大阪地方検察庁のトップ検事正だった北川健太郎被告が、部下だった女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている裁判。
北川被告は初公判で起訴内容について、「争わない」姿勢を示していたものの、10日、弁護人が記者会見し、「同意があると思っていた」、「抗拒不能だったか疑わしい」として、一転して無罪を主張する方針を示していました。
一方被害を訴える女性検事は11日の会見で、当時、「酒に酔い、両脇を抱えられる状態。タクシーでも眠りかけていた」と話し、つまり物理的に抵抗することは難しかったこと、被告は当時大阪地検のトップ・検事正で、800人の部下を束ねる「王様だった」などとして、「物理的・心理的・立場的にも抗拒不能だった」と改めて主張しました。
12日、「newsランナー」に出演した安藤優子さんは 「酔っぱらうのは誰にでも起こりうる状況で、抵抗ができなかったかどうかはちゃんと認定されなければいけない」と話しました。
■「抵抗ができなかったかどうかはちゃんと認定されなければいけない」
【ジャーナリスト 安藤優子さん】「『胸が締め付けられるような』って、感情で言えば、もうその通りですよ。今、本当に泣きそうですから。でも感情論を言うことで、被害女性を助けることにならなくなるといけないので封印します。
とても大切なことの一つは、酒に酔った女性が抵抗できないことに対して、『お酒に酔ったお前が悪いだろう』という一部の指摘があるんですよ。
でもそうではなくて、お酒を飲んで酔っ払うことは誰にでも起こりうる状況で、それが故に抵抗ができなかったかどうかはちゃんと認定されなければいけない。
(女性検事は)『居合わせた人がちゃんと証言をしていて、女性検事は机に突っ伏していた、両脇を支えられないと歩けなかった状況があったことを、被告本人も見ていたはずだ』と言っているわけです」
■「『不同意』の理解が今後のポイント」
さらに安藤さんは、女性検事が記者会見で「不同意」について、検察官ですらも認識が誤っていると訴えたことを受けて、次のように述べました。
【ジャーナリスト 安藤優子さん】「司法の専門家たちが『不同意』について、きちんと理解していないんじゃないかともご指摘されていて、私はそこが一番の今後のポイントになっていくんじゃないかと思います。きちっと決着をつけてほしいと思います」
■現職検事のコメントも 「今の検察幹部にも被害者保護に意識の低い人がいる」
【関西テレビ 加藤さゆり解説デスク】「女性検事が11日の会見で、ほかの現職検事のコメントについても触れていて、『今の検察幹部にも被害者保護に意識の低い人がいることが事実であって、非常に残念である』と。自分自身が検事なので『検察庁という組織に失望し、人前で言えなくなった』っいうコメントもあるそうです。
女性検事も副検事から二次被害的なことを受けていることもあり、『適正な捜査と処罰を求めている』とも訴えていらっしゃいました」
(関西テレビ「newsランナー」2024年12月11日放送)