“できたて”がすぐ近くまで来てくれると、飲食業界が苦境にあえぐ中でも、成長し続けているキッチンカー!
大阪市だけでも100件以上がことし新たに登録されています。
【客】
「週5日中2日くらいはこういうキッチンカーでみたいな」
「食べに行くことを思えば安いです」
【薄田キャスター】
「12時になって続々と人が集まってきました」
早くも行列が出来ているこちらのキッチンカー。
お客さんのお目当てはオーダーを受けてから焼き上げるアツアツの焼肉弁当です。
【客】
「におい嗅いで、あ、焼肉~って。やられてしまいました」
実はこちら、鶴橋をはじめ3か所に店を構える焼き肉店「白雲台」が2か月ほど前からはじめたもの。
【白雲台 呉龍一社長】
「もう店舗の時代じゃないなっていうのは感じてます。(コロナ禍で)人が集まるなって言われるんですから」
ランチタイムの営業に向け、仕込みは朝7時半から始まります。
お店と同じタレを使い、キッチンカーでも味に妥協はできません。
――Q:なぜキッチンカーを始めようと思った?
【白雲台 呉龍一社長】
「うち店グランフロントにもありますけど、売り上げがやっぱり(去年)4月より93%ダウン。ただ社員もおるんで、そこはやっぱりなんとか守らなあかん立場なんで。店って守りなんですけど、キッチンカーってどっちかっていったら行きたいとこに行って、売りたいもの売るっていう“攻め”かなと思ってるんです」
車の改造費など、開業にかかった費用は約250万円。
それでも新規出店と比べれば格安です。
キッチンカーを導入して攻めに転じたいといいます。
【白雲台 呉龍一社長】
「忘れ物ない?」
【白雲台 スタッフ】
「忘れ物ある…」
――Q:今何を忘れそうになった?
「メインの肉です(笑)」
まだまだ日々手さぐりですが、多い時には1日50食ほど売れていて、お客さんの評判も上々です。
【客】
「キッチンカーは出来立てが食べられるのでいいなと」
「やっぱりいつも同じスーパーとかコンビニだと飽きちゃうので、こういうのはもっと特色があるというか」
そんなキッチンカーの活躍の場が急拡大しているそうで、キッチンカーを支援している会社にお話を伺うと…
【Mellow 増田寛人取締役】
「大学とか公園、あとは商業施設。もう一つは各自治体さんがキッチンカーを使って街づくりをしようというところで、本当にオフィス街だけじゃなくて人の住んでいるエリアへの出店も増えてきています」
豊中市のこちらの団地で行われているのは、飲食店が少ない場所にキッチンカーを誘致しようという実験的な取り組み。
この日はタコ焼きなどのお店と、豊中市内のレストランが営む洋食屋さんがやってきました。
【客】
「時々来てくれたらいいと思いますね。近くまで来てくれたら、買えるじゃないですか。食事作るの大変やからね、食べる人はええけどね」
【客】
「誕生日です。おしゃれなもの食べたいなとか、ちょっと店に行った気分になれるし、食べに行くことを思えば安いです」
洋食屋さんのメニューはレストランのシェフが腕を振るう本格的なものですが、値段はどれも1000円以下。
キッチンカーは少人数でコンパクトに運営できるためかかる経費が少なく、お店と同じ味わいをリーズナブルに実現できるんです。
しかも出来立て!
【豊中市 都市経営部 創造改革課 上田正彦主事】
「コロナの感染拡大っていうところで、なかなか遠くにいけないっていうことがあって、徒歩で美味しいご飯が食べられるっていうものを提供することで、市民生活が向上すればいいなと。やってみるとすごいお客さん来て頂いて喜んで頂いているので、ニーズがかなりあるなと実感している」
そんな中、驚きの新サービスが登場しています!
訪ねたのは大阪市に住む河野さん。
この日、結婚9周年の記念日を迎えました。
――Q:これまで結婚記念日はどのように過ごしていた?
【河野さん夫妻】
「外に出ていつもよりちょっと高めのご飯を食べに行ってたんですけど、コロナ禍の状態で外食をしに行くのが難しくなってきてて」
記念日をお祝いしたいけど、外食はためらわれる…。
そんな河野さん一家が利用したのが、自分たちだけのためにキッチンカーが来てくれるという「シェフズキャラバンヨコヅケ」です。
大阪市内で飲食店を8店舗運営している会社が5月からはじめた新サービス。
派遣されるのは、普段はお店で働くシェフです。
提供するのはイタリアンのコース料理。
今が旬のスズキと、中華料理でおなじみの空心菜を使ったパスタや、夏野菜がたっぷり乗ったもち豚のローストなど、どれもおうちでは作れないような一品です。
【シェフズキャラバン ヨコヅケ 原由香里さん】
「パスタとかテイクアウトも出来るんですけど、伸びたりもするんで。キッチンカーで作って、目の前で作ってすぐ提供できるので、いい状態で食卓に並ぶのはうちらとしても理想とする形」
キッチンカーで作ったできたての料理は玄関先まで届けます。
【河野さん夫妻】
「カンパーイ。おいしい!」
――Q:家でこういうお料理を作ったり食べたりは?
【河野さん夫妻】
(妻)「なかなかしないですね」
(夫)「すごい気楽です、やっぱり。お店で食べると緊張じゃないけど」
(妻)「いい服着て行かんでいいしな」
そして、奥さんには内緒でこんなサプライズも…
自分たちだけのためにシェフが腕を振るった料理。
それを自宅で楽しむ贅沢な時間を過ごしました。
気になるそのお値段は…
【河野さん夫妻】
「ランチで1人 3240円から(税込み)。すぐ頼もうって思いましたね」
【シェフズキャラバン ヨコヅケ 原由香里さん】
「気軽に利用してもらわないと意味がない。あとはコロナが静まったところで色んな店舗に足を運んでいただけたらなと。うちらが宣伝隊として動いている」
食材は多めに積んできているので、追加オーダーやリクエストもOKなんだそうです。
【河野さん夫妻】
「毎日来てもらってもいい!」