大阪・関西万博の開催期間中にIRの工事が行われることについて、BIE=博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長は、関西テレビの単独インタビューに対し、「工事が重なるのは深刻な問題」と懸念を強調しました。
28日から来日しているBIE=博覧会国際事務局のケルケンツェス事務局長。
経済産業省の斎藤大臣と会談し、来年の4月に開幕する大阪・関西万博の会期中、夢洲の会場近くで予定されている、IR=カジノを含む統合型リゾートの工事について協議しました。
IRの工事をめぐっては、ケルケンツェス事務局長らが大阪府市に会期中は中断するよう求めていますが、折り合いがついていません。
中断を求める理由について、博覧会国際事務局のトップ、ケルケンツェス事務局長が関西テレビの単独インタビューに応じました。
【ケルケンツェス事務局長】「突然、大規模なIRの工事を真横でするとなると、もちろん心配になります。懸念しているのは(IRの)初期段階の工事と重なること。初期段階の工事は、一番汚く、うるさく、ほこりが多い」
大阪府市に対しては、2019年から工事が重なることへの懸念を伝えていたにもかかわらず、ことし6月に来日した際、IR工事が会期中に本格化することを初めて知ったということです。
【ケルケンツェス事務局長】「大阪府市とは、もう少し対話ができればよかったと思う。6カ月間の開催期間中は、万博の繁栄を優先しなければならない。IRの工事は、その邪魔にならないよう進められる方法を見つけたい」
一方、大阪府市とIR事業者の「実施協定」には、2026年9月までに土地の整備などが整わなければ、事業者が違約金なしで撤退できる「解除権」が盛り込まれているため、慎重な対応が求められます。
この状況について大阪府の吉村知事は。
【大阪府 吉村洋文知事】「万博もIRもいずれも重要な事業ですので、両立できるように進めていきたい。ケルケンツェス事務局長にもしっかり丁寧な説明を尽くしていきたい」
ケルケンツェス事務局長によると、「解決策の詳細案は示されている」ということで、工事がどのように進められるのか今後の見通しが注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」2024年8月30日放送)