出前授業

出前授業@西宮市立今津中学校

2021年8月23日(月)

「伝える」ということ

【講師】報道センター 高橋亮光

中学2年生は、キャリア教育の一環として職業体験をする学校が多いのですが、昨年に引き続きコロナのために中止になっているようです。今回は1週間の職業体験が中止になった今津中の2年生149人に、放送記者という仕事のおもしろさ、やりがいを通して、将来のキャリアを考えてもらう授業となりました。
ドラマの演出を夢見てテレビ局に入社したものの2年間は人事部だったという高橋。でも、その間に社内の多くの人と関わることができたのは、大きな宝だったと話しました。
その後、放送記者になって、様々な現場に赴いていますが、どんな取材も、当事者との関係性の上に成り立っていると感じているそうです。その例として、ブロック玩具の出来栄えを競う大会を取材した時のニュース映像を紹介しました。優勝本命の紅一点に各局の注目が集まる中、高橋は敢えて観客の子どもたちにからかわれている青年を取材の中心に据え、青年が会場で初めて出会った子どもたちと一緒に悩み一緒に楽しみながら作品を仕上げていく姿を描きました。残念ながら優勝は逃したものの、大人と子どもが一緒に、という玩具のコンセプトを体現する映像となっていました。

続いて、コロナの第4波で逼迫する大阪の医療機関を取材したニュースをみてもらいました。カメラの前で弱音を吐く医療関係者、スタッフのすぐ脇を通り抜ける重度の患者を載せたストレッチャー。最初、高橋ら取材スタッフが入ることに難色を示していた関係者たちも、高橋の丁寧で節度ある対応やニュース内容の誠実さを認めてくれて、現在では「コロナ記録」の大切なパートナーとして扱ってくれているということです。
高橋は、これまでの記者経験から、現場で自分が感じたことを大切にしたいと考えています。ネットや行政の発表を鵜呑みにするのではなく、現場で得た視覚と聴覚による情報を「伝える」ことが、放送記者の使命であると話しました。
そして、コロナにより、様々な行事や体験ができなくなっている生徒たちに対し、「コロナ前のあたりまえがいかに幸せだったかを思い出し、今の何気ない生活の大切さに気付いてにしてほしい、きっとこの経験が君たちを強くする」とエールを送りました。
最後に、生徒たちから質問が寄せられました。
Q.記者に向いているのは、どんな人ですか。
A.実は取材にこぎつけるまでが大変。取材相手と真摯に向き合い、自分の取材したいという気持ちを相手に理解してもらえるまで、頑張れる人が記者に向いていると思います。

【講師の感想】

今回2回目の出前授業でしたが、全生徒から感想文をいただき、正直驚きました。記者に興味を持ったという感想が多く、率直に授業をやってよかったと思いました。授業では何本かのVTRを見ていただいたのですが、私よりも深い洞察をしているものや、明確に私が伝えたかったことを感じ取ってくれている感想も多く、テレビ離れが叫ばれていますが、テレビの映像の力は年齢を問わず届くと確信いたしました。授業をするまでは、正直めちゃくちゃ滑ったらどうしようと考えていましたが、若者たちも私たちが思っているよりも映像をしっかり見るのだと感じましたし、これから頑張れ!と激を飛ばされ、とてもいい刺激になりました。

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