ゼロコロナ政策が事実上、終了した中国。8日から空港では、海外から入国する際の隔離措置が撤廃されました。しかし、この急激な政策転換によって、中国国内では混乱も起きています。
8日、上海市内の空港。
【森雅章 関西テレビ上海支局長】
「国際線の到着ロビーですが、きょうから強制隔離がないということで、到着者にすぐ会えるということで、こんなにたくさんの人が待っています」
8日から、海外から中国に入る際の隔離措置が撤廃されたことで、到着ロビーで、再会を喜び合う人々の姿が見られるようになりました。
入国した日本人からも…
【中国へ入国した日本人男性】
「ビックリしました。本当にビックリしました!本当にスムーズに出てこれました」
【中国へ入国した日本人女性】
「前回来たとき(去年10月)は、厳しかったので、今回、隔離がないということで、うれしくて安心」
対策の緩和を歓迎する声がある一方で、感染が広がっているとみられる上海市内では…
【中国入国後に新型コロナに感染した日本人】
「会社で出社している人たちも1回感染した人が多いので、気が緩み、マスクを着けていない人も多くいる」
3年ぶりに上海に出張したこちらの男性は、昨年末の隔離期間を経て、1月3日に初出社したところ、翌日に発熱し、その後、新型コロナの感染が確認されました。
【中国入国後に新型コロナに感染した日本人】
「まさか初日にかかると思わず驚いた。今の状況は、上海市内の方が感染(拡大)しているので、外に出た途端にこの状況(感染)なので、怖い」
その上海市内では、こんな動きが・・・
【森 関西テレビ上海支局長】
「街にありました、PCR検査スポットが作業車によって撤去されようとしています」
日常化していた検査場は、1時間余りで撤去されました。
こうした急激な変化の影響からか、ウイルス検査用品の製造工場では、大規模な人員削減や未払い賃金をめぐり、労働者による抗議活動が起きました。
香港メディアなどによると、抗議活動には、およそ2万人が参加したとされ、SNS上の動画では、当局に物を投げつける様子などが見られました。
急激に対策を変えた、中国の混乱は、しばらく続きそうです。