2月28日は、いじめにNOを示す「ピンクシャツデー」です。
関西でもいじめから子どもを守る動きが広がっています。
■全国的にも珍しい八尾市の取り組みとは
28日、全員がピンク色のシャツを身に着けていたのは、大阪府の八尾市議会。市役所で働く職員たちもピンクシャツです。
「ピンクシャツデー」とは、2007年にカナダで始まったいじめ反対運動で、毎年2月の最終水曜日にピンク色の物を身に着け、「いじめ反対」の意思表示をします。
八尾市は、市内の児童が、いじめが原因でけがをして不登校になった問題をきっかけに、4年前、全国的にも珍しい市長直轄の「いじめからこどもを守る課」を創設。
市をあげて、いじめの未然防止や迅速な対応に力を入れています。
【八尾市 大松桂右市長】「教育委員会だけで対応するのは限界があるのではないかと思いまして、しっかりそういった子どもさんのSOSを拾っていきたいというところも含めまして、市長部局として直轄で守る課というのを設置しようと」
八尾市の「いじめからこどもを守る課」には、子どもの声を聞く臨床心理士、法的なアドバイスをする弁護士、経験が豊富な元校長が常駐しています。
【八尾市いじめからこどもを守る課 職員】「手紙相談が届いているので、一回目を通してもらって、意見とかがあれば言っていただけたらと思います」
【元校長】「本人が友達と一緒に先生とつながる力がもしこの子にあれば、助言の中に入れてもいいのかな」
学校や教育委員会に相談したものの、解決に向かわなかったケースに対応することもあります。 つらく苦しい思いをしている子どもたちからの相談には、できる限り迅速に返事をするようにしています。
■いじめの匿名相談ができるアプリを導入
八尾市のこの部署では今年度から、小中学校で一人一台貸与されているタブレット端末に、匿名でいじめの報告や相談ができるアプリを試験的に導入。
これまでに30人ほどから相談が寄せられたということです。
いじめ専門の相談先について、子どもたちは…。
【八尾小学校 6年生】「身近な人に恥ずかしいとか言えないことも、このアプリなら誰にも知られずに相談できるからいいと思います」
【八尾小学校 菊池妙子校長】「子どもや保護者にとったら非常にありがたい部署ができたのだと思っています。相談できる窓口が一つ増えた。それは学校現場ではなく、市長部局にできたっていうところはフラットな意見として相談に乗っていただけるのではというところが大きい」
八尾市で始まった本格的ないじめ防止の取り組み。子どもを守るため、大人たちの連携が求められています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月28日放送)