6年前の殺人事件の裁判が、大阪地裁で10日、はじまりました。
被告人が訴える「無実」か、それとも執念の捜査が実を結ぶのか。
■山本被告は「無実」を主張
「私は犯人ではありません」
10日の初公判で、はっきりしたとした口調で無罪を主張した山本孝被告(48)。
山本被告は、6年前、羽曳野市の路上で、会社員の平山喬司さんを刃物で刺して殺害した罪に問われています。
平山さんは、知人女性を自宅まで送り届けたあと、背中を刃物で一突きされて死亡しているのが見つかりました。
凶器や目撃者は見つからず捜査は難航。
そんな中、事件の直後に捜査線上に浮上したのが山本被告でした。平山さんの知人女性と山本被告は隣人で、1年ほど前から植木鉢の置き方などを巡り、トラブルがあり平山さんが仲介に入っていたといいます。
警察は、4年かけて聞き込み捜査や周囲のカメラ映像の解析を続け、逮捕に至りました。 一方、山本被告は当初から一貫して「無実」を主張しています。
【逮捕前の山本被告】「とりあえずやってもないし、家なんかもガサ入ってしばらく1か月経ちますけど、当然証拠なんてない。警察が言っていたのは、とりあえず『お前に似ている』と」
■初公判での検察側、弁護側、双方の主張は
事件から6年、ようやく始まった10日の初公判。
検察は、現場は用水路などに囲まれた住宅地で、外部からの侵入があれば、ドライブレコーダーなどに記録されることから犯人は住宅街の住人と判断。
その中で、山本被告が犯行時刻の直前に外出し、家族には「散歩」といっていたこと、ドラレコに映っていた犯人の身体的特徴が山本被告と合致すると指摘。
一方、弁護側は、「本当は平山さんが悪さをしないように見張っていたが、車から出てこなかったので家に帰った」「直接的証拠は一切ない。住宅地外部からの進入も可能で、初めから疑いをかけた人物に合致するように条件設定をしている」と主張しました。
裁判を傍聴していた亡くなった平山さんの長男は「(父は)すごく頼りになる。人に好かれる人だった。真実を話してほしい」
■裁判を前に記者の面会に応じた山本被告
裁判を前に記者の面会に応じた山本被告は。
【山本被告】「当然、やっていません。(隣人や平山さんとの間で)ちょっとしたトラブルがあったけど、殺害するようなトラブルではないです」
(Qなぜ疑われたと思いますか)
【山本被告】「アリバイがないからです。平山さんは、タバコのポイ捨てをすることがあったので、その日も自宅の駐車場から見張っていましたが、平山さんが車から降りてこなかったので、家に帰りました」
「執念の捜査」かそれとも「無実」なのか。3カ月にわたる裁判で何が明らかになるのでしょうか。