関西テレビ放送株式会社


番組審議会
No.581 2017.1.12
関西テレビ
「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」について審議
出席の委員

上村洋行 司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長(委員長) / 井口文彦 産経新聞社 大阪本社 編集局長 / 金山順子 適格消費者団体ひょうご消費者ネット理事 消費生活アドバイザー / 後藤正治 作家 / 高江洲ひとみ 弁護士 / 瀧藤尊照 四天王寺大学教授 / 通崎睦美 音楽家 文筆家 / 難波功士 関西学院大学社会学部教授(敬称略50音順)

レポート参加

井上章一 国際日本文化研究センター教授

関西テレビ

福井澄郎 代表取締役社長 / 宮前周司 専務取締役 / 谷口泰規 常務取締役 / 喜多隆 取締役制作局長 / 伊東亮 取締役報道局長 / 奥村肇 制作技術局長 / 岡山誠 編成部長 / 西澤宏隆 スポーツ部長

1月の番組審議会では、昨年12月27日(火)放送のネット単発『潜入!ウワサの大家族 年の瀬も大騒動SP』が審議されました。少子化と核家族の時代に、「社会に対して意味ある情報」との評価をいただきました。

親が子を虐待し、子が親を殺すなど、殺伐としたニュースがあふれる時代。そういう中で、親が我が身を削って子供たちを必死に育て上げ、それに子供たちが応える、こういうシーンは、やはり社会に対して意味のある情報だと感じた。
文明批評的な哲学を込めれば、ドキュメンタリー番組にもなる対象と見た。しかし、シリアスに描く必要はない。少子化と飽食の時代の中で、大家族のつつましやかな暮らしが、珍しくも貴重な価値あるものとして描かれていた。
大家族の家庭のきずな、自立心、協力し合う気持ち…。我々が今忘れ去った、核家族化が進む以前の家族形態のよさが浮かんできた。加えて節約料理テクニックなど「役立ち情報」があった。これは有効だった。
「家族の幸せって何?」という質問に、シングルマザーである母は「生まれてきてくれてありがとう」と答える。子供たちに対してそういう言葉を発しておられる。「ああ、いい場面やなあ」と、すごく印象に残った。

大家族を支える母と父、とくに母親の奮闘ぶりが注目された

「大家族」に生活サバイバルを見る思いがした。仕事と家庭のまさに常在戦場、闘いの真ん中に立つ母に対する「敬意」を、この番組から感じ取ることができる。母に「手練れの剣客」を見るようで、最後まで飽きることなく見ることができた。
シングルマザーの奮闘記に感服。かつての日本社会では普通だった、生活やつれの痛ましさも感じたが、だから今こういうお母さんが珍しくも貴重な時代なのかなという感想も持った。
子供が「母子家庭と言われても一人で育ててくれてありがとう」と感謝する。反抗期の次男が、「おばあさんになっても、僕が支える」と言ったりする。演出がほの見えても、これはやはりいい家族環境と判ずることができてうれしい。

子ども達の自然な「素」の表情を活写できていることも評価された

奮闘する母たちの時短術や過激節約術。しかし、おもしろいのは、子供たちの「これ、絶対つくってないよね」と思える「素のやりとり」だった。どうやったらこんなふうに親に応える子供が育つんだろうか、と感心した。
子供たちの、けんかや戯れや冗談の言い合いなど、演出なしのやりとりが面白い。シングルマザーが、子供たちの大掃除のプレゼントに感涙し、長野のパパも娘に号泣させられる。「ほほ笑ませてくれる」シーンが、幾つもあった。
親もパワフルだが、子供たちがすごくエネルギッシュだ。子供たちの「自分たちも家族の一員だ」という自覚が、自然なお手伝い、大人並みのお手伝いから見えて、涙が出てくるような場面が続き、これはいいなと思った。

他局も含め、テレビの「大家族モノ」の<既視感>をくつがえす工夫に注目された

これまでの「大家族モノ」の先入観があって、「また大家族モノか」と思ってしまったが、大家族レシピや暮らしの技などいろいろな新機軸が工夫されている。大家族ファンはいる。大家族モノの可能性はまだあるだろう。
長いが、3つの家族が、都会と山奥と地方都市と、シングルマザーと、お父さん出稼ぎで単身赴任の家庭と、あと共働きとか、3つの家族のバリエーションがあったので、最後まで飽きずに見れた。
大家族モノの取材に応じてくれる人たちが、番組も回数を重ねて放送するごとに増えてきたという。暗いところではなく、家族のいいところを映す。見て楽しい気持ちになれる、前向きな気持ちになれるバラエティだった。

特に、「お役立ち生活情報」の要素を加えた工夫が好結果をもたらしたと評価

「大家族モノ」ドキュメントに加えて、生活情報番組的な要素が充実していた。大家族ではない、小人数家族や高齢世帯も見てプラスになる、お役立ち情報が上手く組み合わさり、その点がすごくいいなと思った。
大家族モノにありがちな、苦労の強調や感動の無理強いがなく、ほどよいあんばいの番組だった。実用お役立ち情報で飽きさせない工夫もある。コジマジックが子どもに手をかすアイデアもほほ笑ましく、気持ちのいいつくりだった。
「掃除収納タレント」を全然知らなかったので、唐突でつくり過ぎに感じた。最後のサプライズで、お母さんがホロリ、「泣かせ」で終わるが、少しあざとい感じがして、もうちょっとさらっとしたエンディングが私の好みとしてはよかった。

「大家族」がモノ珍しくなった、珍奇な被写体となった当世のエピソード、との評も

少子化の日本では、大家族の光景がエキゾティックに映る。テレビが珍しい映像として放映し、その値打ちが珍しいとして放映する。大家族の価値ある風景、おもしろく拝見した。支給される「育児手当」の額が知りたくなった。
テレビもテレビゲームも、取材対象の大家族では影が薄いようだ。いろいろ制約があるのか、テレビもゲームも極力使わないような譲りあいの暗黙のルールがあるのか。今の時代に、逆に新鮮で、取材された3つの大家族はその点すごくいい。
子供たちに買い物指令を出して買い物を頼む家族。スマホか、LINEで「買いもの指示」を出すのが今風だが、お金の管理とか、子供のお小遣いであるとか、子供とお金に関することは、もう少し掘り下げても、良かったかなと思う。
以前番組審議会で取り上げた「発見!なるほどレストラン」の後継企画の「大家族モノ」のSPとの由。子らが高校生、大学生の年代になったときに、さらに厳しい現実があろう。継続取材が怖いような期待したいような…。

「大家族モノ」(バラエティ、ドキュメンタリー他)コンテンツについて

私自身7人家族で育ち、トイレ戦争はそのまんま。実際トイレが2つあってもケンカする。「苦労ぶり」という視点からではなく、子どもたちが明るく過ごしてるシーンを通して、楽しく見ることができた。子供は子供が出る番組が好きかも。
映像的には、宮崎の山村の暮らしの豊かさに魅かれた。清流が流れ、キノコや山芋掘りが出てくる、ヤマメも出てくる。そば打ちに五右衛門風呂まで出てきて、山里の暮らしの豊かさを感じる。映像から長期取材の成果がうかがえた。

細部での表現や演出に、「必要な情報」と「必要な配慮」を欠く、とのご批判もあった

なぜシングルマザーになったのか、なぜ大家族になったのか、なぜ山里に行ったのか、個人情報・プライバシーの問題はあるが、差しさわりのない部分で解説があれば、もっと興味が増し奮闘ぶりがもっと伝わったのではないか。
コマーシャル跨ぎの導入に今回、出産シーンが多用されていた。大変煩わしくて、むしろマイナスになる。CMキューカットの映像は、視聴意欲の持続を逆にそぐような悪印象効果にならないよう、工夫があっていい。
シングルマザーと子ども「6人きょうだい」の大家族の導入部で、「男ばかりの…」と短絡。一方で女の子が1人いると伝えているのに、雑駁に過ぎる。女の子にとっては「私もいるのに…」と複雑だろう。デリカシーにかける。

番組審議会に出席して

制作局 東京制作部 プロデューサー・坂田佳弘
昨年3月まで放送していた「潜入!ウワサの大家族」のSP版「年の瀬も大騒動SP」を審議して頂き、ありがとうございました。委員の皆様のほとんどが、今までの大家族をテーマにした番組に対して、良い印象がなかったり、「観た事が無い」という事でしたので、どんなご意見、ご感想になるか、肝を冷やしておりましたが、「大家族モノに対する印象が変わった」や「最後まで面白く観られた」などお褒めの言葉を頂き、家族に密着し、汗をかいた番組スタッフの苦労が報われた想いでした。この番組は今まで描かれてなかった大家族ならではの工夫された生活ルールにスポットを当て、皆さんがリスペクトされる様な番組作りを心掛けました。その点を評価いただけた事は本当にうれしい限りです。しかしながら、キューカットなどで「出産シーンを何度も使うのは安易すぎる」など、今後に向けての参考になるご意見も頂戴する事ができました。次回に向けて、更に努力してまいりたいと思います。

〒530-8408 大阪市北区扇町2丁目1-7 関西テレビ放送 番組審議会事務局

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