兵庫県の複数の県立病院で医師の違法な時間外労働があった問題。県は医師の働き方改革として、「患者への病状説明を勤務時間内に行う」などの方針を示しました。
兵庫県の4つの県立病院では、2019年から2023年にかけて10人の医師に労使協定の上限を超える月最大190時間の時間外労働をさせ、労働基準監督署から是正勧告を受けていました。
こうしたことから兵庫県は2023年10月から外部の有識者とともに検討を進め、県立病院の医師全員にアンケートを実施。
患者や家族の意向に沿って”勤務時間外”に病状説明している現状をおよそ9割の医師が問題視していたことを受け、13の県立病院で病状説明を”勤務時間内”に段階的に実施していくと発表しました。
【兵庫県斎藤元彦知事】「夜遅い時間帯や土日に医師が出てきて、患者や家族に病状を説明している状況。医療が将来にわたって県民の命を守るために持続可能なものとしてやっていくことが大事」
他にも、電子カルテを音声入力にすることや、育児中の医師の短時間勤務制度を拡充することなども決定しました。
一方で、医師の働き方をめぐっては、神戸市の甲南医療センターの医師・島晨伍さん(当時26)が過酷な長時間労働の末、2022年5月に自殺。
労災と認定された一方で、病院側は「自主的な研究=自己研さんの時間も含まれていた」などと裁判で主張しています。
このような医師の「自己研さんの時間」の問題については…
【兵庫県斎藤元彦知事】「労働管理の適正化というところで、自己研さんというものもどうすべきか、現場の中できちっと議論されてルールが定まっていく」
各病院で自己研さんについてのルールを明確にするよう、求めていくとしました。
(関西テレビ「newsランナー」5月14日放送)