出前授業

出前授業@兵庫県立三田祥雲館高校

2012年2月3日(金)

兵庫県立三田祥雲館高校に出前授業に行ってきました。
今回は初めての「著作権」についての出前授業です。

授業を受けたのは「著作権」ゼミを選択している2年生23名の生徒さん。担当したのは、コンプライアンス推進部兼著作権業務部所属で弁護士資格も持つ社員です。

「著作権」論文に取り組む生徒さん達。身の引き締まる思いでした。

授業の様子 生徒さんは既に半年間に亘って著作権の学習に取り組んでこられており、今回の授業はゼミの最終段階にあたっていました。
担当の先生から打ち合わせで、「今は論文制作に取り組むための準備期間なので、どんどん質問をさせてほしい。」と言われ、いつも以上に身の引き締まる思いでした。
「テレビ局と著作権」と言っても、テーマは実に様々です。担当者も、2コマの授業なので「絞り込まないと」と思いつつも、分かりやすい事例を探しているうちに資料は増え続け、当日資料は80枚を数えました。
最高裁判所から「パブリシティ権」に関する初めての判断が下されたタイミングもあり、「肖像権」に関するテーマも取り上げたいとの思いはありましたが、あくまでも「著作権」ゼミでの授業ということなので、今回は「パロディ」を中心に、時間が余れば「報道」についても取り上げる予定で授業に臨みました。

多様な創作を生み出すために、あるべき著作権制度とは?

生徒さんにまずお伝えしたかったのは、
「創作者には著作権という権利が与えられている一方で、創作のためには他人の著作物を利用することが必要な場合がある。テレビ局は著作権者であると共に、利用者でもあり、二つの対立する利益に配慮しながら新たな表現を目指している。」
ということです。
そして問いたかったのは、
「多様な創作を生み出すためには、どのような著作権制度があるべき姿なのか?」
でした。

テーマは「パロディ」。「議論」する授業を目指しました。

パロディについて話す担当者 その題材として、今回はテレビ制作者が悩むテーマである「パロディ」について取り上げたかったのですが、前提の説明で予想外に時間がかかり、本題の「パロディ」について話す頃にはかなり時間が経ってしまいました。しかし、単なる著作権の「解説」ではなく、生徒さんと「議論」する授業を目指し、ここで敢えて時間を掛けます。
具体的な「パロディ」事例を示して、「適法か違法か?なぜそう思うのか?」について、生徒さんに意見を出していただきました。

提示した事例のポイントは、

  • 「パロディ」も表現方法の一つとして認められてよいはず。しかし、日本の著作権法では「パロディ」が適法とは認められにくいのが現状。他方、アメリカではフェアユース(公正な利用)条項があり、「パロディ」が適法と認められやすい。
  • アメリカでは、作品そのものの批評であれば「パロディ」として適法とされる。社会批判である「風刺」に過ぎない場合には、他人の著作物を利用しなくとも社会批判は可能であることから、適法とはされにくい。

「なぜそう思うのか?」と意見を求められる授業に、生徒さんの多くが始めは戸惑いムードでしたが、少しずつ発言が積み重なっていく中で、自然と説得力ある根拠をもった見解が出てきました。
さらに質問の時間には、「YouTubeについて、テレビ局はどう考えているのか?その影響はどうなのか?」「著作権の法的保護期間が50年から70年に延長されるべきか否かの問題について、法律家としての意見は?」等、矢継ぎ早に鋭い質問が続きました。論文制作に取り組む生徒さんの真剣な態度が見て取れました。

「議論」をしたことで、深まった理解

授業の様子 生徒さんから感想です。
「権利者でもあり、利用者でもある立場からの話は初めてだったので興味深かった。」
「テレビ局の著作権問題など、今までに触れたことのない講義だったので勉強になった。」
「今までよくわからなかったパロディと風刺の違いがよくわかった。」
「議論をしたことで、パロディについてより理解ができた。」
「他の人の意見も聞けてすごく勉強になった。」
「どう?とクイズみたいにされたのが、今まで習ったことを使って考えたりできて面白かった。」

「パロディ」の1テーマで、「議論」にこだわった授業をしてよかったと思っています。

「自らの頭で考えることで合理的な解決基準を見出せるということを、少しでも実感していただけたら。」と担当者。今回の出前授業が、生徒さんが「著作権」について考える際のヒントになれば幸いです。

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