第63回 オンブズ・カンテレ委員会 議事概要

2025年8月20日

日時

2025年8月20日(水)16時30分~

場所

関西テレビ放送

出席者

難波功士委員長、赤松純子委員、丸山敦裕委員

関西テレビ出席者

岡代表取締役社長、高島取締役、小杉取締役、西澤取締役
青瀧コンプライアンス推進局長 事務局

1.BPO放送倫理検証委員会がTBS「熱狂マニアさん!」に放送倫理違反

昨年の10月19日の2時間スペシャルで、家具・インテリアを扱う企業の商品を全編で紹介、提供CMも放送された。BPOの放送倫理検証委員会で審議した結果、番組と広告の識別に関して番組制作者の認識が甘かった点、スポンサーのCMが番組本編と直結して流れた点などを勘案し、放送倫理違反があったとされた。
この裁定について委員との間で意見交換が行われた。

委員からの意見

  • KTV社内での議論の中で、「カンテレではこの種の問題は起きない」という意見があったが、本当にそうなのか疑問に思った。全編ではないが、ある商品を長い時間取り上げたり、業者1社だけを取り上げたりしている。似たような問題はあると思った。
  • 本来的に民間放送は一定の広告収入から成り立っているわけだから、広告的要素というものを番組に含めないということは、現実問題としてあり得るのか。視聴者自身が、多分そう感じていると思う。
  • TBSのスタッフが「内容はバランスに配慮しており、問題なかった」と振り返っているが、その考えは違うように思う。「企業礼賛一辺倒にならないように辛口のコーナーを設けるなどしてバランスを取った」とあるが、ひとつけなしてあとは褒めるというのは、スイカに塩を振るようなものだ。
  • 「良いこと」を紹介しようとすると、本来は広告意図がなくても結果的に「広告効果」を持ってしまうことがある。この現実についてもう一歩踏み込んだ検討が必要ではないか。

関西テレビからの意見

  • 当社でもいろんな商品などを紹介するような番組作りをすることはあり、絶対に問題が起こり得ないとはいえない。現場での注意はもちろん社内全体でも気を付けている。客観的なチェック体制が必要だと考える。
  • 制作側の発意があればよいということではない。それを視聴者が観て、広告と誤解しないのかという視点はどこかに持たないといけない。

2.参院選挙関連

関西テレビ「新しい選挙報道の方針」

事業者から報告

  • 関西テレビでは、量的な公平からの脱却を考えながら、投票日1週間前の選挙期間中に事前特番を放送した。この番組では、データ放送を使った政党とのマッチングをやってみたり、ファクトチェックに取り組んだりした。
  • 事前報道に力を入れるため、投開票日の特番はローカル部分では対象地域を決めて選挙結果を伝えた。
  • 量的公平からの脱却が難しかったが、投票日2日前の夕方ニュースでは参政党にフューチャーするような企画を放送。これが必要だと視聴者に思ってもらえる情報を送り届けるという考えで企画した。

委員からの意見

  • 事前特番は試みとしては丁寧な説明があり良かったが、前回の公約が達成されているのかなども聞きたかった。
  • 内容的にもバランスが取れていて、ファクトチェックなども攻めてやっていてよかったなと思った。強いて言えば、社会保険料を下げるのはいいが財源はどうするのかという話題で出演者が「突っ込みどころ満載」と言ったが、その後をもっと聞きたかった。
  • ファクトチェックをしたと言っても「テレビは嘘」と思う人には何を言っても信じない。ただ、やり続けることで伝わることもあるので続けてほしい。

事業者からの意見

  • ファクトチェックには相当な労力がかかる。番組の取材に加えてファクトをチェックしていくというのはなかなか厳しいが、これからもやっていきたい。
  • 今回の選挙では各テレビ局が新たな取り組みをやっていたが、ネットとテレビは敵対しているわけではない。テレビにできること、ネットにできることをそれぞれ生かしながらやっていきたい。

3.委員会直接通知について

この期間における社員等からの直接通知案件は無かった。

次回委員会日程について

2025年11月開催予定

以上