SNSなどで今人気を集める『ズボラ飯』 電子レンジなどで簡単に作れる一方で、調理家電の正しい使い方を知らないと、思わぬ事故に繋がるんです。
【提供・まるみキッチン】「レンジで一発!明太マヨうどんを作っていきます」
今や定番となっている手間をかけずに作る『ズボラ飯』。
【街の人】「結構やりますね忙しい時はすぐできるようにします」
【街の人】「ズボラ料理いいですよ、最高ですよ!やっぱ」
■『ズボラ飯」レシピ本は大人気
大阪市内の「書店」では…
【酒井麻衣記者】「こちらレシピ本のコーナーですが『ずぼら』『手抜き』といった言葉が目立ちます」
ズラリと並ぶ、『ズボラ飯』をテーマにしたレシピ本。
【正和堂書店 小西康裕さん】「育児とか仕事とかで忙しい方が多いと思うんで時短というよりも、どんだけ体力がゼロの状態でも作れるかみたいな、究極のとこらへんまでいっている感じはあります」
中でも今、注目を集めているのが「やる気1%ごはん」で、レシピ本大賞を2年連続で受賞し、発行部数は60万部を突破!
著者で大阪に住む料理家「まるみキッチン」さんはこう話します。
【「まるみキッチン」さん】「今の時代のショート動画と短めの動画とかとマッチして広がっていったのかなっていう印象はありますね。僕が絶対よく使うのが電子レンジはマストで使っていて、ボタンひとつっていうのが最高なんでめっちゃオススメです」
街で聞いてみると、それぞれの「ズボラ飯」テクニックがあるようです。
【街の人】「冷凍うどんをチンして入れて納豆とかネギをばばばばっと入れて混ぜるだけで食べたりとかはします。そうめん茹でるまではだるいみたいな」
【街の人】「カップラーメンでチャーハンを作ることはあります/そばめしみたいな…もう、きょうこれで~みたいな」
(Q味はどうですか?)
【街の人】「めちゃくちゃ美味しいですね」
■便利さの裏で危険を招くケースも
お手軽な一方で…「ズボラ過ぎると」危険を招くケースもあるというのです。
訪ねたのは、大阪・住之江区にある製品評価技術基盤機構=NITE(ナイト)。
【NITE製品安全広報課 安元隆博さん】「調理家電全体の事故が、ここ最近5年間で494件発生しています。使用者の誤使用、不注意、間違った使い方によるものが多くなってまして、全体では44%になっています」
特に電子レンジで注意すべきモノというのが…
【NITE製品安全広報課 安元隆博さん】「カップラーメン容器になります」
身近な「カップ麺」!? 実はカップ麺をレンジでチンすると、生麺のようにモチモチでおいしくなる!という口コミが広がり、多くの人が楽しんでいます。
その一方、大手メーカーのカップ麺には、「電子レンジ使用不可」の注意書きが。
一体どういうことなのか?特別に見せてもらいます、水を入れたカップ麺を容器ごと電子レンジで温めてみると…
フタから突然、火花が!そして、あっという間に火は大きくなり…
最終的に容器は丸コゲ状態に…
発火の原因は、フタにあるアルミホイルなどの「金属」なんです。
例えば金属ワイヤーを付けたままパンを温めてみても… やっぱり発火します! 電子レンジのマイクロ波が、金属に反射して「放電」が発生し、火災などを引き起こす恐れがあるということです。
2021年に北海道のアパートで2人が死亡した火事では、当時住人から「電子レンジが爆発した」という通報があり、レンジの中からは「カップ麺の容器」が見つかったということです。
【NITE製品安全広報課・安元隆博さん】「SNSとかWEB情報をみて、それだけを真似してやってしまう方いると思う、うのみにするんじゃなくて、しっかりと取扱説明書、注意表記をよく確認するというところから、調理は始まっているので、そこを忘れないでいただきたい」
■『スボラ飯』必須アイテム「ラップ」にも注意
さらに、街ではこんな声も・・・
「ラップつかってカレーもできる耐熱容器にカレー粉とたまねぎ・人参とかいれて水いれて、トマト缶もいれてほんで終わり」
「ラップ調理もやしあるかな/もやしそのままいれてシーチキンいれてごま油いれて鶏がらスープもといれて、ラップでチンしてまぜて、もっかいラップでチンして、3回くらいかな、そうするとおいしいんですよ。無限もやし」
『ズボラ飯』には必須アイテムの「ラップ」。 しかし、このラップにも、落とし穴が・・・
【Xの投稿より】「拡散希望/炊飯器でアイラップを炊く行為は蒸気口を塞いでしまい、故障や爆発する危険があるのでやめましょう」
X(エックス)に投稿を行ったのは、耐熱性のある「アイラップ」を販売するメーカーです。 ポリ袋などを入れて炊飯器を使うと、調圧口や内蓋に張り付いて内容物が吹き出し、やけどやケガのおそれがあるのですが…。
【アイラップを販売 岩谷マテリアル 坂本英明さん】「ボンという音がして見てみると、蓋が開いていたとか。そういった投稿が一時期、相次いでまして(SNSの)動画でアイラップを炊飯器にかけて同時調理、便利な使いかたみたいなので紹介をされたようでメーカーが記載した注意事項に沿って使用をしてほしい」
便利な『ズボラ飯』ですが、使い方を「ズボラ」して事故にならないよう注意が必要です。
電子レンジの誤用がもたらす想定外の危険
便利さの裏に潜む危険、時短調理の落とし穴。
しかし、その手軽さに潜む落とし穴を知らずに実践することで、思わぬ事故を引き起こす可能性があるのです。
例えば、金属製の容器を使用したり、密閉された容器で加熱したりすることで、火花が散ったり爆発したりする危険性があります。
また、加熱しすぎによる火傷や、食材の中心部が十分に加熱されないことによる食中毒のリスクも存在するのです。
SNS発信者の責任と安全性の確認
さらに「ズボラ調理」に潜む火災の危険。
具体的な事例の一つが、不適切なガラス蓋の使用です。
小さなフライパンにサイズが合わない大きなガラスの蓋を使用するケース。一見問題ないように思えるこの行為だが、実は大きな危険をはらんでいます。
ガラス蓋の縁が直接火にさらされることで、急激な温度変化によってガラスが破裂する可能性があるのだ。
さらに危険なのが、油の量を節約しようとする「揚げ焼き」の流行だ。
【谷元キャスター】「IHとかガスコンロともに最低限必要な油の量があるんです」
油の量を減らすことで、コンロの安全機能が正常に働かなくなり、油の過熱による発火のリスクが高まります。
【谷元キャスター】「必要以上に油が熱されちゃって、ボンと発火するんですって。これ火災の原因になります」
節約から油の量を減らそうとする人は十分注意して欲しい事例。
安全な調理を心がけれるため注意点をおさらいしました。
1. 取扱説明書の確認:IHガスコンロ取扱説明書をしっかりと確認する。
2. 適切な調理器具の使用:温度計が付いてるちょっと深めの鍋を使用
3. 必要十分な油量の確保:もったいないなと思っても、ちょっと多めの油でちゃんと揚げる。
便利さと安全性のバランスを取ること。 時短やズボラの誘惑に負けそうになったとき、この言葉を思い出してください。
あなたの安全は、ちょっとした注意と確認から始まります。
(関西テレビ「newsランナー」2024年10月3日)