番組審議会 議事録概要

No.654 2024.5.9

「モモコのOH!ソレ!み~よ」(3/2放送分)について審議

放送日時
2024年3月2日(土)
13:59~14:28
視聴率
個人全体 関西地区3.0%(占拠率19.7%)
オブザーバー
制作局 制作部 プロデューサー
池田和彦

参加者

委員

委員長

上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長)

委員長代行

難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)

井上章一(国際日本文化研究センター 所長)※
上野信子(ジャトー株式会社 顧問関西国際交流団体協議会 理事)
黒川博行(作家)
高江洲ひとみ(弁護士)
通崎睦美(木琴奏者)
中村 将(産経新聞社大阪本社 編集局長兼写真報道局長)
早嶋 茂 (株式会社旭屋書店 相談役)

(敬称略50音順)※…ビデオ出席

関西テレビ

羽牟正一 代表取締役社長
喜多 隆 専務取締役
和田由美 コーポレート局長
島本元信 コンテンツデザイン局長
小川悦司 制作局長
江口 茂 報道局長
西澤宏隆 スポーツ局長
横山和明 制作技術統括局長

議題

  • 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(4月分)報告
  • 審議番組 「モモコのOH!ソレ!み~よ!」
    [3/2(土)13:59~14:28放送]
  • その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等

第654回番組審議会では、4月分視聴者からの意見対応の報告と、放送開始から22年の長寿番組「モモコのOH!ソレ!み~よ!」について審議された。委員からは、「30分で簡潔にまとめられ、落ち着いていてほどよい番組」「“家族でほっこり見る番組”ということだが、22年もたつと家族のスタイルが変わっている。どんな家族に向けた番組を目指しているのか」などの意見が出された。

 モモコのOH!ソレ!み~よ!
番組概要

「モモコのOH!ソレ!み~よ!」(3/2放送)
最新でお得な生活情報をたっぷりとお届け、週末にすぐ役立つお店情報や、絶対行きたくなるレジャー情報、今すぐ使える家事の裏ワザまで30分間お得だらけの番組。
今回のテーマは、“兵動ぶらり”。兵動大樹が、丹波篠山から町の魅力を伝える。

委員からのご意見

  • 番組のコンセプトが「家族でほっこり」ということで、そのとおりの番組だった。土曜日の昼下がりに放送されるグルメ・レジャー情報番組としては、出演者もはしゃぎ過ぎない落ち着いた顔ぶれで、番組の尺も30分とちょうどいい感じだった。
  • 番組のHPには、「生活情報をお届け」「土曜の昼下がりに、ゆっくりくつろぎながら、情報通になれる番組」等とあった。目的は達成されているかと思うが、22年と長く続いている番組なので、開始当初からターゲットにしていた方たちも同じように月日が流れている。これを、どう今の社会や風潮に合わせて企画をしていくのか。
    長寿番組になればなるほど、どういったテコ入れが必要なのかが難しいところ。

    上記のご意見への返答

    企画については、兵動さんの「兵動ぶらり」、スタジオにゲストを呼んでの「スタジオゲストトーク会」、月亭八光さんがレポーターの「八光地元案内」、「モモコさんがロケに行く企画」の主に4つの企画を柱に放送しています。
    これも立ち上げ当初からずっとこの4企画でやってきたわけではなく、様々な企画を時代に合わせてブラッシュアップしたり、新しく作り直したりということをやっています、そういう意味では時代に合わせて変化してきたと思います。
    近年の試みとしては、2021年からMCのモモコさん自身が旬のスポットに出かける「モモコの買物企画」をスタートしております。

    プロデューサー 池田和彦

  • 22年の長寿番組で、コンセプトが“家族でほっこり見る番組”ということだが、
    22年もたつと家族のスタイルが変わっている。どんな家族に向けた番組を目指しているのか、また、番組のファン層はどう変わったのだろうか。

    上記のご意見への返答

    ファン層については、時代の変化もあり「家族」という言い方がなかなか難しいとは思いますが、モモコさんは、美容に関心があったりとか、女性のファンが多いタレントさんですので、番組のメインターゲットは女性層に見ていただきたいと思っています。
    さきほどの「モモコの買い物企画」では、例えば、なんばパークスなどの最近できたばかりの注目のお店で、モモコさんが女性や主婦の代表となった目線で「商品を購入して視聴者にプレゼントする」という新たな試みも始めております。この企画は、まだ定着というところには至っていないので、ブラッシュアップしながらもう少し続けて結果を見守りたいと思っております。

    プロデューサー 池田和彦

  • 「ぼたん亭」というぼたん鍋のお店の看板には「丹波名物デカンショうどん」と書かれていたが、「デカンショうどん」の説明が全くなかった。
    デカンショ節は知っていたが、丹波篠山の盆踊りの民謡だというのは知らなかった。丹波篠山の人にとってはそれなりの意味のある話だと思うので、これは絶対説明がないといけない。
  • 丹波篠山が大阪とか神戸から行きやすいというような案内だったが、丹波篠山は遠い所というイメージがある。近畿でも遠いところの人のために、近畿地方のどこにあるか、どれぐらいかかるかとか、案内が具体的なほうが親切かと思う。
  • コーナータイトルで、「絶品丹波グルメを味わい倒す」とあったが、「倒す」は下品。
    普通は「味わい尽くす」ではないか。こういう簡単な言葉で眉をひそめるようなものは、外してほしい。
  • 食は軸になるか、ある程度要素として入ってくる番組だというのはわかるが、兵動さんの「今昔さんぽ」(newsランナー内のコーナー)では、その土地の歴史的背景とか社会的な背景を紹介し、NHKの「ブラタモリ」でも、自然地理とか人文地理とかいろんなものを絡めている。食に集中するのは何かもったいない気がした。
  • 料理の味わいが多く語られていた。一般論になるが、テレビの画面からは料理の味わいや香りは届かない。視聴覚媒体であるテレビには、料理の内実が伝えられないが、伝えたかのように装う手だてはある。一つはカメラワークで、今回、それは遺憾なく発揮されていた。もう一つは、食レポのトークの技。これはテレビで演出できる。
    視聴者は、それらが本当においしいのかどうかを、たどるすべがない。食レポのリアクションには、フェイクの含まれる余地がある。本当の味覚はテレビでは宿命的に伝えられないから、諦めて断念したところに、美しいカメラワークと大げさな食レポが立ち現れるのではないか。
    こうしたことを繰り返している間に、テレビの番組制作自体が感化を受ける可能性はないのか。本当のことは伝えられないが、画面上の細工でオンエアは何とでもなる、そうたかをくくる姿勢が蔓延しかねないことをおそれている。
  • 最近、言葉の乱れ、ら抜き言葉など、言葉の問題は大変気になる。
    例えばアナウンサーが、普通に話しているときにら抜きで言っているときが時々聞かれるようになった。
    それから、してあげる、「あげる」という、相手を敬って「あげる」というものを単に簡単な丁寧語だと誤解している人が圧倒的に多い。このコーヒーカップを横に置いてあげるとか、言葉遣いが間違っているんだという認識は持ってもらいたい。もう今は言葉の乱れが広がり、日本語が変容してきている。
    テレビは影響力が大きい。制作者側は意識をして番組制作にあたってもらえたら少しは防げるのかと思う。

委員のご意見を受けて

制作局 制作部
池田和彦 プロデューサー
先日、放送1000回を迎えた「オーソレ」。中でも「兵動ぶらり」は2008年に始まり、157回放送してきた番組の名物企画です。今回、委員の皆様からいただいた意見で特に感じたのは、「無難だ」という点です。「安心してみられる」という長寿企画の強みがある一方で、「よく見る形」になっていないか。土曜の昼帯に尖った内容を放送する必要はないと思いますが、「特色」はもっと出せるのではと考えさせられました。ありがとうございました。