おととし、大阪府堺市で母と娘が殺害された事件で、逃亡先のブラジルで起訴された夫の裁判の証人尋問が始まっています。
証人として参加した女性が、裁判に至るまでの思いを明かしました。
おととし8月、大阪府堺市のマンションで荒牧愛美さん(当時29)と当時3歳の娘・リリィちゃんが殺害されました。
事件後、夫でブラジル国籍のバルボサ・アンデルソン・ロブソン被告(35)はブラジルに逃亡し、去年7月に現地で逮捕、その後起訴されました。
■現地の法律で裁かれる「代理処罰」が適用されている
事件発生からおよそ2年。
ブラジルの検察当局は先月26日から4日にかけて非公開の証人尋問が行われると発表しました。
バルボサ被告には、現地の法律で裁かれる「代理処罰」が適用されていて、証人が全員日本にいるため、尋問はリモートで実施されます。
証人として1時間ほど荒牧さんの友人が尋問に参加し、遺族と相談の上で関西テレビの取材に応じました。
遺族はいまも精神的に辛い状態だということです。
■「大きい存在だった」と荒牧さんの友人
【荒牧さんの友人】「(荒牧さんは)自分の中ですごく大きい存在だったと思う」
この日は、家に飾っている2人の写真と荒牧さんからもらったお揃いのブレスレットを持って証人尋問に臨みました。
【荒牧さんの友人】「犯人が本当に重い処罰になるように、本当に彼女がどれだけ子供を愛していて、どれだけ素晴らしい女性で、どれだけ可愛い子供だったかと、裁判官に伝わるようにしっかり自分の気持ちをもって証言しないとなと思ってました」
■「代理処罰」という制度に不信感
遠く離れた場所のうえ、通訳を交えて行われる「代理処罰」。
これまで、裁判の流れについて詳しい説明がなかったことや、バルボサ被告の弁護士の都合などで証人尋問が延期されることもあり、「代理処罰」という制度に不信感を抱いたと話します。
【荒牧さんの友人】「あまりにも代理処罰をするってなっても、連携が取れていない。 日本とブラジルが。彼女が子供を殺したとか。自分の罪が軽くなるために発言をありもないことをしているんですけど、いい加減に罪をちゃんと認めて罪を償ってほしい」
4日には被告人質問が行われます。