25キロ過ぎ…自分で仕掛ける「勇気」
【2018年・大阪国際女子マラソン】
心に残る思い出の実況や名シーンをお届けします。
25キロ過ぎ…自ら「仕掛けた」前田選手
私が振り返る「大阪国際女子マラソン 思い出のシーン」は、2018年、天満屋・前田穂南選手、25キロ過ぎでのスパートです。
この前田選手のスパートがなんで印象に残っているのかと言いますと、その大会の前までの日本女子マラソン界の一つの課題というのが、「自分で仕掛ける」というレースだったんですね。
ただ、途中で仕掛けるというのは中々勇気がいるし、自分の後半のスタミナを考えるとできないんですけれども、この大会で前田選手は見事にやってのけたんですね。
「前田さんの勇気が素晴らしい」
『…お、そしてここで、前田選手がちょっと前に出てきましたね。』
『いいですね~。』
(高橋尚子)
『きましたね。』
(増田明美)
『チャレンジするかな?』
(実況)
『そしてペースメーカーの前に出ました これを見て、ラーマスサが「いや、私が引っ張る」ということで、再び前に出てきていますが、増田さん、この動きどうみますか?』
『いいですね、この前田穂南さんの勇気が素晴らしい。』
(実況)
『さぁペースメーカーをどんどん引き離していきます、高橋さん、これはペースメーカーが衰えたというよりも、前田が出てきてますよね!?』
『そうですね、これがチャレンジなんですね。先ほど増田さんもおっしゃられましたけれども、“意志”を持っている、だから怖いものなくチャレンジする…といった部分がこういった部分につながるんですよね。すごくいい姿だと思います。』
(増田)
『いいじゃない!』
(実況)
『21歳、天満屋の新エース候補、前田穂南がここで単独で前に出ました。』
監督も指示した「仕掛けるスパート」
そして25キロ過ぎに土佐堀通りに入ってくるんですけれども…入った瞬間にドン!といきなり前田選手が抜けてきたので『うぉ!ホントにスパートした!』と思って…。
監督の指示があったにせよ、それを見事にやってのけた前田穂南選手の、あの時の勇気っていうのは、ほんとにすごいなぁと思いました。