29日、衆議院選挙後、初めての閣議が開かれ、落選した大臣も出席しました。
過半数を下回った与党…。一方の野党はどのような対応を考えているのでしょうか。
■大臣2人が落選 過半数下回る与党 連立も視野?「協議を始めていかねばならない」と首相
選挙後初めて開かれた閣議。
そこには落選した2人(牧原秀樹法相、小里泰弘農水相)の大臣の姿もありました。
【小里泰弘農水相】「きょうは(石破首相に)おわびを申し上げました。任務を続けていけなくなって申し訳ありませんと」
落選した小里農林水産大臣は、辞任の意向を示していますが、首班指名選挙が行われる特別国会の召集までは、続投する見込みです。
過半数を下回った政権与党。
石破総理は28日、新たに野党と連立を組むのかという質問に対して。
【石破茂首相】「今この時点で連立ということを想定しているわけではございません。よく(他党と)協議をすることから始めていかねばならない」
その一方で石破総理は、「議席を大きく伸ばした党が選挙でどのような主張をし、国民の共感・共鳴を得たのかを分析する」と述べ、野党の考えを取り入れる姿勢を示しました。
■議席4倍の国民民主党「連立には参加しない」「新しい与野党の文化作らなきゃ駄目」
その議席を大きく伸ばした党はというと…。
【国民民主党 玉木雄一郎代表】「所得税の控除を拡大しようというのは他の野党・与党も含めて言っていないので。そこに期待してわれわれに(票を)入れてくれたということは、そこはまず実現に向けて最優先で取り組むべき」
衆院選で「手取りを増やすこと」を掲げ、議席が一気に4倍となった国民民主党。
玉木代表は29日、その政策の実現に向けて動き始めていると明かしました。
【国民民主党 玉木雄一郎代表】「今、自民党さんだけではなく、立憲民主党さん、あるいは維新もだと思いますがそれぞれ幹事長・国対委員長、つかさつかさ(各所)で、色んなコンタクト・情報交換をしていると報告を受けています」
また、連立には参加しないと明言。 首班指名選挙では石破総裁の名前でも、野党第一党・立憲民主党の野田代表の名前でもなく…。
【国民民主党 玉木雄一郎代表】 「書くのは“玉木雄一郎”です。自民党・公明党は足りないんであれば、われわれ野党側の意見も丁寧に聞くこと。そして野党側も、ただただ反対するんじゃなくて、必要だったら協力するという、新しい与野党の政治文化を、ここで作らなきゃ駄目なんですよ」
強大な連立与党を誕生させるのではなく、「少数与党」と野党とが話し合って政策を実現することになるのか…。
今後、国会運営はどうなるのでしょうか。
■少数与党で政治のあり方が大きく変わる
自民、公明が連立を組まない、少数与党の可能性もありますが、そうなると政権が不安定になると言われています。
【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「調整に時間がかかったり、不安定というデメリットはあるかもしれませんが、メリットもあると思います。今までは自公が過半数をとっていたので、極論すれば、どれだけ法案とか予算を野党が反対しても、数の論理で通せてしまう。
となると、野党側からは建設的な議論ではなくて、足元のスキャンダルを糾弾して、少しでも人気獲得、自公の人気を下げることに国会がだいぶ使われてきたという経緯があると思います。
今回は、より中身のある法案自体の審議とか、予算自体の審議を行うことで、アピールしていかなきゃいけなくなるわけです。これが政治のあり方を大きく変えるきっかけの1つになるかなと思っています」
政局の動きも大変注目ですが、私たちの声が届きやすい政権になることを期待したいと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2024年10月29日放送)