出前授業

出前授業@大手前高校

2018年12月6日(木)

ふだんの出前授業は、文字通り社員が関西テレビを出て、依頼された学校などで、メディアリテラシーを中心とした授業を行っていますが、今回、講師の職場を実際に見たいという要望があり、カンテレ社屋で実施しました。タイトルは「テレビのウラ側、しゃべり倒します」。大阪府立大手前高校1・2年生30人が参加してくれました。

【学校からの要望】

高校生が講義や体験を通して、自分の将来(進路)を考える糧となるような授業をしてほしい。

【講師】報道局報道センター 専任部次長 神崎 博

高校時代から海外特派員にあこがれて、大学ではメディアについて学びつつ海外留学を経験した。入社後は、制作カメラマンを経て報道記者、念願のマレーシア特派員、帰国後は夕方ニュースの編集長を務めた。現在は、旺盛な好奇心と経験で培われた知識を用いて「報道ランナー」月~水、金曜日の社員コメンテーターとして活躍。

【授業内容】

授業の会場となったのは、関西テレビの「なんでもアリーナ」と呼ばれるスタジオ。高い天井とそこから吊り下げられたたくさんの照明に、生徒たちは落ち着かない様子でしたが、神崎が「きょうは、よう来てくれました」と人懐っこい笑顔で挨拶すると、生徒たちの表情もなごんだようでした。

現在コメンテーターを務める「報道ランナー」の出演者らとのにこやかな写真など、自己紹介で披露した写真は楽し気なものばかりでしたが、報道に対する信条を語り出したとたん、神崎の顔が引き締まりました。神崎がテレビ報道に携わるものとして心がけていることは「バランス」。ニュース番組の編集長をしていた4年半の間、何を取り上げるか、どう表現するかを考え続け、現在は、社員コメンテーターとして、社外のコメンテーターの意見で視聴者の印象に偏りが生まれないように、ある時は本来の自分の意見を押さえてでも番組の中立性を確保しているといいます。報道の責務は、権力を監視し、少数意見を尊重しつつ多様さを反映して民主主義を守ることであり、自分はそれを成し遂げるために仕事をしていると説明しました。

また、これまでの経験から、放送記者に必要な資質は「瞬発力」であると話しました。テレビは現場を生で切り取れる利点があるので、これを活かすためには、リアルタイムでの判断力が必要。間違えることもあるけれど根拠のある間違いは後でやり直しがきくと思うので、知識や経験を積んで本番に何等かの見解を出さなくてはいけないと思っているのだということでした。しかしながら、芸人のコメンテーターからは知識や経験では太刀打ちのできない想定外の質問や意見が出てくるので、本当に困ることがあると言って、生徒たちの笑いを誘っていました。

さらに、海外特派員時代のことに触れ、2005~2008年までマレーシアのクアラルンプールに駐在し、東南アジアや南アジアなどをカバーしていた当時、現地のイスラム教徒のカメラマンや通訳らとの現場の取材が、現在役に立っていることや、時差や日本との衛生面やモラルにおける違いが許容できないと海外で特派員はできないと語りました。

この後、生徒たちから事前に寄せられていた質問に答えました。命の危険を感じたことはありますか、という質問に、以前宿泊したホテルが爆破されたこと、潜水撮影をしている際、どうしても撮りたい魚と遭遇し、気がついたら空気タンクが空になりかけていたことがあり、急いて浮上したが、あと10メートルで水面という時に空気がなくなり、窒息しにそうになったことがあり、あれは怖かったと答えました。

また、被害者への取材について聞かれると、最後は人間関係、手紙で連絡を取ったり、個人的に話を聞いて、信頼関係を構築しながら取材に結び付けていくが、相手のことを受け止めつつ冷静に対応しないと、被害者の方は重い体験をしているので、記者が精神的に参ってしまうこともある、と答えました。

【講師のコメント】

ほぼ毎日、スタジオでニュース解説をしていますが、人の前で話す機会はほとんどないので、いつもと違う緊張感のもと、初めて自作のスライドを使い話をしました。「ネット時代にテレビはこの先どう生き残るのか」という趣旨の鋭い質問もあり、答えに窮する場面もありました。普段、視聴者から生の声を聞くことがないので私にとっても、今の高校生がニュースについてどう思っているのかがわかる貴重な経験になりました。

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