第64回 オンブズ・カンテレ委員会 議事概要
2025年11月18日
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日時 |
2025年11月18日(火)10時30分~ |
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場所 |
関西テレビ放送 |
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出席者 |
難波功士委員長、赤松純子委員、丸山敦裕委員 |
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関西テレビ出席者 |
岡代表取締役社長、小杉取締役、高島取締役、西澤取締役 |
1.BPO放送倫理検証委員会 小町谷委員長を招いて勉強会を実施
昨今問題となっている番組と広告の境界線について、他局ではBPOの放送倫理検証委員会により放送倫理違反があったと結論付けられた事案が発生した。これを受け、同委員会の小町谷委員長を招き、改めてこの件に関して考える勉強会を開催した。
最近出された意見書に加え、これまで番組と広告の問題に関連してBPOが討議・審議した事例について解説を受けるとともに、特に「企業のロゴが広告機能を持つ」ことや「最後の砦としての考査の重要性」などについての指摘を受けた。
委員からの意見
- 広告と番組の境界線については、白か黒かというよりも膨大なグレーゾーンが広がっているような話だと思うので、本当に難しい。
- 企業と連携したり商品を紹介したりする番組はやり方によっては面白くもなるし、批判されることのない作り方もあるのではないか。
- ドラマのタイアップ案件では、その世界観を壊さないように入ってくる企業や商品は受け入れられやすい印象がある。
- 上手にやればセーフで、やりすぎたらアウトだというのが、本当にいいのか悪いのか。そこも含めて難しい問題だと思った。
- 若い世代にとっての広告とは即ちネット広告であり、CMを少し縁遠いものと感じつつも、よりきちんとしたものだと捉えている。テレビCMは猥雑なネット広告とは違う立ち位置を取れるのではないか。
- 収益構造としてテレビ局はなかなか厳しいのでは。CM飛ばしの視聴が問題になる中、番組内での取り上げがより効果的な宣伝方法として考えられるのならば、広告だときちんと明示するバランスの取り方を正面から考える時代に来ているのだろう。これは業界全体で動く必要がある。
関西テレビからの意見
- 今回BPO放送倫理検証委員会の小町谷委員長をお招きして、制作現場としても非常に関心の高いテーマで勉強会を行った。番組内で取り上げた企業の提供CMが本編に直結して放送されるなど、明らかに違和感をもたらす手法は問題だとされたが、さまざまな考察を経ても、明確で確固たる線引きは見つかりにくい。結局はそれぞれ個別の番組と広告の内容で判断するというところ。引き続き時代に合った広告のあり方について、我々テレビ局としても一層の研鑽を積んでいかなければならないと考える。
2.神戸女性刺殺事件、容疑者の居室内の映像使用について
この事件を報道するにあたり、「newsランナー」内で、容疑者宅の様子を放送した。家主の許可を得た上で、室内には入らず共用部分から撮影した。これに対し、番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士から、いくら容疑者の部屋とはいえ、報道でプライバシー晒すのはいかがなものか、といった指摘があり、事件取材における関係者のプライバシー保護について社内で議論した。
委員からの意見
- まず、この件で想起されたのは、東京埼玉連続幼女殺人事件の報道。報道陣が容疑者の居室に入って、猟奇性や異常性を強調するように恣意的な撮影・編集をしたことが、後々問題になった。今回の報道では、そのような意図は感じられず、その後当該映像の使用を控えていることも正しい対応だと思う。
- その映像がショッキングであるほど、こういう部屋の人が悪いことをする人という印象と結びつきやすい。人物評価を視聴者側に委ねる形で、画面だけ投げてしまうのはよろしくないだろう。
- 単なる被害者のプライバシー保護という観点ではなく、映像によってどのような偏見を生み出す恐れがあるのかというところにも着目してもらいたい。
- 取材とは私たちの知る権利を支えているもの、助けてくれるものでもある。人のところに突っ込んでいって、時には不要だと言われたり、あるいは今回のように被疑者の人権の問題とぶつかったりすることもあるが、萎縮することなく続けて欲しい。
- 仮に国家機密であったとしても、報道目的のための取材であれば社会通念から見てその許容の限度を超えるものでない限り基本的に違法ではない、という最高裁判所の判例がある。国民の感じ方をなるべく積極的に汲み取ろうとする中で、報道の意義を損なわないように積極的に報じていくということになろう。
関西テレビからの意見
- 放っておけばよいと言われるようなことを取材したり、そんなところになぜカメラを出すのかと嫌がられたりすることはあるが、今撮って伝えておかなければならないという思いを持ちながら取材をしている。プライバシーの保護だけでなく、この取材がどう見られているか、受け手にどう伝わっているかをしっかり考えなくてはならない。
- 報道の仕事は基本的に「大きなお世話」だと思っている。それでも何か伝える意味があるかどうかをしっかり考えて取材・放送するということが前提にあると思っている。そのことにある種の後ろめたさ、そういう気持ちを持った記者の方が、正義を振りかざす記者よりも真意が伝わる可能性が高いのではないかと感じる。
3.BPO放送倫理検証委員会 日本テレビ『月曜から夜ふかし』に放送倫理違反。
BPO放送倫理検証委員会は、一般人へのインタビューをもとに構成されている同番組で、取材相手の発言を恣意的に編集し、実際の発言とおよそかけ離れた内容に仕上げて放送したとして、同番組に放送倫理違反があったと結論付けた。取材を受けた女性はSNS上で批判されるといった被害を受けて、日本テレビに対して抗議を申し入れた。
委員からの意見
- 立場の弱い現場のディレクターがやってしまったという、以前から存在する構造的な問題に由来する事例。また、中国や中国人バッシングのような世論というか感情的なものがあったとして、俗情におもねるという側面があったのかと推察する。
- こんな形で恣意的に変えられてしまうと見抜きようがない。こういう問題はずっとあるが、ここまで変えるというのはもはや最低限の良心の問題なので、そこを踏み越えられたらどうやって防げばよいのか。
- 要は背に腹は変えられないという状況に起因しており、これはやってはいけないという禁止事項の確認作業ではどうにもならない。もう少し故意に近いというか、かなり大きなレベルでの改革とセットにせざるを得ないような問題だと感じた。
関西テレビからの意見
- BPOの意見書を読み、このようなずさんな作業が行われていたことを知った。
不正を見抜くというところで言うと、責任者が編集前の素材を見れば一目瞭然。ただ、どの程度の疑義が生じれば、膨大な素材を見直すのかと考えると、相当疑わしいと思われるケースに限られてくるだろう。意見書では、担当者が一瞬の焦りで一線を越えてしまったと当時の状況を振り返っているが、立場の弱いスタッフの実情を思うにつけ、非常に重たい報告だと感じた。
4.その他報告事項 WEBニュース掲載期間に関するルールについて
ニュースをネット上に掲載するにあたってのルールづくりに着手し、案がまとまった。
報道の影響力が、載せる媒体の特性によってその質を変えつつあることへの対応案について報告した。
5.委員会直接通知について
この期間における社員等からの直接通知案件は無かった。
次回委員会日程について
2026年2月開催予定
以上

