11日、陸上自衛隊の駐屯地で、料理の腕前を競う「炊事競技会」が開かれました。
災害支援などで、短時間で大量の食事を作る機会も多い自衛隊の各部隊が、「カレー」をテーマに工夫を凝らしました。
陸上自衛隊・千僧駐屯地で、足並みを揃え、整列する隊員たち。
「気をつけ! 炊事競技会、実施します!」
「実施せよ」
号令とともに始まったのは、「第3後方支援連隊・炊事競技会」です。
各部隊から6チームが出場し、カレー、サラダ、スープのお題で、出来栄えを競います。
【輸送隊の組長】
「調理終了、一二〇〇。その際アピール要員、松山二士」
まずは各組長から指示が下されます。
味や盛り付けだけではなく、実はこの部分も自衛隊ならではの、評価の基準となっています。
【審査員 松永雅貴准尉】
「役割分担をしっかり認識して、長は部下に命令・指示を徹底して、部下はそれを確実に完遂して長の手足となって、チーム一体として働くところが我々の特色だと思っております」
それぞれの隊員が責任をしっかり果たし、事前の計画通りに作業を終えることも、審査のポイントです。
特殊な調理器具を使いながら、各チーム、着々と工程を進めていきます。
慣れた手つきでタマネギを切っていく男性隊員。
日頃の訓練で培われた包丁さばきかと思いきや…。
「家でやらされてるんで。イクメンなんですよ」
このチームは、カレーに何かを入れています。
「チャツネです」
また別のチームでも…
「コクと深さを出すために、焼き肉のたれとコーヒーを入れました」
ルウや具材などは共通ですが、味付けで差を出すために、それぞれ隠し味を工夫しています。
「調理終了、調理終了」
全6チーム、趣向を凝らした料理が出来上がりました。
幹部たちが試食、採点します。
【連隊長 三宅睦一佐】
「全然味が違うんで。ごはんの炊き方も全然違うんで、採点がしやすいです」
そして、調理中の様子なども併せて集計した結果…。
「炊事競技会優勝、補給隊」
焼き肉のたれとコーヒーを隠し味に使った補給隊のカレー。
若い女性隊員の感性を生かした盛り付けも、高い評価を得たようです。
【補給隊の組長】
「各人がそれぞれプロ意識を持って、やるべき任務をそれぞれが果たしてくれたおかげだと思っています」
「補給隊、2連覇取ったど!」