出前授業

出前授業@伊丹市立女性・児童センター

2016年6月26日(日)

アナウンサーのお仕事 ~正しく伝えることの基本~

伊丹市立女性・児童センターに行ってきました。梅雨の晴れ間の日曜日、青空が広がり少し汗ばむものの時折心地よい風が吹いてきます。
家族でメディアリテラシーについて学ぼうと、小学校1年生から中学校1年生までの子どもたちとお父さん、お母さんたちのおよそ40人が授業に参加してくれました。

【センターからの要望】

伊丹市で「男女共同参画推進」の拠点となっている女性・児童センター。同センターでは、男性と女性が職場・学校・地域・家庭でそれぞれの個性と能力を発揮できる社会を実現するため、教育・啓発の推進や生涯学習の充実などを基本課題として力を入れており、そのひとつとしてメディアリテラシーの学習も行っています。
「家族で学ぶメディアリテラシー」というテーマで、アナウンサーの仕事を通じて物事を正しく伝えることの基本を学ぶことができればとの要望を受け、授業を行いました。

講師は『みんなのニュース ワンダー』や『ジャルやるっ!』など多くの番組でナレーションを担当している山本悠美子アナウンサーと、ベテランの毛利八郎アナウンサーです。

授業のプログラムは次の4つです。
(1)「アナウンサーの仕事とは?」
(2)「ニュースの原稿を読んでみよう!」
(3)「~伝言ゲーム~ 物事を正しく伝える」
(4)「インタビューに挑戦!」

(1)「アナウンサーの仕事とは?」

子どもたちとお父さん、お母さんたちが一緒に授業を受けるという和やかな雰囲気の中、最初に山本アナが、アナウンサーの仕事とはニュースの原稿を読んだり、番組のナレーションを読んだりする仕事であると基本的なことを子どもたちにもわかりやすく話します。
他にもスポーツ実況や番組のアシスタントなどいろいろな仕事があり、それらを大きくまとめて言うと「いろいろな事柄を多くの人に伝える仕事」であり「情報を相手に伝える仕事」であると説明しました。

「情報を相手に伝える」のは難しいことで、それを上手に正しく伝えるためには(1)「相手のことを考える」、(2)「一番伝えたいことは何かをはっきりさせる」、(3)「大事なことから先に伝える」、(4)「自分がしっかり情報を理解する」この4つを重要なポイントとしてあげました。お父さん、お母さんたちの中には大きく頷く人、しっかりとメモを取っている人もいました。

(2)「ニュースの原稿を読んでみよう!」

次は以前に放送された長さ1分のニュースの映像に合わせ原稿を読むことに挑戦してもらいます。

ニュースの項目は「祇園祭大船鉾(おおふねぼこ)龍頭(りゅうとう)修復披露会」。 山本アナが実際に原稿を読んだニュースですが、振り仮名をつけても読みにくい漢字が多く、また途中にインタビューも入るという難しい内容です。

山本アナが「誰か読んでみたい人いますか!」と声を掛けると、何人かの子どもたちから元気に手が上がりました。教室の前に出てきて挑戦してもらいますが小学生には難しかったようで、なかなか映像と原稿の読みが合いません。それでもみんな最後まで頑張って原稿を読んでくれました。これには教室の全員から大きな拍手がおこりました。

(3)「~伝言ゲーム~ 物事を正しく伝える」

ここから講師が毛利アナに代わり、子どもたちとお父さん、お母さんたち全員で伝言ゲームを行います。
お題は「午後3時に花屋に行って200円のユリと500円のバラを買い、お釣りを300円もらって帰って来た」です。 10人ずつ4つのグループに分かれて行うゲーム形式で盛り上がりますが、200円のユリが300円になったり、500円のバラがユリになったりと、簡単なようですがどのチームもなかなか正しく伝えることができません。

毛利アナは「簡単な文章なのに正しく伝わらないのは、自分や相手の勝手な思い込みで間違える場合が多い。正しく伝えるためには、文章をそのまま覚えるのではなく、大事なポイントだけは落とさずに相手に伝えることが一番重要。また相手のことを考えるのと同時に“自分の気持ち”を乗せて話すと、より一層上手に伝えることができる」と説明しました。

ゲームを通して子どもたちもお父さん、お母さんたちもいかに相手に「伝える」こと、そして相手に「伝わる」ことが難しいかを学んだようでした。

(4)「インタビューに挑戦!」

子どもたちがお父さんやお母さんにインタビューをします。
テーマは「小学校時代の思い出」で、3組の親子が挑戦してくれました。「好きな科目は何でしたか?」「休み時間は何をして遊んでいましたか?」「成績は良かったですか?」「好きな人はいましたか?」などアドリブも交えて子どもたちからさまざま質問が飛び出してきます。

インタビューに答えるお父さん、お母さんたちは自分たちの小学生時代を思い出し、スラスラと、時にはちょっと答えにつまったり、考え込んだり。いつも話をしているお父さん、お母さんとインタビューという形で話をしたり聞いたりすることで、お互いにいつもと少し違った一面を見ることができたのか、ちょっと恥ずかしそうだったり嬉しそうだったり、とても楽しそうでした。

最後に毛利アナが一人のお父さんにインタビューをします。
お父さんから「学校に行くことが楽しく体育の授業が好きだったこと」「今もスポーツを見ることが好きで、自分でもやっていること」「子どもと一緒にスポーツをすることが楽しみ」など短い時間にいろいろなことを聞きインタビューのお手本を見せました。そして「聞くこと7割、インタビュー3割が理想」と話し(1)「何より相手の話をしっかり聞く」、(2)「上手に間をとって相手にも聞く耳をもってもらう」、(3)「興味あることを中心に聞いていく」ことが大切と説明しました。
これらは日常生活のコミュニケーションでも同じで、何かのときに思い出してもらえればと話し、授業を終えました。

授業が終わり、子どもたちからは
・「友達と話す時に気を付けるポイントを教えてもらって良かった」
・「アナウンサーの仕事のことを知り、学んだことを、これからの暮らしに使っていきたい」
・「伝言ゲームは楽しかったけど、物事を人にわかりやすく確実に伝えるのは難しかった」

お父さん、お母さんからは
・「話を相手に伝えることの難しさを改めて感じた」
・「高度な中身で、子どもたちより私たち大人が実践する内容だった」
・「“人の気持ちになることが大切”という話は子どもや友達にも関わることにも通じ、良かった」
などの感想が寄せられました。

今回は幅広い学年の子どもたちと、お父さん、お母さんたちが一緒に、アナウンサーの仕事を通じて物事を正しく伝えることを学ぶ授業でした。
低学年の子どもたちには少し難しかったかもしれませんが、物事を正しく伝えるためには「相手の気持ちを考えることが一番大切で、そこに自分の気持ちを乗せ、思いを込めて話す」ことがとても大事であることを、子どもたちは学校生活や友達関係で、お父さん、お母さんたちも日常生活で改めて考えるきっかけになった授業だったと思います。

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