今回の衆院選の結果や今後の政権運営について、政治ジャーナリストの岩田明子さんの見解を伺いました。
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「自民党は過半数割れするだろうけど、与党はギリギリ過半数維持かなと思っていました。序盤は過半数行きそうだったんですけれども、2000万円報道が出てから、全国で影響が出てきて、ガラッと風向き変わりましたね。 長崎で応援に入っていた高市さんも、『急に行き交う人たちの空気が冷たくなったわーっ』て話してましたんで。これは、空気が変わったなって感じましたね」
(Q:石破総理は今後、政権運営の厳しさが増しますよね)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「いばらの道だと思います。国民民主党の気持ちがパッと変わって、不信任案を突きつけられたらそれまでですので、本当に大変だと思います」
(Q:石破首相は、まず国民民主党に党首会談を持ちかけているわけですよね?)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「そうですね。ちょっと維新の方も、党内難しい状態になっていて、国民民主党は政策が一致してる部分が多いですので。 特に玉木さんは、ポストではなくて政策が欲しいという風に主張してました。 『103万円の壁』とトリガー条項に照準を絞って発信をされてたので、それであれば政策本位の議論もできるだろうということで、とりあえず国民民主党に政策協議を持ちかけて、党首会談をやるということですね」
(Q:国民民主党の『103万円の壁』などの政策は、通りやすい土壌ができたのか?)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「はい。ただ財務省に昨日取材をしてみたら、この『103万円の壁』も手取りを増やすのはいいんだけれども、178万円まで引き上げてしまうと、税収が7兆円以上不足をするということになるそうです。 果たしてそれが本当に国民にとっていいんですか?ということで、段階的にやるのか、それとも他の財源、例えば防衛増税とか少子化対策とか、こちらの財源の議論とセットで抱き合わせだという人もいるわけですね。 このあたりの話し合いを一歩ずつやってかなきゃいけないんですね」
■自民党は、無所属で当選した裏金議員の自民党会派入りを要請
自民党の次なる手として、無所属で当選した裏金議員の自民党会派入りを要請しています。
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「27日までは追加公認するというと執行部も言っていたのですが、追加公認に対する批判が強まったんで、会派入りに変えたんですね。 でもやっぱり西村さんもこの早く処分を解除してほしいと言ってましたんで、全員多分すぐに追加公認だと思ってたんですけれど、ふたを開けたら世論が違ってたんで、もう少し待たされるという状況になって。 もうちょっと反発するかなと思ったら、処分を全うしますとおっしゃってました」
(Q:この方々が会派入りしたとしても過半数に届かないのか?)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「ほかにも無所属の方に声をかけていて、 2人会派入りはするんですけど、まだ届かない。 となると、国民民主か、維新かという話になってくるんですね。 もっと話を進めようと思って森山幹事長は、政調会長レベルで常設の協議体を作ろうとしたんですけど、否定されてしまったんで。 政策ごとに1つずつという形で、これまた骨の折れることなんですけれども、1歩ずつ、1歩ずつ進んでる状態です」
■「政策活動費」廃止の議論は
(Q:石破総理が党内をまとめる動きというのは、今後どうなっていきそうか?)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「特別国会の前に両院議員懇談会が設定されて、今回総選挙の総括をしますので。ここで 多分ボコボコに言われるでしょう。 その時に、自分のどこがいけなかったのかっていうところを真摯に聞いて、それでも協力してくださいと言って、党内をまとめて野党との協議に向かうしかないんです」
(Q:政策活動費については?)
【政治ジャーナリスト岩田明子さん】「選挙期間中は、政策政策活動についてはここまではっきりは言ってませんでした。 議席を減らした結果、野党とは政策活動費については廃止の方向で協議をすると。早め早めに言っていればここまで議席は減らさなかったかもしれません」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2024年11月1日放送)