今回の地震に関して、南海トラフ巨大地震や避難行動に詳しい、京都大学 防災研究所の矢守克也教授に詳しく伺います。
■7日以内の「後発地震」は平常時の5倍の確率 専門家は…
「巨大地震注意」の情報について、関西テレビの神崎デスクは次のように話します。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「『巨大地震注意』というのは、あくまで確率論です。過去の世界中の地震のデータを集めてきて、調べていくと『これくらいの確率で起きますよ』という話なので。
実は『1週間ずっと同じ緊張感を持ってください』という話ではなく、濃淡があって、過去のデータを見ると、6回大きな地震が1週間以内に起きていると。その6回というのは、地震が起きた当日、翌日、翌々日、この3日間で6回大きな地震が起きているというのがあるんですよ。なので、今回(8日)の地震でいうと、9日と10日に起きる確率が高いので、この3日間は注意しましょうと。
1週間という目安はあるんですけども、1週間たったら安全なのかというとそういうわけでもなくて、実は2週間くらいたってから大きな地震が起きているケースもあるんですね。あくまでも1週間というのは目安でしかないということです」
南海トラフの震源域、過去の地震の発生状況を見ていきます。 1854年の地震では、1回目の大きな地震から32時間後に同程度の揺れが襲っています。 しかし、1944年の地震では、1回目の地震から2年後に大きな地震が襲っている。こういったケースもあります。 事例ごとにスパンが大きく異なりますが、目安として1週間程度は地震への備えの再確認をしてほしいと呼びかけています。
■震源地周辺への帰省や海辺への旅行は控えるべき?
Q.旅行先で地震が起きた時のために持っておくといいものは?
【京都大学 防災研究所 矢守克也教授】「特におすすめしたいのは、自分自身とか、ご家族だけに必要な、大事なもの。例えば私だったらメガネのスペア、予備なんですが、一般的に必要な水や食料は周りから、旅行先や帰省先でも比較的容易に手に入れる方法が分かるかと思うのですが、自分だけが必要なものや、飲まないと体調にかかわる薬とか。そういうものは特に、この1週間程度は大きな災害が起こるかもという情報が出ているので、普段以上に気をつけて、予備を携帯しておくということを心がけるといいと思います」
Q.子どもに留守番の時、地震が来たらどうすべきと伝えたらいい?
【京都大学 防災研究所 矢守克也教授】「難しいですね。でも、例えばこれを機会に、自宅が地震に対してどれくらい安全なのか、不安があるのか。子ども部屋やリビングの家具の固定などが進められているのかどうかということを、子どもにどういう指示を出すかを考える前に、家族全員でチェックするという機会にしていただくと、今回の情報を前向きに生かせると思うんです。
情報が出たからといって、地震・津波が必ず来るとは限らないので、いわゆる“外れ”になる可能性も高いです。その時に『外れた』と思うのではなく、家族でそういうことを始めるいいきっかけになったと思えるように活用してもらうことが大事だと思います」
Q.みんながたくさんの水などを買って商品がなくなるということは避けるべきですが、3日分程度の備えで良いのでしょうか?
【京都大学 防災研究所 矢守克也教授】「標準の目安としては、3日ではなく、大きな災害になるといろんなところで同時多発するので、外からいろんなものを持ってくることもできなくなることを見越すと、最近は『1週間分くらいは用意しておきましょう』という風にいわれています。
ただ、これを聞いてみんなが1週間分を買いに今日行くと、そのことがもたらす混乱もあるので、できれば平時の間にストックを増やす努力をしましょう」
また、災害に関して根拠のない情報やデマが出回るということも懸念されます。気象庁や自治体の公式情報を参考にしていただきたいと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2024年8月9日放送)