東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
今回は日本維新の会・幹事長の馬場伸幸氏。堺市議を経て2012年に初当選し現在3期目。
9月に誕生した菅政権について。
連立は、そして松井一郎市長の衆院選出馬はあるのか。
そして11月に迫った「大阪都構想」の住民投票への思いまで聞きました。
自公維政権は? 連立入りする考えは、あんまりない
菅総理と蜜月関係とも言われる日本維新の会。新政権とはどのように対峙していくのか。
――Q:菅政権が誕生しました。維新のスタンスは?
政府与党とは「是々非々」でやってきましたので、国民のためになることは協力するし、国民のためにならないことは反対する。法案については修正協議もかけていく。
お前のところは与党なのか野党なのかと、よく悪口を言われますが、与党とか野党という色分けのために政治をやっているのではなく、国民の代表として政治をやらせていただいている。これまでもそうでしたし、菅政権になってもダメなものはダメ、良いことは良いという対応です。
個人的な印象は、隅々まで目を届かせて気配りをされる政治家。
初めてお会いしたのは、堺市会議員時代でした。名刺交換での第一声で、「あなたがあの有名な馬場さんですか」とおっしゃった。普通の国会議員だったら、名刺を受け取って、「あー、そうですかー」という感じですよ。菅さんは、人の心をつかむのが上手やなと思いましたね。
――Q:「自民・公明・維新 連立政権」の可能性は
我々は基本的に、保守の二大政党制が国家と国民のためになると信じている。今の立憲民主党には、そういう気は全くない。野党第一党で、安泰でおれたらいいわと旧社会党みたいな考え方のように感じる。僕らは自民党と対峙する政党を目指して今までやってきているので。メディアの方は自公維の連立政権とか言うけど、松井代表はじめ我々はそういう気はあんまりないんですね。
今の国会って、野党はスキャンダルとか、揚げ足取りとかにご執心で建設的な議論を全くやらへんわね。まだ地方議会の方がマシなんちゃうと、僕は国会にきて感じたんです。国会は一つのテーマに対して、A案とB案と案を出して闊達な議論でブラッシュアップしていくべきで、それが国家国民のためになる。いま見ててもそんなんちゃうでしょ。
今まで数々の小政党が生まれて消えていたけど、自民党と連立すると最後は吸収されて消えていくことになる。それでは二大政党にはならないので。だから、連立を組むつもりはあんまりない。
――Q:松井市長の衆議院選出馬の可能性は
去年、知事と市長のダブル選挙をやったので、2023年にダブル選挙をやらないといけない。大阪都がスタートするのは2025年。都構想の具体的な制度設計、都構想に向けた準備は行政ベースで出来る話だから2023年で大阪市長を辞めていただいて、国政に来ていただいたらと。これは個人的な希望ですが(笑)
“大阪都構想” 長期的な視点で大阪を押し上げる
――Q:いわゆる”大阪都構想”の住民投票が迫っていますが
明治維新以降の統治機構の大改革だから必ずやり遂げるという思いで、取り組んでいる。
現状は例えるなら、大阪市の中に「大阪本社」と「大阪本店」があるわけだから、どう考えても無駄よね。会社でそんなことありえない。
東京一極集中が進む中で、全国から税金を集めてそれをひも付きで地方に配分していて、地方が頑張れば頑張るほど、自分らで稼ぐようになればなるほど、国からもらえる金が下がっていく仕組みになっている。それでは誰も頑張らへんわね。知事も市長も国の方見て国から言われることやってたらいいやんと、どうしてもそうなってしまう。今のスタイルじゃ長持ちしないことは明らか。
――Q:勝敗を分けるものはなに
5年間、大阪都構想の運動をやってきていますが、統治機構の話というのは、説明しても分かりにくいわね。行政の仕組みの話だから。いかにそこをわかっていただけるか。
大阪都構想が通ったからと言って、いきなり次の日から、市民の皆さんの身の回りがすごい良くなるとか、そういうものではない。この10年間で大阪がどう変わったかを訴えさせていただく。
――Q:制度にはメリットデメリットがあると思う。維新側から見てデメリットは?
あるかなあ。ないと思うけどね。
――Q:大阪市民の目線で見る都構想と、府民の目線で見る都構想は全然違うと思うが?
大阪市民以外の府民は、大阪市ばっかり良くなるやんかと、そういうことをずーっと経験してきている。地下鉄にしても高速道路にしても、大阪市内だけ充実していくやないかと、なんで我々のところは良くなれへんねんということを経験してきている。
ただ、大阪市民からしても、大阪府全体がよくなったら、暮らしの部分もビジネスの部分もいいことの方が多い。長期的に見たら大阪全体が押し上げられる。
――Q:反対派は一例として、市民プールが24か所から9か所に、スポーツセンターは24か所が18か所になるなど市民生活に影響があると主張している
24あるプールを未来永劫守り続けないといけない理由がよくわからない。どんどんどんどん人口が増えて、税収が右肩上がりの状況なら、そんな考えもあるかなと思うけど、これから減っていきますから。
反対する人たちは今日・明日の話をする。そういうのは市民の耳にも入りやすいと思う。
子孫のための街づくり、国づくりという視点で考えてほしい。