12日午後、日本維新の会の吉村共同代表が記者会見を開き、代表選挙に出馬することを表明しました。
現在の党執行部に内部から批判が相次いでいた維新。吉村氏の出馬をめぐっても、様々な声があがっています。
日本維新の会の代表選挙に出馬するのか、否か。動向に注目が集まっていた吉村洋文共同代表が、12日午後3時、態度を明らかにしました。
【日本維新の会・吉村洋文共同代表】「代表選に出馬いたします。これは非常に強い危機感に基づくものです。国政政党として、ある意味消滅の危機だと思っています」
吉村氏の表情が固いワケは、いま、日本維新の会に逆風が吹き荒れているからです。
■衆院選では比例票をおよそ300万票減らし、全国への党勢拡大に失敗
現・馬場代表体制で臨んだ10月の衆議院議員選挙では、大阪の小選挙区で全勝した一方、比例票をおよそ300万票減らし、全国への党勢拡大に失敗しました。
【日本維新の会・浅田均参院会長】「今回の大惨敗の責任を取って、代表は辞意を表すべきだと思っています」
これ以外にも、党の執行部の責任を問う声が多数あがり、「内紛状態」に…
その後、代表選の実施が決まり、馬場代表は「責任を取り出馬しない」と明らかにしています。
■吉村氏を推す声が、維新の国会議員から上がっていた
では誰が次の代表に?取材をすると吉村氏を推す声が、維新の国会議員から上がっていました。
【大阪選挙区の衆院議員】「数日前、大阪の複数の衆院議員で吉村さんに出馬を要請しました。吉村さんは大阪の初期からの改革を知っている仲間。地方分権などを訴える改革政党として原点回帰する意味でもふさわしい」
一方で、大阪以外の国会議員からはこんな指摘が…
【空本誠喜衆院議員(広島4区)】「『身を切る改革』は大阪では通じても、地方や都心では全く通じない。全国の地方議員から『大阪からの呪縛を解いてほしい』という意見を多く聞いている」
「呪縛」と、強い言葉で危機感をあらわした空本議員は、代表選への出馬を目指す考えを示しています。
■「会議はリモートでいい」と吉村氏
批判の声について吉村氏は…
(Q現職の大阪府知事が代表になると、より大阪色が強くなるのではという声もあるが?)
【日本維新の会・吉村洋文共同代表】「橋下さんも、松井さんも代表としてやっていましたのでね。国政政党として存在意義はどこにあるか、僕なりに追求したい」
代表になった場合の執行部の体制については、さっそく「改革案」を展開。
(Q:共同代表を国会議員に置く?)
【日本維新の会・吉村洋文共同代表】「当然、共同代表を置くことになると思います。 でももうね、テレビみたら、永田町で党首会談、立派な椅子でいつも同じシーンあるじゃないですか。あれである必要あるのかなと思う。リモートでいいじゃないですか、リモートで」
■代表戦には、松沢成文参院議員と金村龍那衆院議員も出馬の意向
代表選には、松沢成文参院議員と金村龍那衆院議員も出馬を目指すとしていて、12月1日に投開票が行われます。
吉村氏の代表選出馬について、さまざまな声があがっていました。
大阪維新の会の重鎮からは、「地域政党に戻るのか?他にいないから吉村氏なのか?本来なら国会議員がなるべきだろう」という批判的な声もありました。
■「政策でリードできるような新しい維新の姿を期待したい」と安田教授
【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「いろんな批判の声があるとは思うんですけれど、地域政党に戻るのかということに関して言うと、ある意味、大阪という地域に根ざした国政政党という個性とも受け取れると思うので、これは悪い面ばかりではないとは思うんです。
今、自公政権が過半数取れていないので、小数与党の中で、政策の中身が非常に議論されている。国民民主がいくつか提案している政策が連日報道されていますよね。
政策を通じて、維新の取り組みを発信できる状況に現在ないと思うんです。吉村さんがもし代表になれば、政策でリードできるような、新しい維新の姿を期待したいです」
吉村氏は知事として、来年は万博の仕事もあります。党の代表は務まるのでしょうか?
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「松井さん(前代表)は知事とか市長と兼ねて、国政政党の代表もされていたので、そこは問題ないんじゃないかなと思いますけれども、国政政党は東京に本部があって、国会議員が代表を務めるのが型のようになっています。維新は本部も大阪にありますし、代表も大阪の知事であって、地方を代表するという意味で、ひとつぐらいそういう政党があってもいいんじゃないかなと思います」
日本維新の会の代表戦は、11月17日告示、12月1日投開票です。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年11月12日放送)