出前授業

出前授業@兵庫県立尼崎高等学校

2019年10月23日(水)

関西テレビは、フジニュースネットワーク(FNN)として、海外3カ所に特派員を派遣しています。近畿だけではない、日本だけでもない、ワールドワイドに活躍する関西テレビの記者の姿を高校3年生37人に伝える出前授業となりました。

【学校からの要望】

学校設定科目である「世界とニュース」の授業で、TVメディアが、国際的な政治・経済・スポーツなどのニュースをどのようにして報道しているのかという基本的な内容を伝えていただきたい。

【講師】報道局報道センター 奥 元伸

2000年に関西テレビ入社以来、報道に携わり、2016年から3年間、FNN海外特派員としてアメリカ・ロサンゼルスに赴任。アメリカ大統領選やメキシコからの移民問題といったニュースの取材からアカデミー賞の授賞式といった華やかな現場を経験し、この7月に帰国。

【授業内容】

まず、講師の奥は、黒板にアメリカ大陸と日本列島、ハワイ島の地図をかき、「ロサンゼルス支局はここにありますが、FNNではニューヨーク支局とワシントン支局、そして私も含めて6人の特派員で、南米からアラスカ、太平洋の島々をカバーしました。3日で気温差55℃、25,000キロを移動したこともありました」と、担当エリアの大きさを伝えました。

そして、赴任中、印象深かったアメリカ大統領選や、ラスベガスのホテル乱射事件、アカデミー賞の授賞式、アップルの新製品発表会、世界有数のモーターショー、アメリカ-メキシコ間の国境問題取材についてまとめた映像を見てもらい、生徒たちに、「テレビニュースは見ますか?」と質問したところ、ほとんどの生徒がネットニュースしか見ない。興味のあるニュースしかクリックしないので、国際ニュースはあまり見ないとのこと。

そこで、奥から国内と海外のニュースの違い、なぜ国際ニュースを取材するのかについて、授業の核心にふれていきました。

日本のテレビ局が海外で取材する内容は、その国にとって大きいニュースかどうかということだけではなく、日本や日本人にどれだけ影響があるかも大きな要因となります。

では、アメリカ-メキシコ間の国境の扉を、なぜ奥は何日もかけて取材したのでしょうか。日本にいると見ることができないもののひとつに「国境」があります。奥は「国境」を初めて見た時、不思議な感じがしたと話しました。国境をはさんだアメリカとメキシコには、同じ砂の大地が広がり、同じ風が吹いている、にもかかわらず、3重の金属のフェンスに遮られた家族がフェンスの隙間から手を伸ばして相手のぬくもりを確かめ合っている。一見、日本にいる我々には全く影響がないように見えるこの情景ですが、この「国境の扉」政策を推し進めているトランプ大統領のいる国がアメリカであること。アメリカが取る軍事や経済、外交、環境といったあらゆる政策における姿勢が日本人の生活に密接に関係していることを考えれば、アメリカとメキシコの国境で行われていることは、決して日本に無関係とはいえないのだと熱く語りました。

アメリカで取材をしながら、いつも日本の視聴者はこれを見てどう思うだろうか、と思ってきました。でも、「伝える」には限界があります。奥は、生徒たちにも、ぜひ若いうちに海外でなくても、今の生活とは違う環境に身を置いて、違う視点から物事を見る力を養ってほしいと、授業を締めくくりました。

奥の話の後、生徒たちから質問が出ました。
Q.危険を感じたことはありますか。
A.治安が悪い特定のエリアでは現地の案内人に「住民の目をみるな」と言われたこともある。安全管理には気を使った。
Q.取材で嫌なことはありますか。
A.移民など苦境の中にいる人々に出会って取材させてもらった時、自分たちは取材後、清潔で温かい食事のとれるホテルに戻れるが、心を許してくれた人に何の恩返しもできない。幼い子が環境の悪い所でお腹を空かせて眠るのかと思うと複雑な思いがした、と同時に、しっかり実情を伝えようと思った。

【講師のコメント】

高校生に話をさせていただいたことで、改めてニュースを伝える意味を自分でも考えることができました。非常に貴重な体験をさせて頂きました。若い方々の率直な質問も新鮮でした。講義をさせていただいた経験を糧にして職務に当たりたいと思います。

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