スマイルアップ側は「誠心誠意、補償に取り組む」としていますが、被害者は不信感をあらわにしています。
ジャニー喜多川元社長による性加害の救済・補償について、スマイルアップは、これまでに973人から被害の申告があり、324人に補償金の支払いが完了したとしています。
被害を訴えている二本樹さんは、まだ補償について話し合いを続けている段階で、そのプロセスに疑問を感じています。
【元ジャニーズJr. 二本樹顕理さん】「救済委員会との面談は一度限りですね。カウンセラーですとか、精神科医とか、そういった専門的な方たちの同席がなくて。ただただ淡々と当時の状況について供述させられてといったような感じで」
補償額の算定基準も明かされておらず、まさにブラックボックスの中で補償が進んでいると感じています。
【元ジャニーズJr. 二本樹顕理さん】「それ(補償金)を渡したから『はい、そこでおしまい』っていうのもなんか違うと思っておりまして。一時的な、一芸能界のスキャンダルという形で終わらせてしまってはならないような気がするんですね」
■性加害を受けた当事者が「ワニズアクション」立ち上げ 子供たちへの性暴力根絶を
スキャンダルで終わらせないために。性加害を受けた当事者たちは、今、新たな活動を始めています。
【ワニズアクション 中村一也さん】「これから育っていく子供たちに性被害を生ませない社会。それが今回、形になった」
二本樹さんたちは、「ワニズアクション」という団体を立ち上げました。子供たちへの性暴力を根絶するため、性教育の必要性を訴える講演活動などに取り組みます。
【助産師 櫻井裕子さん】「『体の権利』という言葉を知っていたら、もしかしたら踏みとどまることができたかもしれないと、一人の加害した人が言っていた。この学習は小さなころに必要だったんだなと」
【性犯罪などを専門とする 上谷さくら弁護士】「(被害者は)やった人が悪いんだということの知識がほしかったと言います。『こういうことされたとか、助けて』って言ったときに、それを信じてくれる大人の存在。『あんな立派な人がそんなことするわけないじゃない』って言われない。それがあれば言えたかもしれないと」
■『1 is 2(too) many(被害者はたった一人でも多すぎる)』
ワニズアクションの活動理念は、『1 is 2(too) many(被害者はたった一人でも多すぎる)』です。
【ワニズアクション 二本樹顕理さん】「子供たちの成長段階からしっかりとした性教育を施すとか、そういったことによって被害をなくす、加害行為を止めていくということにつながっていくんじゃないかと思います」
二本樹さんは、子供たちが安全に成長していける、そして純粋に夢を追い続けられる社会を実現させたいという話をしています。この二本樹さんの活動が、子供への性被害をなくすことにつながればと願います。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月10日)