自民党の総裁選挙の告示が12日に迫る中、上川陽子外務大臣が11日に立候補を表明。これで総裁選の立候補者は9人となりました。
自民党総裁選で推薦人が必要となってから過去最多の9人が、今、立候補を表明している状況です。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「乱立ですよね。数が多ければいいかというと、中身でしょう。その辺をしっかり僕らは見なきゃいけないと思う」
■各候補に「応援団の議員が何人いるか」一覧表が出回っている
永田町は今、どういう状況なのでしょうか?
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「要は、たくさんの票を集めて勝たなきゃいけないわけだから、例えば今日このようものを持って来たんです。(視聴者の方には)見せられないのだけれど、上を見たら各候補の名前で、応援団の議員が何人いるかという一覧表が出回っているんです。これは誰が書いたかとか、その出自や信ぴょう性が分からないので見せないけど、こういうものも出回っている。つまりもう数の争いになっちゃっているわけです。
今から告示して、今から政策論争を交わすに、もう今の段階で誰が誰を支持しているという票読みです。この辺がちょっとズレがあると僕は思いますね」
■国会議員は「決選投票」しか見ていない
総裁選のこれからの行方について、鈴木哲夫さんは「国会議員はすでに『決選投票』しか見ていない」と言います。
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「乱立しているでしょう。そうすると議員票370ちょっとありますが、単純に言って9人の候補がみんな20人の推薦人がいて、これでもう180票はばらけるわけです。(誰かが過半数に到達することはほぼないので)そうすると上位2人で決選投票ということになる。そうすると地方票が決め手になってくる。もう決選投票になるという前提で、決選投票は2人ですから『AとBどっちに入れる?』となる」
■国民は「次の総選挙で審判をくだすという構えが必要」
議員からすると何を基準に投票するのですか?
【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「決選投票のポイントは2つです。1つは『選挙の顔』。つまり選挙近いから、選挙の顔になるのはAかな、いやBの方がいいかなと、まずこれがポイントの1つ。これは私じゃなく、議員たち本人が言っているんです。
2つ目は、実は相変わらず『永田町の権力争い』。例えば、世論調査で小泉さんや石破さんなんかも良いと言われている。それで例えば小泉さん後ろには、菅さんとかいるわけですよ。そうすると小泉さんか石破さんじゃなくて、小泉さんの後ろにいる菅さんは絶対嫌だとか。そういう権力闘争。だから結局、誰を選ぶかじゃなくて、その後ろとか力関係を見た時に、背後に誰がいるからそうじゃない方にするといったことで、今うごめきあっているんです。
本来、政策論争をこれからやって欲しい。自民党の総裁というのは、総理大臣になる可能性が高いわけです。この国をどうするかを今からやらなきゃいけないのに、相変わらず決選投票を見て、『あいつが嫌だから』『こいつが嫌だから』と。これでいいんですか。やはり僕ら、国民は投票権ないですけど、今回しっかり見て、次の総選挙で審判をくだすという構えが必要だと思います」
自民党の総裁選はいよいよ12日に告示を迎えます。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年9月11日放送)