震災後生まれ“4分の1”に 阪神淡路大震災から28年の1・17 各地で祈り…「震災知らない世代」へ“結ぶ”思い 【阪神・淡路大震災から28年】 2023年01月17日
阪神・淡路大震災から17日で28年です。当時を知らない世代が増える中、被災地には、記憶や経験をつないでいこうという思いがあります。
(午前5時46分を告げる時報)
「午前5時46分をお知らせします…黙祷」 あの日から28 年。神戸の東遊園地には、人や思いを結んでいきたいという願いをこめた「むすぶ」という文字がともされました。
【明石市で被災した人(34)】
「この寒さは当時と変わらないことを思い出しました」
【友人を亡くした女性(70代)】
「寒い中で(友人と)2,3時間立ち話して、あくる日は……下敷きになっているのを目の前で見て、いまだにやっぱり思い浮かびますね」
ほとんどの建物が火災に巻き込まれ、およそ100人が亡くなった神戸市長田区の鷹取地区。
新型コロナの影響で中止されていた豚汁とぜんざいの炊き出しが3年ぶりに再開されました。 亡くなった人たちへの思いは今も胸に刻まれています。
【隣人を亡くした 日吉町5丁目自治会長の菅利秋さん】
「おい待っとけよ、助けたるぞと言ったけど、息子と2人で道具も何もないから助けられんと、目の前で亡くなる人見たんや。こんなことほんまに情けない」
8人の児童が犠牲になった芦屋市の精道小学校。 長男と長女を亡くした米津勝之さん(62)は子どもたちに震災の経験を受け継ぐことの大切さを伝えています。
【米津勝之さん(62)】
「1年生だった子供がもう、もし存命であれば35歳。そういうことから、なかなか想像がますますできなくなってるのを実感しています。過去のことだけど、過去のことをしっかり知って、それが今の自分にとってどういう意味を持つかを感じて、そこからこれから自分が生きていく未来を描くのを考えるのが大事」
神戸市中央区でビーナスブリッジでは今年も追悼のトランペットの音色が…
被災地各地では午前5時46分… 神戸市東灘区森南地区の森公園で祈り。
「ドラム缶」の鐘で知られる芦屋市の西法寺など…被災した各地で、あの時に合わせて、追悼の祈りがささげられました。
神戸市では震災後に生まれた人が全体の4分の1ほどになり、震災を経験していない世代が増えています。
記憶と教訓を次の世代に繋いでいくために、1月17日という日に多くの人たちが向き合いました。
今年も被災した各地の小学校などで、地震や津波を想定した避難訓練が行われたり、人や思いを結ぶ歌「しあわせ運べるように」が合唱されました。
【6年生】
「私たちも今、普通に生きられているのも幸せなんだなと実感している気持ちでした」
【4年生】
「これから生きていく中で地震はあると思うので、これに備えて忘れないでおきたいと思います」
【両親が被災(22)】(東遊園地で取材)
「ずっと来るべきだなとは思っていたけど、関係ないなっていうところもあって」「コロナ禍で人とのかかわりが希薄化している中では、より人とのつながりがもっと大事になってくるんじゃないかな、それが一番の防災なんじゃないかなと」
教訓を糧に阪神・淡路大震災で亡くなった方のためにも一生懸命生きていく…
(関西テレビ「報道ランナー」2023年1月17日放送)