京阪全線乗りつぶしの続編です。
前回の「大阪・京都1日観光チケット」には滋賀県内の路線が含まれていなかったので、今回改めて「比叡山延暦寺巡拝きっぷ」を購入し、滋賀県内の路線を完乗するだけでなく、さらにケーブルカーに乗って比叡山延暦寺の巡拝にもチャレンジしました。
この日は大津京駅からスタート。まずは比叡山に向かうため坂本比叡山口駅へ。このチケットには坂本ケーブル駅までのバスも乗り放題なので、坂本比叡山口からケーブル乗り場まで歩けば20分ぐらいかかるところをバスで移動。大正時代に建てられたケーブルの駅舎は趣があり国の登録有形文化財にも指定されています。坂本ケーブルは全長2025mで日本最長のケーブルカーです。なかなかその長さは実感しにくいのですが、関西では京都市営地下鉄の京都駅から四条までがおよそ1800m、大阪メトロの梅田駅から本町駅が2200mなので、だいたいこれぐらいの距離だと想像してください。
最初から日本最長だったわけではなく元々は3番目の長さだったのですが、上位の京都の愛宕山ケーブルや群馬の伊香保ケーブルが廃線になったため、現存する最長のケーブルとなりました。所要時間は11分。ケーブルには珍しく途中に2つの中間駅がありますが、降りる人がいなかったのでスルーして山頂へ向かいました。
山頂の延暦寺駅もレトロな駅舎で、そこから徒歩で延暦寺へ向かいます。この切符は、延暦寺の、東塔、西塔、横川すべてが巡拝できますし、その間を結ぶシャトルバスにも乗り放題なので、ゆっくり延暦寺をまわる人にはかなりお得です。私たちは午後に自宅を出たため時間がなく、東塔周辺のみを参拝しました。
延暦寺の総本堂根本中堂は現在、屋根などの修復工事中でテントに覆われていましたが、中に入ることはできて修復作業の様子をみることもできました。足早に文殊楼、阿弥陀堂、東塔をみてまわり、再びバスに乗り、比叡山山頂へ。山頂からは絶景がのぞめると期待しましたが、展望台からの景色は、若干期待外れでした…。
すぐにケーブルの比叡山駅へ戻ったのですが、この日はゴールデンウィーク中で夕方だったこともあり、駅には下山する客が殺到し大混雑。大阪メトロの御堂筋線のラッシュ時並みのような混み具合で、ケーブルカーからの景色を楽しむ余裕もなく下山しました。
ここから坂本比叡山口駅に戻り、京阪大津線完乗の旅も再スタート。石山寺駅行きの電車に揺られ、京阪大津京を過ぎた辺りで左手に皇子山の球場などが見えてきます。春先には満開の桜に包まれ、滋賀県の名所のひとつになっています。びわこ浜大津駅の手前から、わずかな距離ですが路面電車となり車道との併用軌道を走ります。駅手前の交差点で信号待ちをしてから浜大津駅へ入線。乗り換えなしで終点の石山寺駅まで。駅から石山寺までは徒歩で10分ほどです。石山寺の庭は秋の紅葉シーズンにはライトアップされ、昼間とは違った風情を楽しめます。
石山寺駅から再び、びわ湖浜大津まで戻り、そこで京津線に乗り換え。京津線は、以前は京都市内の京阪三条まで地上を走っていましたが、今は京都市営地下鉄の東西線と直通運転をしていて御陵駅の手前からは地下を走ります。浜大津駅を出発するとしばらくは併用軌道を走る路面電車となります。交差点をおおきく左にカーブし、県道の真ん中を走行。数百メートル走ると今度は右にカーブし、専用線へ。
上栄町駅から先は急勾配を駆け上がる山岳鉄道となります。その傾斜は61パーミル。パーミルは鉄道の勾配を表すときに使われることが多く、61パーミルとは1000m進んで高低差が61mあるという意味です。この区間は急勾配に加えて大きなカーブがあるので、「ギギギー」という車輪と線路が擦れるフランジ音が響き、車体も傾くので大げさに言うと「ジェットコースター」気分が味わえます。御陵駅の手前からは地下に入り、このきっぷでは御陵駅までしか行けないので下車。路面→山岳→地下と短い区間で、それぞれ違った味わいがある京津線。おすすめです!
路面あり
山あり地下あり
京津線
【乗り鉄デスクのノリノリ日記】# 9
(関西テレビ報道局・解説デスク 神崎博)
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