出前授業

出前授業@豊中市立第九中学校

2020年10月16日(金)

創立50周年を迎えた九中は、この少子化といわれる時代にあっても生徒数が増えていて、出前授業に伺った日も、建物の増築工事が行われていました。 学校側からの要望は「コロナのために中止となった『職業体験』の代わりに、身近なテレビ番組を職業という見地から説明してほしい」ということで、2年生320人あまりを2回に分けて行われました。講師は、昨年まで様々なスポーツ番組を手掛け、現在は総合編成部でバラエティ番組などの企画に携わっている居川大輔で「番組のつくり方と現場のウラ話」と題して授業を行いました。

【授業内容】

今回、居川は、番組を台本の有無を中心に3つに分類し、それぞれにおける仕事の内容とそのやりがいを話しました。

まず、台本のない番組については、プロデューサーとして担当した旅番組を例に出し、出演者の人選が最も大切な仕事であること、その人選はこれまでの居川自身の経験や一緒に番組をつくるスタッフとの話し合いの中で、大きな番組の流れとともに決めていくことを説明しました。そして、収録中には、ディレクターがより番組が面白くなるように、現場で演出を加えていくことが話しました。

続いては台本のある番組です。土曜夕方5時のスポーツ情報番組『こやぶるスポーツ』は台本がありますが、生放送の時と録画放送の時があります。生放送では、ディレクターが伝えるべきと思った最新の情報を臨機応変に紹介していきますが、その過程で、もともと台本に書かれていた内容が変わることもあります。一方、録画放送の時には、収録を途中で止めて出演者が服装を替えたり、収録後に効果音を入れたり、台本に沿って作り込んでいけるおもしろさがあります。

居川はスポーツ部での19年間、フィギュアスケートの髙橋大輔選手など数々のドキュメンタリーを手掛けました。その経験から、取材の時には台本がなく、番組を作り上げる際にナレーションという台本をつくるドキュメンタリー番組の話では自然に熱がこもりました。高橋選手のドキュメンタリー番組を例に、髙橋選手がケガを克服するまで、大会に出場するまでといったゴールを目指す生活を撮影することは、信頼関係があってこそ成立すると話しました。そして、その信頼関係の上に、番組独自の取材やインタビューがあり、ナレーションは映像だけでは伝えきれない作り手側の視聴者に向けたメッセージのひとつであり、画の見せ方を変えられる魔法の言葉であると説明しました。高橋選手のドキュメンタリーの最後の1行のナレーションには、一晩かかったということです。

授業の最後、居川は、テレビは情報を一度に大勢の人に届けられる手段なのでやりがいを感じるが、それとともに責任も痛感している。これからも大勢の人の心を揺さぶる番組をつくりたいと締めくくりました。

質問コーナーでは、企画から放送までにかかる時間を聞かれ「いろいろありますが、1時間のバラエティ番組で5ヶ月くらい」、番組づくりで大変だったことを質問され「1時間のドキュメンタリーを編集するのに、40分テープ200本、130時間の映像を見なくてはいけなかったこと」と答えたことで、番組をつくるのには想像以上に時間がかかることを知り、生徒たちは呆気に取られた様子でした。

【講師のコメント】

居川 大輔
リモコンに配信チャンネルのボタンがある時代。中でも流行に敏感な中学2年生の皆さんがテレビに興味を持ってくれるのかとても不安でしたが、九中の皆さんは本当に熱心に耳を傾けてくださいました。「出会った中で誰が一番かわいかったですか?」などミーハーな質問もたくさんもらって、安心しました。ただ中には「番組の宣伝をするCMを作るときのコツって何ですか?」という質問も。SNS時代を実感しました。
およそ2時間にわたるトーク時間は、演者さんの気持ちを味わえる貴重な時間になりました。逆に学ばせていただき、ありがとうございました。

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