滋賀県の中学校でクラス分けがやり直しになり授業の開始が遅れている問題。 新たなクラス分けの発表が10日、予定されていましたが、さらに延期されたことがわかりました。
■人間関係に問題がある生徒同士を同じクラスでクラス分けをやり直し
11日、取材に応じた、守山市の教育委員会。
【守山市教育委員会学校教育課 大崎寿担当課長】「このようなことは、二度とあってはならないと認識しておりますので、再発防止に努めてまいりたい」
問題が起きた市立守山南中学校では4月5日、3年生381人のクラス分け(11クラス)を発表しました。
しかし、同じ日に、人間関係に問題がある生徒同士を同じクラスにしていたことが、保護者の指摘で分かり、クラス分けをやり直す事態に。
通常授業が始められない中、学校は10日、新しいクラス分けを発表する予定でしたが、再び延期が決まりました。 今回の問題について教育委員会は…
【守山市教育委員会学校教育課 大崎寿担当課長】「全ての生徒たちが、この1年間を安心した学校生活を送れるよう、もう1度、配慮事項を確認する作業をしているので、時間を要しています」
専門家は人間関係の問題を見過ごさない対応は評価できると話します。
【上越教育大学大学院 赤坂真二教授】「明らかに人間関係が悪い状況からスタートすると、その子たちも苦労するし、周りの子たちも苦労するので。(今回のような事例は)起こり得るものだとして、学校は対応を考えることが必要になってくると思います」
学校は12日、クラス分けを発表する予定ですが、通常授業の開始は今も決まっていないということです。
■クラス分けでは「学力・性別・人間関係・運動能力・居住地などさまざまな要素を考慮」
今回の異例の事態について時系列で見ていきたいと思います。
4月5日にクラス分けが発表されましたが、保護者から「人間関係に問題がある」との指摘があり、やり直しとなりました。学校側は「修正する中で、最終的に大事な部分が抜けてしまった」などと経緯を説明しています。
8日に始業式、翌日の9日に授業が開始される予定でしたが、11日まで授業ができない状況となっています。 なお、クラス分けについては12日、発表されるのでないかとみられています。
学校のクラス分けを巡って起きた今回の異例の事態ですが、専門家である上越教育大学の赤坂教授に聞きました。
クラス分けは学力・性別・人間関係・運動能力・居住地などさまざまな要素を考慮して行われるということです。なお、赤坂教授は今回、人間関係を考慮して、クラス分けをやり直すとした学校側の対応について評価しています。
専門家は学校側の対応を評価されているということですが、授業の開始が遅れるなど影響も出ています。
番組コメンテーターの菊地幸夫弁護士は「授業に支障が出ているのは残念だと思います。私も相談を受けてる中で、人間関係の問題はときどき表面化します。一般論ですが、例えばいじめがある場合、いじめてる側といじめられてる側のクラスを分けるとか、クラスが少ないと例えば双子でいじめを受けているけれども、いじめた側とどっちかが一緒にならなければいけないとか、あるいは担任の先生と生徒の間でうまくいかない問題があるとか、多面的な要素が出ていて、保護者側と学校側とで意見が、まだ完全に調整ができていないという状況なのかなと思います。授業が遅れてしまっていることが、人間関係の問題をさらに悪化させるような、要因にならなければいいなと思います」と話します。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「やり直したことはいいことだと思います。これを見過ごしてしまうと、後々にもっと大きな問題になるということがあると思います。一方で、学校の先生にはいろんな負担があるのに、さらにクラス分けで、いろんな要素を加味して、複雑なパズルのような組み合わせをさせることが、先生の負担をさらに増やすことになるのではないかと心配です」
これ以上、生徒への影響が出ないよう学校側の対応してもらいたいと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2024年4月11日放送)