滋賀県内の住宅街。防犯カメラの映像を見ると、黒い服に身を包み手袋をつけた人物が車に乗り込んでいます。
しかしこの人物、車の持ち主ではありません。“高級車窃盗”の瞬間です。
【被害男性】
「セキュリティーが反応して、表まで見に来ると車がなかった状態です」
盗まれたのはおよそ1300万円で買った高級車「レクサス」。実はこの1か月ほど前、防犯カメラが怪しい人物を捉えていました。
暗闇の中、車に近づき後ろ側へ。そしてしゃがみこみ何かを確認しているようです。この行動について被害に遭った男性は…。
【被害男性】
「自分らで“エアタグ”をつけたところ、運転席の後ろのあたりを見ていたので、この車両かどうかっていうのを確認しにきてたんだと思います」
エアタグとは、カギや財布などに取り付けると、スマートフォンで位置を確認することができる紛失防止用の機器。
そのエアタグを何者かがどこかで勝手に被害者の車に取り付けていて、車の保管場所を特定したのではないかとみられています。
盗むのはもちろん犯罪ですが、“エアタグ”を勝手に取り付けることも罪に問われるのでしょうか。菊地幸夫弁護士に伺います。
【菊地弁護士】
「付けた場所や目的次第で罪にもなり得ます。まず“エアタグ装着罪”というものはないんですよね。例えばこれが、ストーカーが相手の車に付けるとストーカー規制法違反で立件できるというようなこともあります。
また、強盗であれば、強盗予備罪という罪もあるんですが、今回は窃盗ということで、なかなか罪に問うことが難しいんですね。ただ、つけるために無断で他人の敷地に入れば住居侵入罪とういう罪も考えられます。法律がこうした先端の機具に追いついていないところもあるかもしれません、もしこういう物を見つけたらすぐに警察へ届け出てください」
(関西テレビ2月22日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)