摘を受けたと報告を受けました。
これについて委員からは、「メディカルチェックに関しては、専門家によって意見が分かれるケースもあり、判断が難しい。」、「施術シーンなどを放送する場合は、事前にテロップ等で説明をし、見たくない人に配慮することも必要」といった意見を出しました。

「オンブズ・カンテレ委員会特選賞」の決定について

オンブズ・カンテレ委員会では、昨年1年間に放送または実施した番組、イベント、活動のうち、特に優秀と認めた作品や活動に対し、特選賞を贈っています。
委員の審査基準として、内容が関西テレビ独自である点や、関西地域に根差したもの、そして、光が当たりにくい作品・活動ではあるが関西テレビの発展に寄与しているものなどの点を重視しています。
委員による最終審査によって、「オンブズ・カンテレ委員会特選賞」を次の通り決定しました。

番組・DVD部門

特選賞 報道ランナーSP激動関西60年 あの衝撃ニュースの裏側

この番組について委員からは「関西テレビが開局から報道してきた事件や出来事を、特別番組としてアーカイブの映像でふりかえるだけでなく、三菱銀行立てこもり事件当時の取材の様子を証言から明らかにしたり、豊田商事事件の関係者のインタヴュー取材を織り交ぜたところが報道番組らしく、そのうえ堅苦しくなく楽しめる見ごたえのある番組である。」、「大阪万博の様子、宝くじ売り場の混乱、西成暴動の映像などで、今の若者が知らない、大阪の戦後の歴史を放送したところも開局60周年の特別番組として有意義だった。」、「見ごたえのある内容であった。また、丹念な調査に基づき、各構成員が各人の役割を認識し、60周年にふさわしい番組であった。」「貴重なフッテージを用い、視聴者を飽きさせない工夫が随所にあり長時間の番組を最後まで楽しく観ることができた。」と、講評を行いました。

特選賞 ワイヤレスカメラコントロールシステムRimoQの開発

この活動について委員からは「無線で映像を飛ばすことにより、画期的な撮影が可能になるということは、素晴らしい開発である。また、独自に開発されたことにも敬意を表する。」、「FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」で金賞を受賞したり、日本映画テレビ技術協会の技術開発奨励賞を受賞したことからわかるように、ワイヤレスカメラの従来の弱点を解消したことが技術面ですばらしい。また、それを100万円の予算で、すべて制作技術センターのスタッフで成し遂げたところがオンブズ・カンテレ委員会の表彰に値する。放送番組は、録画や送信の技術に支えられており、それを独自に開発しようとする積極的な姿勢をたたえたい。」「実用的なシステムを、リーズナブルなコストで開発した点を高く評価したい。目立たないところで重要な仕事をしている社員にスポットライトをあてるというのも、本賞の大事な意義だと考える。」と、講評を行いました。

表彰について

委員会の後、公開で各部門の担当者に対し、賞状と副賞目録を授与しました。

「eラーニング」の実施について

去年に引き続き今年も、コンプライアンス全般と情報セキュリティに関する研修を、eラーニングで実施していると報告を受けました。
昨年から社員だけでなく、社員以外の構内スタッフにも対象を広げ、テレビ局で働くうえで知っておくべきことを、それぞれ15問出題していると報告を受けました。

社員から委員への直接通知について

この期間における社員等からの直接通知案件は、ありませんでした。

以上