猛暑の中、子供が車の中に放置され、命の危険にさらされる例が後を絶ちません。
どうすれば防ぐことができるのでしょうか。
8月3日、検察庁に身柄を送られた長沢麗奈容疑者(21)。
7月29日、神奈川県厚木市内で、1歳の息子を車の中に放置した保護責任者遺棄の疑いが持たれています。
当時、車内には息子のほかに2歳の娘もいましたが、2人ともその後死亡。死因はともに熱中症でした。
悪質な子供の置き去り。しかし、そんなつもりがなくても起きてしまう場合があります。
子供を乗せて車を運転するドライバーおよそ2600人を対象にした調査では、3割にあたる768人が、子供を残して車を離れた経験があると回答しています。
数分なら…と思ってしまいそうな、この行為。
しかし、車内にカギを置いたままドアがロック状態になる「インキー」が起きると、危険な事態になる恐れがあります。
6月には、愛媛県松山市内の民家の駐車場で、母親が目を離した隙に起きた「インキー」で、0歳と2歳の子供が車内に閉じ込められるトラブルが。
その日は猛暑日で、救助まで25分かかりましたが、幸いにも命に別状はありませんでした。
松山西署によると、ロックされた原因は分かっていないということです。
【車に乗る人は…】
「いつも夫が『絶対インキーするな』って厳しいので。(鍵は)体と一体化している状態で過ごしています」
「親の気持ちになると『一刻も早く』って焦ると思います。怖いね」
「インキー」は、どんな状況で起きてしまうのでしょうか。
車のトラブルに対応するJAFに話を聞きました。
【JAF大阪支部 榊原茂さん】
「小さいお子さんはどうしてもぐずることがあります。そんな時に『はいはいはい、これ持っておき』ってキーを渡す、ドアを閉める、荷物を積んで乗ろうとした時に、お子さんが“閉めるボタン”を押してしまう…といった状況ですね」
こういった、ふとしたことから起こる「閉じ込め」。
JAFの実験映像でも、炎天下の車内は、開始わずか10分で37度を超え、当時の外気温35度よりも高くなりました。
【JAF大阪支部 榊原茂さん】
「スマートキーといえども、必ず身に着けていただきたいと思います。予想のつかない事態に備えるために、必ずポケットや自分の身に着けていただきたい。電子機器であっても(過信せず)、絶対自分の身に着けていただきたいと思います」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月4日放送)