大阪で開催の「レインボーフェスタ」に過去最多の2万人 学内での取り組み紹介や情報収集で参加する学生たちも 変わりつつある「当たり前」 2022年10月10日
10月8~9日、大阪市内の公園で性の多様性を尊重し合うイベントが開かれました。会場には性的少数者の理解を深めようとする学生など、若い世代の姿が目立ちました。
自分はどんな性を生きるのか、人とどんな関係を築くのか、その形は人それぞれ、色とりどりです。
「LGBTQ」をはじめとするすべての人の性の多様性を祝福し、分かち合うイベント「レインボーフェスタ!2022」。新型コロナの影響から3年ぶりの開催となり、例年よりも多くの人が訪れました。
【レインボーフェスタ!2022実行委員会 桜井秀人 共同代表】
「小さい子や若い人もたくさん来てくださってるなと思います。差別や偏見の対象でもないのかなと感じることは多々ありますね」
協賛する企業や支援団体などが50を超えるブースを出展する中、前回の2つから6つへと大きく増えたのが、学生たちのブースです。
【アンケートを渡された人】
「制服は自由に選べるってこと?」
ズボンやスカートなど、性別を問わずに制服が選べることを説明しながらアンケートを配っているのは、大阪府立の中高一貫校の生徒たちです。
ニュースなどを見て関心を持ち、LGBTQに関する講演をしたいと、ブースを出して情報を集めていました。
【府立水都国際中学校・高校 杉本一葉さん】
「『自分たちのときはこんなん(選べる制服は)なかった』とか『自分らの時代のときにあったらな』と言われた。昔のことはあまり分からなかったので、その頃のことを聞けてうれしかったです」
神戸大学の学生たちも、学内で理解を広げるために行ってきた活動を紹介していました。
【神戸大学 久保明日香さん】
「私はトランスジェンダーなんですけど、本名だと元の性別を気にしてしまってそれが原因で学業に集中できないところもあり、通称名で通いたいと希望を出しました」
学生たちの働きかけがきっかけとなり、神戸大学では2週間前に、多様な性に関するガイドラインが定められたそうです。自認する性に基づく通称使用が認められたほか、カミングアウトを受けたときの対応やアウティングの禁止などが書かれています。
【神戸大学 久保明日香さん】
「自分がトランスジェンダーだと明かして要望を求めていくことは怖いことですし、もしそれが受け入れられなかったらどうしようという思いはありました。最初はほぼ私一人で始めた活動みたいなものだったので、こうやってみなさんが参加してくださるのはありがたいし、『先生や上司に言うのが怖くても、言ってみたら変わることがあるかもしれないよ』ってことをいろんな人に伝えたいなと思って出展しました」
ブースを訪れた人たちからは「学生さんがこういう活動をしてるの良いな」「自分の頃にあったらなと思いましたし、逆に今できるようになったのがうれしい」といった声が上がりました。
2日間で、過去最多の2万人が訪れたイベントは、パレードで締めくくられました。たくさんの思いが若い世代へとつながり、かつての当たり前が変わり始めています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月10日放送)