兵庫県の斎藤知事をめぐるパワハラなどの疑惑に関して、弁護士で構成された第三者委員会は19日、結果を公表しました。
結果をまとめた報告書では、大声で職員を叱責するなどした行為について、「パワハラ」と認定したほか、告発者を処分した県の一連の対応について「違法であり、極めて不当だった」と強く非難しました。
これについて、県議会の各会派は、「まずは知事がどう受け止めるか」などと知事の対応を待つ考えを示しました。
一方、斎藤知事と政策面で一致するところが多いとしていた、「躍動の会」の増山幹事長は「議会の自主解散を主張する」と意向を示しつつ、「想定していたより違法性の言及があった」とも述べ、会派で対応を検討する考えを示しました。
(躍動の会は、NHK党立花党首への情報提供で維新を離党した3県議の会派)
■自民党「しっかりと受け止めていただくことを求める」その後の対応は「どう受け止めるかによって」
【自民党 北野実幹事長】「第三者委員会は相当、中立性・公平性も含めて客観的な判断を持って結果が出たことですから、我々が議会として出した百条委員会の報告書と同様に、しっかりと受け止めていただくことを知事はじめ当局にも強く求めます。 パワハラ案件に関しては、一つ一つしっかりと検証されて、その結果というのを書かれていましたので、的確な判断をされているなという印象があります」
(Q.今後の議会としての対応は?)
【自民 北野実幹事長】「まず知事自らが当然のことながらこの判断をどう受け止めるかによっての対応になってくると思います」
(Q.辞職勧告決議案や不信任決議案は選択肢に?)
【自民党 北野実幹事長】「いやいや、まだまだ具体的なことを考えられることは…(ない。)今のところ何の議論もしていないですし」
■維新 知事は「報告書を呼んで自分の言葉で県民に説明を」
【維新 門隆志幹事長】「パワハラが結構な数が認定されている、公益通報者保護法のところでも違法性が指摘されているということを認識しています。
(斎藤知事には)先日の百条委員会の報告書と今回出てきた報告書をしっかり読んでいただいて、今後どうするか考えていただけたらなというふうには思っています。
まずは知事がどうされるのか。県としてどういう再発防止であるとか、どのような対応をするのかっていうのを見守りたいなと思っています」
【維新 門隆志幹事長】「(第三者委員会の)会見を見ていると、『知事個人の責任を問うものではない』というような話も出ていましたし、『県の職員が多少のパワハラを受けても、なんとなく頑張ってきた』っていうようなことも書かれて、『こういう職場はだめよね』という指摘がされているようなことも認識していますので、例えば知事一人の責任で、知事が辞めて、ほかの人になったところで、今回のこの問題は解決するのか。
兵庫県の働き方として伝統的にやってきてたものが、今の時代に合わないという指摘をされているのであれば、知事としての責任で、何らかの再発防止であるとか対応は考えていただきたいなというふうに思います」
「今まで知事は、『厳しい叱責はしたけども、世間で言われているパワハラにはならない』というような認識をお持ちであったと思うんですが、『そうではない』という指摘をされました。
なので、まず、どこが間違っていたのか、まず読んでいただいて、どの部分が指摘されたのか、一番本人がお分かりだと思いますから、まず読んでいただいて。自分の言葉で皆さんに、県民に説明していただきたいと思います」
■公明党「謙虚に受け止めて」
【公明 越田浩矢幹事長】「議会としてはやはり百条委員会の提言をどこまで受け止めていただけるかというのが一つポイントだと思っておりますので、さまざまな提言をさせていただいているのを、一つでも多く実行していただきたいなというふうに思っています」
【公明 越田浩矢幹事長】「どうしても知事としては、自らの誤りを一つでも認めてしまうと、前回の不信任の時の会見等でも言われたと思うんですけれども、道義的責任を認めてしまうとやっぱり職を続けられない、みたいなお考えをお持ちなのかなと思いますけれども、そうではなくて、やっぱり自分の非を認める部分は認めていただいて、改めるべき点は謙虚に改めていただくという姿勢が分断している世論ですとか、議会との関係も含めて前に進めていけるきっかけになると思いますので、そこは謙虚に受け止めていただきたいなと思います」
■ひょうご県民連合「辞職を求めるとか不信任を出すとか 可能性としてはある」
【ひょうご県民連合 迎山志保政調会長】「しっかりと調査していただいて、踏み込んだ表現もあるなと思っております。全体としてすごく職員さんの気持ちですとか、県民の目線・県民の立場に立ったような調査報告書になっているなという印象を受けました」
「パワハラ認定がなされたということは、大きなことであるなと感じておりますし、これをもって知事がどのような見解を述べられるのかということに、しっかり注目していきたいなと思っております」
「特に元県民局長に対する処分については、不適切だったということですから、これに関しても、これからどのように、懲戒処分の撤回であるとか、踏み込んだ対応されるのかというところにも見ていきたいなと思っております」
「『百条委員会の報告と、この調査報告書を待って』、ということで知事はこれまで言ってきました。『法的には問題ない』ということも繰り返されてましたけれども、この報告書で一定、『違法である』、『不適切である』ということを言及されていますので、(知事)ご自身がまずは対応を考えることがもちろんなんですけれども、その対応を受けて、議会としては知事に辞職を求めていくだとか、不信任決議案を出すとか、そのようなことになることも可能性としてはあるのかなと思っております」
■躍動の会「知事がどう受け止めるか」「想定していたより違法性の言及」「議会の自主解散主張も」
【躍動の会 増山誠幹事長】「パワーハラスメントを認定するという内容がかなり含まれていたということと、公益通報者保護法については、違法という言葉も散見されたということで、かなり突っ込んだ内容になっているのかなと思いました。知事がこれを見て、どう受け止められるのかなというところではあります」
(Q.議会として、不信任など検討は?)
【躍動の会 増山誠幹事長】「内容を精査しながら、これから考えていこうかなと思います。百条委員会が始まって、結論が出ていない中で、不信任案が可決されたという流れ、これは反対討論の中でも申し上げましたけれども、外形的中立性・公正性が失われているのではないかと、構造的な欠陥があるというふうに述べました」
「通常であれば第三者委員会の報告書の提出までを待って、不信任案を提出するのが筋であったのかなというふうに思います。で、一度不信任は決議しておりますので、これを第三者委員会の報告書をもって、『もう一度』をどうするかというのは、なかなか不信任というのがいいのかどうなのかっていうのは、現段階では私としては正しいと思わないですので、やるのであれば自主解散。議会の自主解散ということで主張していこうかと今思ってますけれども」
「ただ内容が私の想定していた以上に、違法性に関しての言及があったと思っているんで。それを見て今後どういった方針にしていくのかっていうのは、会派内で検討していきたいと思います」
「我々としては斎藤知事が行ってきた、そしてこれから行おうとしている政策について、賛同の意を示しておりまして、目指す方向性と非常に近しいということで申し上げておりますので、第三者委員会の報告書によって何か変更するというようなことはないと、私は思っています」