番組審議会 議事録概要
No.667 2025.9.11
『newsランナー 参院選「投票前に」大激論SP』(7/13生放送)について審議
- 放送日時
- 2025年7月13日(日)
10:00~11:15 - 視聴率
- 個人全体 1.8%(占拠率10.7%)
- オブザーバー
- 報道情報局 報道センター
プロデューサー
大竹 一輝
プログラムディレクター
押川 真理
参加者
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委員 |
委員長上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士(関西学院大学 社会学部 教授) (敬称略50音順) ※リポート出席 |
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関西テレビ |
岡 宏幸 代表取締役社長 |
議題
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(7月・8月分)報告
- 審議番組 『newsランナー参院選「投票前に」大激論SP』(7/13放送)
- その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第667回番組審議会では、7月・8月分の視聴者対応報告のあと、『newsランナー参院選「投票前に」大激論SP』(7/13放送)について審議された。委員からの意見は下記に記載。
番組概要
『newsランナー 参院選「投票前に」大激論SP』(7/13生放送)
7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙。
カンテレでは、投開票日より前の7月13日(日)に、特別番組『newsランナー 参院選「投票前に」大激論SP』を放送しました。
選挙報道に関しては、昨年の衆議院議員選挙や兵庫県知事選挙などにおいて、テレビ報道の課題が指摘されました。具体的には、公職選挙法の規定に過度に配慮するあまり「公示・告示後の報道量が著しく減少する」点や、「ネット上のフェイク情報の影響力が増しているにもかかわらず、テレビでは扱わない」点などです。
そこでカンテレでは、報道の新たな挑戦として、投開票日前の休日の朝に特別番組の放送を決定しました。日本最大級の選挙情報サイト「選挙ドットコム」と協力し、メディアの垣根を越えて、公平かつ“有権者の投票行動に資する情報”の提供を追求しました。
委員からのご意見
- 番組には「公平中立の見直し」という含みがあり、新しい報道の時代の到来を感じさせる内容だった。
- ネット情報も取り入れ、現代の選挙の姿と問題点を浮き彫りにする構成で、選挙前1週間の番組として良い内容だった。
- 吉原アナをはじめ、出演者の年代・経歴・個性のバランスがよく、安定したトークの中にも独自の視点や鋭い発言があった。
- 従来の報道では難しかったファクトチェックに踏み込もうとする姿勢が見られ、SNS時代に対応した前向きな取り組みとして評価できる。
- 選挙の問題点を浮き彫りにしたものの、情報の深さや網羅性には不十分な部分も感じられた。
- 新実さんが元カンテレキャスターであることから、報道に同情票などの要素が絡み、客観性を保つのが難しい状況だった。
- 表やグラフを多用していたが、表示時間が短く、内容が理解しにくいものもあった。
- 「若い世代と高齢世代の敵対関係を生み出すと政府の思うつぼ」「税と社会保障の一体改革」「外国人をひとくくりにしないでほしい」など、視聴者の関心に寄り添ったコメントが多かった。
- オールドメディアの強みを活かしたファクトチェックや政策分析など、テレビ・新聞ならではの深掘りが今後も期待される。
- dボタンで投票マッチングの選択過程で単なる結果表示ではなく、政策を学べる点が重要で、「学びのある仕組み」としては評価できる。
- 「大激論SP」というタイトルの割に、実際の議論の熱量はそこまでではなかったと感じた。
- ファクトチェックをカンテレが自ら行っているのか、外部機関に依存しているのかが曖昧で、責任の所在に疑問を感じた。
- 各党の公約が似通っているため、比較紹介に意味を感じなかった。過去の公約の実現度などを検証する方が有益だったのでは。
- 「面白くなかったら関西テレビではない」という覚悟で、報道の質を高め、視聴者対応や苦情への覚悟を持つべき。
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ゆめぽてさんの参加により世代の偏りが緩和され、発言の影響力も大きく、番組の雰囲気が良くなった。「投票しっぱなしにしないで、次につなげることが大事です」というメッセージは番組の締めくくりとして非常に良かった。
上記のご意見への返答
●dボタンの件ですが、視聴者のみなさんが、実際にアクセスしたのは約2万7,000件、20問の質問に答えて、自分の考えにより近い政党はどこかをパーセンテージで紹介するという仕組みを作りました。およそ9割の方が最後まで答えてくれました。
●予算委員会はよく扱われるのですが、決算委員会のように出口の部分は自分たちも報じていないと思います。各政党の通信簿のようなものも一つの評価基準にするというのは番組の次のアイデアとして、新しいご指摘をいただきました。
●この番組は齊藤知事の再選がきっかけになっています。BPOから「量的公平性でなく、質的公平性でいい」と言われても、誰も踏み込めませんでしたが、公示後の選挙期間中でも「間違った情報は間違っていると報道しよう」と方針を変えました。次は今回の反省点を活かして、更にブラッシュアップできたらと思います。報道情報局 報道センター
プロデューサー 大竹 一輝
委員のご意見を受けて
- 報道情報局 報道センター
押川 真理 プログラムディレクター - 番組審議会では、選挙報道改革として事前特番の放送を一定評価して頂けた一方、内容面については「もっと選挙の実相や深部を伝えなければ意味がない」という趣旨のご指摘も頂きました。「質的公平」の本質にたどり着くには、まだまだ取材と議論が必要だと感じています。考えることを止めず、挑戦し続けたいと思います。

