元大阪地検のトップが性的暴行を加えた罪で起訴された事件をめぐり、国は地検トップの部下だった50代の女性副検事を戒告処分としました。 北川健太郎被告(65)は大阪地検の検事正だった7年前、酒に酔って抵抗できない状態の部下の女性検事に性的暴行を加えた罪に問われています。 事件をめぐっては、北川被告に捜査情報を漏洩したなどとして同僚の副検事も告訴・告発されていました。 被害者の女性検事を支援する団体は2人の厳正な処罰などを求め、およそ5万9000筆のオンライン署名を大阪高検と最高検、法務省に提出していました。
■国家公務員法違反などの疑いは認められず
国は北川被告の部下だった副検事(50代女性)が、「複数の同僚職員に被害者氏名を伝達した行為は性被害の高度のプライバシー情報を第三者に伝達したことで、被害者の心身に悪影響を及ぼす言動だった」として、『戒告』処分としました。 一方、大阪高検は国家公務員法違反などの罪で副検事に対し告発・告訴されたことを受けた捜査では「副検事が元検事正と直接、連絡をとった形跡はなく、また口裏をあわせが行われた事実も認められなかったとして」『不起訴』処分としたことを明らかにしました。
■副検事側は「不当な処分」
処分を受けた副検事の代理人は「弁護士に対する正当な法律相談や同僚としての配慮に基づく行動等であり、いずれも悪意によるものではなく不正を意図したものではない」としたうえで、「処分は、事実関係の誤った評価に基づいて判断されたもので不当」とし、法的手続きを通じて処分の不当性を争うとしています。
■被害者側は「身内びいきの不適切な処分」
処分を受け、被害者の女性検事の代理人は「被害者をひどく苦しめる二次被害をも与えるものだと認識しており、懲戒免職相当の非違行為であるにもかかわらず、最も軽い訓告処分で済ませた」とし、「検察庁の対応は、検察庁に対する国民の信頼を損ねるものであり、また身内びいきの不適切な処分だと考えている」とコメントしました。