ご飯とおかずがセットになったワンプレートの冷凍食品が爆発的な人気になっています。
背景には何があるのでしょうか。
■“ワンプレート”タイプの冷凍食品がヒット
つやつやのごはんに、色とりどりのおかず。こちらのおいしそうなメニューは、すべて冷凍食品です。
「最近の冷食は何でもあるもんね~」と見慣れた光景なのですが…。
実はこれ、ごはんとおかずがセットになった「ワンプレートタイプの商品」なんです。今、このワンプレート商品が大ヒットしています。
そもそも冷凍食品全体の売り上げが好調で、2023年と6年前を比較すると、およそ1.4倍に。
その中でも、ワンプレート商品の成長は著しく、「6年前の7.7倍」。市場規模が100億円に迫る、破竹の勢いです!
この伸びについて、市場アナリストは…。
【インテージ 市場アナリスト 木地利光さん】「急速に拡大したと言っていいと思います。冷凍食品の種類別で見た時に、お好み焼きとたこ焼きが100億ちょっとくらいなので、(冷食の)それくらいの顔ぶれと同じくらいの規模に近づきつつあって、それに向けて市場が成長しているので、という意味でも、規模感としては十分なカテゴリなのかなと思います」
利用している人からはこんな声が…。
【買い物客】「息子の塾に行かせるための簡単に先に食べさせて行かせるときにこういうのが一番楽で。ほんと時間なくてバタバタしてるときに助かってましたね」
【買い物客】「主人がお弁当を持っていくのに忙しくてできない時にこれを持っていくと弁当そのままでいけるなという感じで便利かなと」
関西に拠点を置く「ライフ」も、プライベートブランド商品で力を入れて展開しています。
【ライフ 食品日配部門 山村 誠マネージャー】「こちらがライフのワンプレート商品になります。当店では、20種類前後の品揃えとなっております。一番売れているのがこちらの『おろしハンバーグ&かやくごはん』という商品になります」
■「若者の食事そのものに」と市場アナリスト
市場アナリストは、冷凍食品が「主婦の負担を軽減する食卓の1品」から「若者の食事そのものになった」ことが人気拡大の理由の一つだと分析しています。
【インテージ 市場アナリスト 木地利光さん】「実はワンプレートは30代以下の、比較的若年層の世代もよく買っているという特徴が見られまして。唐揚げを温めて、パックご飯を温めてっていうそれだけでも2回手間がかかるところを、おかずとご飯がセットになっているものを温めるだけ、しかも皿つきの商品が多いので、皿洗いとかの手間も省けるといった楽さも含めると、かなり簡便性が高い商品かなと」
また、物価高という社会情勢も相まっているようで…。
【インテージ 市場アナリスト 木地利光さん】「平均価格で400円ぐらいで、バランスのいい食事、おかずもたっぷりの食事が400円で準備できるというところは、コスパの良さっていう意味でも、総合的に見て魅力が高い商品なのかなというふうに考えています」
タイパとコスパの良さで人気が広がるワンプレート商品。シェアトップを走るのは、「ニップン」です。
「よくばりシリーズ」として、和風・洋風・がっつり系と、豊富なラインナップが特徴です。最も売れているのは、「五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」。
和食商品は、1商品で10品目以上が摂れるという栄養面の良さを重視したところ、さらに売り上げが伸びたそうで…。
【ニップン 冷食営業部 森 雅也さん】「高齢の方にも評価いただいているかなと思っております。ご家族の方からもですね、なかなか火を使って調理をあまりしてほしくないという声もあったりですね。栄養のバランスが取れているか心配という方もいらっしゃいますので、電子レンジでチンするだけで食べていただける。好評いただいているかなと」
関西テレビの加藤さゆり報道デスクは、育休中にワンプレート冷凍食品を利用していたといいます。
【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「私自身も育休中、子どもの世話をしながら、自分のことが疎かになって、なかなか自分の料理に手が割けないんですけど、これはかなり活用していました。栄養も摂れますし、そのままポイっと捨てられるので、本当にありがたかったです」
時代に合わせてニーズが伸びている冷凍食品。今後もさらなる拡大が見込まれます。